妄想ブラックブレッド 第2話『呪われた子供達』 | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

静まり返る道場

開発「ふっ」

鯉口を切ると刀が空を切る音が道場に響く

開発「前より動きが良くなってる」

ガストレアとの戦闘を経験して以降自分の太刀筋が良くなっていた

開発「動きは所詮型の通り、実戦に特化した合理的な型に変化してる」

稽古を終えた帰り道

開発「(時間が余ったどこか)!!」

腰に衝撃を受けた

延珠「久しぶりだな、聡」

開発「うわー」

延珠「きゃっ」

蓮太郎「おっと危ねえじゃねえか、聡」

開発「蓮太郎さん!?御免延珠ちゃん!?」

延珠「大丈夫なのだ、聡は相変わらず女子が、苦手なのだな」

開発「子供に此処まで言われてしまう俺って」

久しぶりにこの二人に再会した

延珠「ふんふん♪」

開発(聞いて欲しいんだろうな)

延珠ちゃんは俺に手首につけてるブレスレットを見せる

開発「えっと延珠ちゃんその手首につけてるブレスレットみたいな奴は何かな?」

延珠「流石は聡よく気付いた」

開発(これ見よがしに見せつけられたら…ね)

延珠「『天誅ガールズ』が嵌めているブレスレットだ」

開発「テンチュウガー」

蓮太郎「今やってるアニメで子供に人気で」

開発「そういえばCMでやってた」

延珠「そして四十七士の仲間の証でもあり、仲間を欺いたり嘘をついたりするとひびが入って割れ仲間に嘘をついた事がわかってしまうんだ」

開発「凄い細かいんだね」

延珠「なんとこれが6,980円安いだろ」

開発「高いね」

蓮太郎「俺の2ヶ月分の食費だぞ」

開発「それで賄えるんですか??」

延珠「妾の給料で買ったから蓮太郎の財布にダメージは一切ない」

開発「心に負ってるよ」

心中を察した

開発「それを何で蓮太郎さん迄?」

蓮太郎「だよなあ、恥ずかしくて」

延珠「これはペアリングなんだぞ、妾と一緒に蓮太郎が着けずに誰が着けるんだ」

延珠ちゃんは腕を振り回しながら抗議した

延珠「これで蓮太郎は嘘をついたり出来ないぞ、他の女に浮気もダメだ、木更のおっぱいに見惚れたりしても割れてしまうからな」

吹いた

開発「延珠ちゃんそういうワードを公衆の面前で言うのはどうかと」

蓮太郎「私里見蓮太郎ハ藍原延珠ノ事ヲ愛シテマス」

開発「物凄く棒読み!!」

蓮太郎「割れねえな」

延珠「真実だからだろう」

開発「延珠ちゃんの方が一枚上手でしたね」

延珠「因みに聡も私に嘘をついてはいけないぞ」

開発「俺それ貰ってないんだけど」

延珠「それでもだ」

開発「じゃあ俺にも頂戴」

延珠「考えとくのだ」

開発「期待しとくよ」

蓮太郎「!」

蓮太郎さんが街頭モニターを見て止まった

開発「蓮太郎さん?」

延珠「どうかしたのか?」

蓮太郎「それよりお前らも見てみろ」

開発「東京のトップ聖天子様でしたっけテレビにもよく出ますね」

聖天子街灯モニター「‥ですから『ガストレア新法』の制定を目指し再度法案を提出する予定です」

ガストレア新法それは『呪われた子供達』の基本的人権を尊重しようという法案だ

延珠「聡?」

開発「これが通れば『呪われた子供達』皆が捨てられたりする事なく屋根のある場所に住めて暖かい布団で寝て飢えに苦しまないんですよね」

呪われた子供達と呼ばれる子供達にはガストレアが現れ始めたのと粗同時期に、まるでそれに対抗する様にガストレアウイルス抑制因子を持った胎児達が生まれた、ガストレアウイルスの毒が蓄積されて生まれたのが呪われた子供達と呼ばれている、イニシエーターは必ず1日1回浸食抑制剤を打たなければガストレア化してしまう、その為子を産んだ親は川に沈めたり外周区に捨ててしまう

蓮太郎「そうだ、延珠も正体を隠す事なく学校へ通えるんだ」

延珠「そうなのか!?凄いぞ、聡、『外周区』の皆共学校で会えるぞ学校で遊べるぞ」

開発「そうだね」

延珠ちゃんの喜び様を見れるのは嬉しい反面当たり前の日常をそんな法律がなければ謳歌できない世の中に呆れを通り越して絶望しそうになった

開発「!!」

延珠「わくわくするな!蓮太郎!聡!」

延珠ちゃんは俺と蓮太郎さんの手を掴み笑顔を見せた

開発(ぐっ)

一瞬心が温まるがすぐに河原の惨状がフラッシュバックした

男「誰か其奴を捕まえろ」

女の子が俺の前に現れた

開発「赤い目この子外周区の孤児」

押さえつけられアスファルトに叩きつけられた

男「やっと捕まえたぞ。この化物!!」

外周区女の子「放せ」

開発「やめろ!!」

蓮太郎「聡?」

男「ぐあっ」

押さえつけてる男を殴り飛ばした

開発「大丈夫!?」

俺は空かさず女の子を庇う様に抱き留めた

外周区の女の子「お兄ちゃん」

開発「お前ら恥ずかしくねえのか、こんな小さな子供に寄って集って」

俺は周りに集まってる奴等を睨みつけた

男「そんな泥棒庇う必要はない。其奴等は東京エリアのゴミだ」

開発「塵だと!!よく言えるな、子供に対して」

男「煩い!其奴等、赤目が俺の家族を殺した」

開発「殺したのはそのガストレアでこの子じゃないだろ」

男「くたばれ『赤鬼』」

開発「此奴の罪状が泥棒だってんなら金ならやるよ」

財布を投げつけた

開発「そんだけあれば足りるだろ、とっとと失せろ蛆虫

石が飛んで来た

ごっ

開発「!!」

外周区の女の子「お兄ちゃん」

蓮太郎「聡」

開発「いっで」

男「ガストレアの味方すんならお前も敵だ」

次々に石を投げつけてきた

開発「糞共が」

男「抑えつけろ」

開発「くそ。放せ」

俺が押さえつけられた

外周区女の子「お兄ちゃん」

開発「その子に触れんな」

警察「貴様ら何をやっている!一体何の騒ぎ‥ああ‥成程おら立て」

外周区女の子「放せよ。あんたら私が何をしたかも知らないんだろ」

警察「喧しい?『赤目』どうせ『呪われた子供たち』の事だ。傷害やら盗みやらそんなくだらん事したんだろ」

開発「その娘に乱暴すんな。事情も聞かずに決めつけとかこの糞警官」

警官「逆らうな」

顔を蹴られた

開発「がっ」

外周区女の子「お兄ちゃん」

警官「こっちは『呪われた子供達(此奴等)』のやりそうな事位わかってるんだ。これ以上抵抗するならお前も公務執行妨害で逮捕するぞ」

開発「ぐぞお」

パトカーに乗せられて行ってしまった

男「けっ」

男「行こうぜ」

解放された

延珠「聡、怪我が」

開発「追わなきゃ」

延珠「無茶な」

蓮太郎「なんでそこまで」

開発「後悔したくねえ。俺は川で捨てられた赤子を見た何で死ななきゃならない、なんで殺されなきゃならない」

蓮太郎「延珠。先帰ってろ」

開発「蓮太郎さん?」

蓮太郎「聡。乗れ」

蓮太郎さんがどこから持ってきたのかバイクを持って来た

開発「蓮太郎さん何で」

蓮太郎「お前の気持ちわかるからな」

開発「蓮太郎さん」

蓮太郎「行くぞ」

後ろに乗った

蓮太郎「どこ行きやがったんだ」

暫くすると

開発「蓮太郎さんあのパトカーです」  

警官「もっと下がれ!もっとだ」

二人の警官の姿があった

蓮太郎「いたぞ、あれから大した暴力は受けてないみたいだな」

警官「よし、もういいぞ」

開発「取敢えずよかっ」

ぱん

外周区女の子「え?」

発砲音と硝煙の匂いがした

開発「えっ」

俺は耳を疑い何が起きたのか整理をしていると

開発「…」

弾丸は女の子の体を貫いた

開発「!!」

蓮太郎「やめろ、聡」

蓮太郎さんは怒りで我を忘れ殴り込もうとする俺の口と体を押さえつけた

開発「んんん」

軈て彼女の体は血溜まりに沈んだ

警官「お前らみたいなのがいるから市民の皆様が安心して暮らせねえんだよ。化物」

警察官の二人はパトカーで走り去った

蓮太郎「聡」

俺はその子の下へ走っていった

開発「あっあっ」

俺は動かなくなった女の子の近くへ座り込んだ

開発「ねえ、起きてよ、ねえお腹空いてたなら奢って上げるし」

俺は女の子の体を揺すった

蓮太郎「聡」

その小さな体を抱締めた

開発「うああ」

泣き叫んだ

蓮太郎「もうその子は」

開発「何で止めた!!」

俺は怒りの矛先を蓮太郎さんに向けた

開発「どう考えても可笑しいのは彼奴らじゃねえか、こんな小さい子供に寄って集って暴力振って挙句の果てに的にして撃ち殺した、化物なのは彼奴らだ、そんな奴等守る位ならこの子達を守って下さいよ、民警でしょ、確かに赤目が家族を殺したのかも知らない、盗んだ事も事実です、けどこの子はただの女の子だ」

蓮太郎(此奴の言う通りだ、今まで俺は何をしていた、此奴は真っ先に助けに入った、なのに俺は)

開発「こんな世界いっそ」

外周区女の子「げほっごほつ」

開発「!?」

女の子は咳をして血反吐を吐いた

開発「蓮太郎さん生きてます。この子生きてます」

蓮太郎「本当か」

開発「まだ助かります。何処か病院は」

蓮太郎さんが紹介してくれた病院に連れていった

医者「かなり危険な状態じゃったが何とか一命は取り留めたよ。それよりあんた手術代から入院費まで出すって言うけど」

開発「お願いします」

俺は土下座をした

開発「死ぬ気になって働きます、そこから治療費も捻出していくんでどうかどうか」

俺は地面に頭を擦り付け懇願した

開発「ふう」

病院を出た

開発「有難うございます、蓮太郎さん」

蓮太郎「金の件ならいいよ」

開発「それと先程は酷い事言いました、蓮太郎さんは悪くないのに」

蓮太郎「聡。有難うな」

開発「え?」

蓮太郎「あの娘延珠が外周区に居た頃の知り合いらしくてさ。それをお前が助けてくれた」

開発「助けたなんて…さっきも話しましたけど俺一度河原に捨てられていた大量の赤子の死骸を見た事があるんです、それ以来小さい子供を見ると捨てられた子供達が俺に纏わり付いてくるんです、その度に吐気が」

影胤「これは里見君それと横に居る君はお初だね」

開&蓮「!!」

俺達の背後に道化の仮面を付けた奴が現れた

第2話『呪われた子供たち』 完