開発「所でさっきからちょいちょい名前が出てる」
劉備「愛紗ちゃん」
開発「それ」
劉備「凄く強い女の子だよ♪ちょっと真面目過ぎるけど、しっかりしててとっても頼りになるの。」
開発「まさかと思うけど名前関羽じゃないよね?」
劉備「え〜!どうして名前分かるの!?」
開発(うわーまじかー)
劉備「やっぱり、聡様は別の世界から来た人なんですね!」
開発「まあ確かに別の世界っていうのはあってる、タイムスリップって奴かなあ」
劉備「たいむすりっぷ?どういう意味?」
開発「過去に来る事だよ、劉備達は何で旅してるの?」
劉備「私達は、この乱世をどうにかしたいと思っってるんです」
開発「乱世?」
劉備「今の世の中の事です。漢王朝は腐敗して、弱い人達に重い税を課す一方で自分達はやりたい放題…。盗賊達も沢山現れ、力無い人達は略奪されるばかりです。そんな人達を守りたくて、私達三人は立ち上がったの!少しでも力になれればって」
開発(痛い位真っ直ぐな目。はっきり言って夢物語だけど強い意志は感じられる)
劉備「だけど、私達三人の力だけではもうどうしようもなくなってきて…それで」
鈴々「あー!待つのだ!」
開発「張飛」
劉備「いつの間に追い越しちゃったんだね」
開発「気づかれなきゃ勝負に勝ってたんだね」
鈴々「追いかけっこです鈴々に勝つなんて、お兄ちゃんも中々凄いのだ、久し振りに鈴々も楽しいのだ」
開発「町に着いたら遊んであげるから、勝負をやめて一緒に行かない?もう直ぐ町に着くし、これ以上は力の浪費だよ」
鈴々「勝負を途中で止めるのは嫌なのだ。鈴々が簡単に負ける訳ないのだ、それにお兄ちゃん本気出してないのだ。鈴々わかるのだ」
開発「流石と言うべきかな」
劉備「聡様、鈴々ちゃんと遊んであげて下さい」
開発「しょうがないな」
僕は竹刀ケースからもう一本取り出した
開発「預かっててくれる?」
劉備「はい♪」
二刀の構えをとる
開発「ふう」
深く細く息をはいた
鈴々「やっとお兄ちゃんの本気見れるのだ。いざ尋常に勝負なのだ。」
鈴々が突っ込んでくる
鈴々「うりゃあ」
蛇矛が振り下ろされる
さっ
横移動で躱す
ぶおっ
開発「!!」
横薙ぎに振ってきた
さっ
飛んでかわした
ざっ
鈴々「躱してばかりでは鈴々に勝てないのだ」
間合いをとった
開発「そうだね。そろそろ攻め時かな」
トン
トン
鈴々「何で跳んでるのだ」
トッ
開発(縮地)
ダン
鈴々「!?」
バシッ
劉備「えっ」
カラン
鈴々「えっ今」
さっ
開発「僕の勝ちでいいのかな」
ニコッ
鈴々「降参なのだ」
劉備「凄い鈴々ちゃんに勝っちゃった」
鈴々「ていうか何で武器を狙ったのだ」
開発「幾ら強い張飛とはいえ、可愛い顔に怪我をさせる訳にはいかないからね」
鈴々「可愛い?鈴々が?」
開発「うん」
鈴々「お姉ちゃんや愛紗以外に可愛いなんて言われたの、初めてなのだ。お兄ちゃん強いしいい奴そうなのだ!勝負は鈴々の完敗なのだ」
劉備「わあっ聡様鈴々ちゃんに勝っちゃうなんて凄いですね」
開発「かなり危なかったけどね」
鈴々「いっぱい走ったらお腹ペコペコなのだ。早く愛紗に会ってご飯にするのだ!愛紗もきっとお兄ちゃんに会って喜んでくれるのだ!」
劉備「そうだねえ。だって、探していた天の御使いに会えたんだもんね」
開発「だからさ、その「天の御使い」って何なの?」
鈴々「天の御使いは、乱世に平和を誘う天の使者なのだ!」
開発「世界を平和に」
劉備「乱世をどうにかしたいと方策を考えてる時に、占い師の管輅ちゃんにお告げをもらったの。東方より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だって」
鈴々「その言葉を信じて、鈴々達は流星を探していたのだ!」
開発「成程…」
劉備「今日漸く流星を見て後を追ったら聡様に出会ったんです♪」
開発「期待を裏切って悪いけど僕は天のナンチャラじゃない普通の人間だよ」
鈴々「お兄ちゃん、仙術は使えないのだ?」
開発「使える訳ないでしょ」
劉備「でも、聡様は私達とは違います」
鈴々「変な格好してるし、鈴々達が知らない変な言葉を話すのだ」
劉備「愛紗ちゃん…もう一人の仲間も、サトシ様を天の御使いだと認めてくれますよ!鈴々ちゃんと愛紗ちゃんのお陰で、私達は強さは十分にあります」
鈴々「山賊を倒したり、賞金首を捕まえたりしてここまで来たのだ。でも…。」
劉備「私達が助けられるのは、通りがかったほんの一握りの人達だけ、私達には人を惹き付ける為の、知名度や名声等の実績が足りない。」
鈴々「お兄ちゃんが居てくれたら、皆鈴々達に力を貸してくれるのだ!」
開発「頭が痛い」
劉備「まあ、難しい事は愛紗ちゃんに会ってから考えよっと♪」
鈴々「賛成なのだ!御飯♪御飯♪」
劉備「鈴々ちゃんったら。さあ、行きましょう、聡様!」
鈴々「お兄ちゃん、早く早くなのだー!」
開発「あっこら服を引っ張らないでって」
こうして僕はどんどん得体の知れない世界に巻き込まれていく
第1章 第4話 天の御使い 完