前回(H21 新司 公法系 40)の正解:2,2,1,1

〔第1問〕(配点:3)
次の【事例】における甲の罪責を検討し,後記アからオまでの【罪名】のうち,その罪名に係る犯罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[№1]から[№5])
【事例】
自動車整備を業とする甲は,同事業を行うA工場を経営し,同工場の敷地を所有していた。一方,食品製造を業とする乙は,同事業を行うB工場を経営し,同工場の敷地を所有していた。甲は,ひそかに,A工場の敷地に隣接していたB工場の敷地内の電線を分岐させてA工場に引き込み,同工場の電源として利用し,その分の電気料金の支払を免れた。そのため,乙は,A工場使用分の電気料金の支払をも余儀なくされたが,同人は電気料金の過払に気付かなかった。
また,甲は,B工場の敷地をも使用して倉庫を建築しようと考え,A工場の敷地とそれに隣接するB工場の敷地の一部にまたがって,乙に無断で鉄筋コンクリート製の倉庫を建築した。その後,甲は,乙から公図に基づいて再三抗議を受けたにもかかわらず,その都度,「その公図は間違っている。倉庫の敷地はすべて俺の土地だ。」などとうそをつき,乙の再三の抗議を無視して倉庫の使用を続けた上,「乙は,法務局の職員に賄賂を渡して虚偽の公図を作成させた。」などと記載した看板を人通りの多いA工場前の道路に面して掲げた。
【罪名】
ア.詐欺罪[№1]
イ.窃盗罪[№2]
ウ.不動産侵奪罪[№3]
エ.横領罪[№4]
オ.信用毀損罪[№5]