ワークショップ主宰の松枝です。
絶賛上映中の矢崎仁司監督の新作「無伴奏」
見に行かれたでしょうか?
まだでしたらぜひ見に行ってください。
ちなみに、映画を見た時に、パンフレット買いますか?
僕はほとんどの場合買います。
俳優のインタビューや監督のインタビュー、プロダクションノートなんかを読むのが大好きだからです。
映画を、物語として純粋に楽しむことに加えて、
創作の苦労などを知るのは、物語の舞台裏を知ることにつながり
同じように創作をする者としては勉強になるうえに、楽しいです。
ひとつの映画を味わい尽くし、友人と語らいたいので、僕はパンフレットを必ず買っています。
で、今回、「無伴奏」ではフォトブックというのも売っていまして

↑この中に掲載されている矢崎監督のインタビュー、出演者の成海璃子ちゃん、池松壮亮くん、斎藤工くんのインタビューを実は僕がやっています。原作者の小池真理子さんと監督との対談も僕が文字にしてまとめています。
ところで、劇作家であったり、ワークショップのコーディネーターである僕がなんで、無伴奏のキャストのインタビュアーをやっているかというと、2014年12月に、僕が主催した矢崎仁司監督のワークショップの時に、矢崎さんの演出の秘密や、キャスティングの秘密を知るために、インタビューしたものを、参加者たちのためにしたのですが、これが結構評判がよく、なによりも矢崎監督の奥様が、「はじめてあなたのことをちゃんと理解してくれた人じゃないの?」と僕のことをおっしゃってくれたようで、それは僕自身大変うれしいことなのですが、そうしたら、矢崎さん直々に、マツガエくんにキャストインタビューをしてもらおうということをご提案されたようで、それでマツガエがインタビュアーになるっていうことが実現した、というわけなのです。
そして、これがおおもとになった矢崎仁司監督のインタビューです。なかなか他に類のないインタビューとなっているので良かったら読んでみてください。
http://alotf.com/ws/ws18_1/
で、僕がインタビュアーになることになったわけです。
で、はたと悩んだわけです。
「今回出演してどうでしたか?」とか「何を一番苦労されましたか?」とか「好きな食べ物は何ですか?」とか、そういうこと聞くなら僕じゃなくていい。普通のそういう職業の人にやってもらえばいい。
僕ならではのインタビューってなんだ?とかめちゃくちゃ悩みました。
そもそも僕がやった矢崎さんのインタビューはなぜ面白かったのか?
それを考えました。
で、思い至ったのは、僕が本当に聞きたい知りたいと思ったからじゃないか、仕事とか関係なく、本当になぜなんですか?と聞いたからじゃないか、たとえばその時に矢崎さんの答えに納得がいかなかったら、食い下がって手を代え品を代え何度も同じことを聞いたからじゃないか、ということでした。
演技をやったりしているとわかると思いますが、台本に書かれているからという理由だけで「言われる」台詞は相手に伝わらないですが、自ら本当にそう「言うべき動機」を持って「言われる」台詞はずばずば相手に届きます。同じことだと思います。
つまり、義務としてインタビューを行うのではなくて、僕の欲望としてインタビューを行うこと。一般的に聞いてほしいと思われると思うことを聞くんじゃなくて、僕が本当に聞きたいことを、ここぞとばかりに聞いてやろうと。他人の欲望に従うんじゃなくて、自分の欲望のままに動こうと。そう決めました。
だから質問の内容は、ワークショップの主宰として、僕が日々感じていることが強く反映するものになりました。
俳優・女優として、なにと戦い、なにに挫折し、そしてどのようになろうとしているのか。
そうした質問の姿勢に対して、キャストの皆さんははじめは、なにこの質問?という感じでしたが、だんだんと熱してきて、自らの俳優・女優に対する思いや悩みを吐露してくれ始めたのです。
たとえば、成海璃子さんはこんなことを言っています。
「記憶力があればだれでもセリフを覚えることはできる。誰でも女優になれる。でも私はそういうところには居たくない」
たとえば、池松壮亮くんはこんなことを言っています。
「自分の心をコントロールするなんて、僕にとっては世界征服するぐらい難しいことなんですよ。でも、目指すしかない。それをするのが役者なんじゃないかと。」
たとえば、斎藤工さんはこんなことを言っています。
「…要はそこに、映画のリアルがある気がするんです。私のように「どうせ作り物なんだろ」と斜めに映画を観ている観客に「これ、もしかして本物?」と思わせることのできる映画的リアルの極意がある気がするんです。で、私はそれを観たいし、それを演りたいんだなってことに気付いたんですよ」
それぞれが、それぞれの経験と思いを背負って、俳優・女優であることを全うしようとしているのが分かります。
インタビュー中は、同席している関係者の人たちに、こんな「無伴奏」と関係ないインタビューで良いのかと不安を与えているのをひしひしと感じたのですが(^^;、結果として、良いインタビューとなっている…のではないかと思っています。
俳優・女優として、いまの時代を走っている人なら、同じような感覚を得たり、あるいは少し先を走っている彼らからヒントを得たりできるんじゃないかと思います。
ので、映画「無伴奏」を見られるときは、ぜひ劇場で、フォトブックも買ってみてください。
フォトブックには載せられなかったのですが、うちのワークショップをきっかけにキャスティングを決めることのできた遠藤新菜ちゃんのインタビューもしています。
こちらのほうもぜひ、読んでみてください。
→ http://alotf.com/ws/nina/
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現在、次のワークショップ参加者を募集中です。
「富岡忠文監督による俳優のための実践的ワークショップ」
絶賛上映中の矢崎仁司監督の新作「無伴奏」
見に行かれたでしょうか?
まだでしたらぜひ見に行ってください。
ちなみに、映画を見た時に、パンフレット買いますか?
僕はほとんどの場合買います。
俳優のインタビューや監督のインタビュー、プロダクションノートなんかを読むのが大好きだからです。
映画を、物語として純粋に楽しむことに加えて、
創作の苦労などを知るのは、物語の舞台裏を知ることにつながり
同じように創作をする者としては勉強になるうえに、楽しいです。
ひとつの映画を味わい尽くし、友人と語らいたいので、僕はパンフレットを必ず買っています。
で、今回、「無伴奏」ではフォトブックというのも売っていまして

↑この中に掲載されている矢崎監督のインタビュー、出演者の成海璃子ちゃん、池松壮亮くん、斎藤工くんのインタビューを実は僕がやっています。原作者の小池真理子さんと監督との対談も僕が文字にしてまとめています。
ところで、劇作家であったり、ワークショップのコーディネーターである僕がなんで、無伴奏のキャストのインタビュアーをやっているかというと、2014年12月に、僕が主催した矢崎仁司監督のワークショップの時に、矢崎さんの演出の秘密や、キャスティングの秘密を知るために、インタビューしたものを、参加者たちのためにしたのですが、これが結構評判がよく、なによりも矢崎監督の奥様が、「はじめてあなたのことをちゃんと理解してくれた人じゃないの?」と僕のことをおっしゃってくれたようで、それは僕自身大変うれしいことなのですが、そうしたら、矢崎さん直々に、マツガエくんにキャストインタビューをしてもらおうということをご提案されたようで、それでマツガエがインタビュアーになるっていうことが実現した、というわけなのです。
そして、これがおおもとになった矢崎仁司監督のインタビューです。なかなか他に類のないインタビューとなっているので良かったら読んでみてください。
http://alotf.com/ws/ws18_1/
で、僕がインタビュアーになることになったわけです。
で、はたと悩んだわけです。
「今回出演してどうでしたか?」とか「何を一番苦労されましたか?」とか「好きな食べ物は何ですか?」とか、そういうこと聞くなら僕じゃなくていい。普通のそういう職業の人にやってもらえばいい。
僕ならではのインタビューってなんだ?とかめちゃくちゃ悩みました。
そもそも僕がやった矢崎さんのインタビューはなぜ面白かったのか?
それを考えました。
で、思い至ったのは、僕が本当に聞きたい知りたいと思ったからじゃないか、仕事とか関係なく、本当になぜなんですか?と聞いたからじゃないか、たとえばその時に矢崎さんの答えに納得がいかなかったら、食い下がって手を代え品を代え何度も同じことを聞いたからじゃないか、ということでした。
演技をやったりしているとわかると思いますが、台本に書かれているからという理由だけで「言われる」台詞は相手に伝わらないですが、自ら本当にそう「言うべき動機」を持って「言われる」台詞はずばずば相手に届きます。同じことだと思います。
つまり、義務としてインタビューを行うのではなくて、僕の欲望としてインタビューを行うこと。一般的に聞いてほしいと思われると思うことを聞くんじゃなくて、僕が本当に聞きたいことを、ここぞとばかりに聞いてやろうと。他人の欲望に従うんじゃなくて、自分の欲望のままに動こうと。そう決めました。
だから質問の内容は、ワークショップの主宰として、僕が日々感じていることが強く反映するものになりました。
俳優・女優として、なにと戦い、なにに挫折し、そしてどのようになろうとしているのか。
そうした質問の姿勢に対して、キャストの皆さんははじめは、なにこの質問?という感じでしたが、だんだんと熱してきて、自らの俳優・女優に対する思いや悩みを吐露してくれ始めたのです。
たとえば、成海璃子さんはこんなことを言っています。
「記憶力があればだれでもセリフを覚えることはできる。誰でも女優になれる。でも私はそういうところには居たくない」
たとえば、池松壮亮くんはこんなことを言っています。
「自分の心をコントロールするなんて、僕にとっては世界征服するぐらい難しいことなんですよ。でも、目指すしかない。それをするのが役者なんじゃないかと。」
たとえば、斎藤工さんはこんなことを言っています。
「…要はそこに、映画のリアルがある気がするんです。私のように「どうせ作り物なんだろ」と斜めに映画を観ている観客に「これ、もしかして本物?」と思わせることのできる映画的リアルの極意がある気がするんです。で、私はそれを観たいし、それを演りたいんだなってことに気付いたんですよ」
それぞれが、それぞれの経験と思いを背負って、俳優・女優であることを全うしようとしているのが分かります。
インタビュー中は、同席している関係者の人たちに、こんな「無伴奏」と関係ないインタビューで良いのかと不安を与えているのをひしひしと感じたのですが(^^;、結果として、良いインタビューとなっている…のではないかと思っています。
俳優・女優として、いまの時代を走っている人なら、同じような感覚を得たり、あるいは少し先を走っている彼らからヒントを得たりできるんじゃないかと思います。
ので、映画「無伴奏」を見られるときは、ぜひ劇場で、フォトブックも買ってみてください。
フォトブックには載せられなかったのですが、うちのワークショップをきっかけにキャスティングを決めることのできた遠藤新菜ちゃんのインタビューもしています。
こちらのほうもぜひ、読んでみてください。
→ http://alotf.com/ws/nina/
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現在、次のワークショップ参加者を募集中です。
「富岡忠文監督による俳優のための実践的ワークショップ」