2024年秋。
俺は震えていた。
MASA「うわっ……か…かわい……」
俺は温かくて小さな身体を両腕で抱きしめていた。
待合室で談笑している俺に走ってきた看護婦さんが強い口調で叫んだ。
看護婦「ちょっと!吉田さん!何してるんですか!!!早く!」
急かされて走った病室。
そこにはスヤスヤと眠る小さな…
産まれたての命があった。
???「ホラ…抱っこしてあげて」
そう俺に呟いたのは妻のユカだった。
妻と俺は小学校の同級生。
子供の頃から地味で目立つことのないユカ。
異性から好かれる話は聞いたことがなかったが、
俺は色白で大人しくどこか可憐な彼女が昔からスキだった。
促されるままに赤ん坊に近づく。
俺の…
俺の子供なのだ。
そう考えるとなんだか涙が溢れてきて
俺はずっと最初は妻の頭を撫でながら
「よく頑張ったね」の一言を発しようと決めていたのに
頭が真っ白になって
吸い込まれるように赤ん坊を抱きしめた。
小さく…そして温かかった。
MASA「う…ぅぅ…ッ…」
声にならない感動。
言葉にできない愛おしさ。
俺は人生で味わったことのない幸福の中にいる。
MASA「ありがと…ぅ」
その声は生まれてきた子供に…妻に…医療スタッフに…
この世の全ては向けたものだった。
母親に紹介するとえらく喜んでくれて
慣れ親しんだ家ですら天国のように感じる。
ああ…俺はこの日のために生きてきたんだ。
この子に出会うために生まれてきたんだ。
そう思いながら腕の中で眠る小さな生命の温もりを感じた。
なーんて夢を見て目覚めたらガッツリうんkを漏らしていた。
MASA「えええ…」
妙にリアルな夢だったのに
目が覚めたら荒川の薄暗いアパートで嫁も子供もいなかった。
あったのはたっくさんの督促メールとビチグソだけ
MASA「こんな夢を見るとはなぁ」
俺は使い物にならなくなったパンティをスーパーの肉とか入れる薄いビニール袋に詰め込んでケツを洗う。
MASA「こういう願望……あんのかな…俺」
調べたら吉夢だってよ。
鬱になりました。