妄想うらら迷路帖 第2話 | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心


開発「うーん。ここはあっそうか、棗屋か」

下に降りていった

ニナ「お早う聡君」

開発「お早うございます。ニナ殿」

ニナ「良く眠れた?」

開発「お陰様で」

ニナ「御免なさいね。昨日は生徒達が壁を」

開発「穴は然程大きくもなかったので直ぐに塞げました」

ニナ「それなら、良かったわ」

開発「おっと忘れる所であった」

私は懐から札束を出した

ニナ「これは」

開発「此方は今月の家賃です」

ニナ「そんな、良いのに」

開発「そうは参りませぬ。一宿一飯を無銭という訳には」

ニナ「一ヶ月の家賃にしては」

開発「育ち盛りの小娘達の食費等も含めています、私の気持ちでございます」

ニナ「わかりました。有難う聡君すぐ御飯の準備するわね」

開発「忝い」

ニナ(なんか、これ夫婦のやり取りみたい)

開発「如何されましたかな?」

ニナ「ううん、何でもないの」

数分後

開発「ご馳走様でした。大変美味でした」

ニナ「お粗末様。今日は聡君の予定は?」

開発「少し街を散策しようかと」

ニナ「そう。あら今日はいい日ね。出会いやびっくりする様な事が起こるかも」

開発「?」

ニナ「茶碗に残った茶葉の形を読み解いたの」

開発「お茶占ですか。流石は占いの街 種類は豊富ですな」

ニナ「私達うららはね、目に見えない神様の力を借りて言葉にして伝えるの」

開発「では早速出かけましょう」

そういうと聡君は、出かけて行った

ニナ「開発聡君中々に数奇ね」

朝食の後

開発(やはり変わっておらぬ)

街を散策し昔の記憶を辿っていった

開発(!?)

茶屋女将「食い逃げよ」

食い逃げ「どけ」

ひゅっ

食逃げ「ぐあっ」

扇子で足を払った

ドザッ

開発「(香車返し)技に衰えなし」

佐久「聡さん」

開発「おや、佐久殿の捕物でしたか、無粋でしたかな?」

佐久「助かった」

食逃げ男は連行されていった

佐久「聡さん貴方の今の身の熟しは」

開発「佐久殿、世の中には知らぬ方が幸せな事もあります」

ゾクッ

佐久「ああ」

開発「それでは」

佐久「今一瞬放った殺気あれは」

開発「反射的とはいえ軽率な事を私もまだまだ」

一旦迷路帖を出た

開発「ここも変わらぬな」

迷路帖の外の小高い丘に来た

開発「十番隊に居た頃よく来ておったな。良い酒屋も見つけたし今度ここに肴を持ってきて呑むか」

ごくっ

一口酒を飲む

パサッ

寝そべった

開発「住む所は見つけた。後は何をするかじゃ」

考えながら目を閉じた

ドグン

開発「ぐふぉあ」

腹部に謎の衝撃を受けた

開発「何じゃ」

千矢「聡ー。やっぱり聡だー」

目を開けると

開発「千矢」

千矢が抱きついていた

小梅「本当に聡がいた」

ノノ「千矢ちゃん凄い」

開発「小梅、ノノ。紺。これは一体」

紺「御免なさい。聡さん」

数時間前

千矢「彼方の方に聡がいるよ」

ノノ「えっ、いないよ」

小梅「どういう事」

千矢「この先から聡の匂いがするの」

小梅「匂い?」

千矢「うん」

紺「そんなに言うなら確かめに行ってみましょ」

現在

紺「という訳なの」

開発「大した嗅覚じゃ」

すりすり

千矢「優しい匂い」

開発「千矢そろそろ離れてくれぬか?」

千矢「えーやだあ。聡は嫌なの?」

開発「女子に抱きつかれるのは悪い気はせぬが世間体がの」

千矢「ちえ」

千矢は残念そうに離れた

千矢「聡は何してたの?」

開発「散歩じゃ」

小梅「喋り口調だけじゃなくて行動もジジ臭いわね」

開発「喧しい」

小梅「仕事しないの」

開発「小娘が要らぬ心配をするな」

小梅「小娘って」

開発「蓄えならその辺のうららよりある」

紺「無職なのにお金持ちって」

ノノ「聡さんは何者なの?」

開発「それを、聞けば後には戻れぬぞ」

ノノ「ひっ御免なさい」

開発「脅かしてすまない、刻が来たら話す」

ノノ(なんか不思議な人)

開発「所でお主らはうららを目指しているんだったな?」

小梅「当たり前じゃない」

開発「と言う事は其々得意な占があると?」

千矢「私はまだない」

開発「千矢は大器晩成か」

千矢「タイキ?」

開発「皆より少し成長が遅れるという事じゃ」

千矢「えーっ」

開発「卑下する事は無い。皆より始まりが遅ければ当たり前の事、急がば回れゆっくりじっくり己のペースで探せば良い」

千矢「わかった、頑張る」

開発「その粋だ」

私は千矢の頭を撫でた

開発「紺はどんな占をするのだ?」

紺「私はこれです」

千矢「何それ?」

開発「古風だな」

千矢「コックリ?」

紺「コックリっていうのはお狐様の力を借りる降霊術と言われているわ、占者が一種の自己催眠状態になって行う占よ」

千矢「成程だから、コックリなんだ!」

紺「違うわ」

開発「大したものだが、それは扱いを間違えると危険な代物だ、注意をせねばならぬぞ」

紺「はい気をつけます」

千矢「ノノはもう決まってるの?」

ノノ「私はその…得意なものはないんだけど」

マツコさん「ズットスキデヒトリデヤッテタノハニンギョウウラナイ」

開発「見事」

紺「腹話術?」

ノノ「私小さい頃から人見知でこの子だけが遊び相手だったんだけど…ある日この子が私の考えてる事を話し始めて、私もこの子が考えてるわかる様になってきて、それ以来大事な事は二人で相談して決めてきたの」

紺&小「いやいやいや怖い怖い」

開発「恐らく大丈夫だと思うが、(妖術の域では)さあ次は小梅の番だが」

小梅「私はこれよ」

千矢「わー小梅のかっこいい」

開発「タロットカードか」

千矢「タロット?」

開発「西洋に伝わるカードを使用して占う手法じゃな」

千矢「すごーい。それどうやって使うの?」

小梅「えっ?そりゃ色々使うわよ」

紺「それ西洋のものでしょう?」

ノノ「私も…見せて欲しいな」

小梅「うーん」

数分後

小梅「まあざっとこんな感じかな」

千&紺&ノ「おー」

トランプタワーならぬタロットタワーを作った

開発「占わんかい」

千矢「皆凄いね、何にも決まってないのは私だけかあ」

小梅「千矢らしい占い…って何かしらね」

千矢「あんまり難しいのは嫌だなあ」

開発「焦る事は無い、ゆるりと探せば良いのだ」

紺「どうしたの?ノノ、じっとみて」

ノノ「千矢ちゃんが、持ってる下駄とかどうかなあって」

開発「下駄占いというやつか、しかしあれは天気を占うものでは?」

紺「一般的にはそうですけど迷った時に使えるので色んな事を占えるんです」

開発「奥が深いのう、良いのではないか。下駄は千客万来の縁起物」

小梅「本人は不満そうよ」

千矢「実は迷路町に来る時道に迷って下駄占いしたんだけど…投げた下駄見つけるのに三日山の中探し回ったの」

開発「どれだけ飛ばしたらそうなるのだ(もう一眠りするか)」

しばらくして

千矢「聡起きて」

ノノ「しっかり寝てるね」

紺「聡さんの寝顔って女の子みたいね、普段ははジジ臭いのに」

開発(そんなに私はジジ臭いのか)

軽くショックを受けた

小梅「確かめてみようか」

ノノ「確かめる?」

千矢「聡にピーがあるか?」

開発(何を言っておる!?)

ノノ「えっ」

紺「ちょっと千矢そんな、言葉」

小梅「流石は天然痴女、紺は知りたくないの?」

紺「それは」

開発(紺負けるな)

ノノ「でも私男の子の」

開発(ノノが落城寸前)

小梅「私にはプーって呼んだのと小娘扱いした恨みが」

開発(完全に私怨ではないか)

千矢「じゃあ、とりあえず脱がして」

しゅばっ

千&紺&小&ノ「きゃっ」

開発「危うくアホ娘達の前で痴態を晒す所であったわ」

千矢「起きてたの」

開発「途中からだがな。改めて言うが私は男だ、末恐ろしい娘共だ」

窮地を脱した

開発「で千矢は得意な占は見つかったのか?」

千矢「くろう占いだって」

開発「なんだ、その言葉は?」

紺「それが、わからないんです」

開発「お主らがわからない事を素人の私にわかる筈もない」

ジー

開発「どうしたのじゃ?千矢?」

めくり

開発「ぶふぉ」

小梅「何やってんの千矢ーっ!?」

千矢がなぜか紺の袴を捲り上げた

千矢「だって、紺絶対尻尾生えてると思ったんだもん」

紺「もう、お嫁に行けない」

開発「大丈夫だ、紺その程度で紺の価値は下がらぬ」

紺「その程度なんですね」

開発「うっその貰い手がなければ私が貰おう」

ノノ「きゃっ今のって」

小梅「プロポーズ」

開発「いや今のは

千矢「プロポーズって結婚する事だよね?おめでとう」

開発「話を飛躍させるでない」

紺「もらってくれるんですよね?」

開発「その貰い手がなければと」

紺「約束して下さいね」

開発「ああ」

指切りげんまんをしてしまった

開発(私は大変な事をしてしまったのではないか?)

不安と罪悪を抱えて帰路へと

ノノ「私占い変えようかな」

開発「どうしたのだ?」

おしるこ占い、団子占い、あんみつ占い、と表記してあった

小梅「これは悩むわね…!」

開発「悩むでない!!」

千&紺&ノ「確かに」

開発「賛同するでない」

ジッ

四人の女の子視線が集まる

開発「奢ってやるから邪念は捨てろ」

千&紺&小&ノ「わーい」

子守を自分の仕事候補に加えた

第2話 完