センスレス野球少年と父のドタバタ奮闘記


「1988年10・19の真実」読みました。






私の脳裏に焼き付いている試合ですね。


近鉄vsロッテダブルヘッダー。近鉄が連勝することで優勝が決まる。(引き分けではダメ)

130試合のリーグ戦でこの様な状況になることだけでも奇跡です。


その日、テレビ朝日の英断で全国放送がされていましたが、私はその生放送を見ていません。仕事中の車のラジオを聴きながら、近鉄の応援をしていました。翌年結婚を控えていて、自分で所帯を持つということで、一生懸命仕事をしている頃でした。



私は近鉄ファンでありません。

ものごころ付いた時から、セリーグは大洋ホエールズ、パリーグは東映フライヤーズ(身売りされてしまった)を応援していました。



基本的にアンチ巨人で判官贔屓的なスタンスで野球を見ていました。弱いチームが強いチームに立ち向かう姿に応援心が湧く習慣がついていたんです。なので、王者西武ライオンズにストップをかけるべく、必死の戦いをしている近鉄バッファローズに感情が入っていました。



本書を読みながら、その時の自分にタイムスリップしてしまいました。


その日ニュース番組で見ましたが、みんな凄い顔をしていましたね。骨折の金村選手の泣き顔、阿波野投手の必死の形相、興奮を必死に抑えている仰木監督の顔。これぞ男の顔だと思いました。


試合は野球の魅力が凝縮した様な展開。この試合、2試合とも圧勝で近鉄優勝!となっていたら、今のパリーグの繁栄はなかったかもしれませんね。

「勝負に負けていい勝負はない」と私は思っていますが、今から考えると、あの試合は負けて良かった試合だったかもしれませんね。翌年の優勝に繋がりましたし。





また、その歴史的な試合が行われた舞台が、川崎球場だったということも、10.19の魅力でもありますね。


私は小学生の頃、巨人vs大洋の試合を外野席で観戦した記憶があります。すぐ目の前に選手が居て、酔ったおじさんが選手に向かって「おい、ちょっとここ来て一緒に呑め」なんてオダをあげていました(笑)。


中学生の頃、オールスター戦を川崎球場で観戦しました。狭い球場が人でいっぱいになっていました。


ちょうどその頃、大洋ホエールズのフランチャイズが横浜スタジアムに移り、ロッテの本拠地になりました。そのロッテも千葉マリンスタジアムに移りました。


その後、川崎球場はアメフトのメッカになっていき、社会人や関東大学の試合を観戦しました。アメフトの試合でグランドに降りたことも何度かありましたが、ホームベースに立つと球場がほんと狭く感じて、自分でもHRが打てる様な気がしました(笑)。


私は川崎球場のお好み焼き(¥500だったと)が大好きで、アメフトの観戦の時は必ず食べていました。卵がひとつ入っている広島風お好み焼きでした。

今は、建物が壊されてしまい、簡易の観客席だけになってしまい、売店もなくなってしまいましたが、球場が残っているだけで嬉しいです。




昭和の末期の1988年10月19日に繰り広げられたドラマ。


この本で一番印象に残ったのは、ロッテの二塁手の西村選手(現ロッテ監督)のこと。最後のバッター羽田選手の打球を二塁ベース際で捕球してゲッツーに仕留めたプレイ。


このプレイ、私はエンドランだったのかとずっと思っていました。そうでなければ二塁手がベース脇にいるはずがありませんから。でも、そうではなかったんですね。


西村選手は近鉄に勝ってもらいたいけど、この試合でエラーなど絶対できないと思っていた。羽田選手は往年のパワーがなくなっているので、1・2塁間に打球が来ると読み、2塁ベース脇に移動していたのだそうです。


定位置にいたらセンター前に抜けて、チャンスが広がっていたのに・・・。ほんと深いドラマがあったんですね。




男と男の魂のぶつかり合い




野球っておもいしろい。

改めてそう思った本でした。




この本の著者、佐野正幸さんは元近鉄の応援団長。

小学生の時に加わった野球ゲームで阪急ブレーブスの担当になったことから端を発した応援人生。人の人生は出会いから始まる「運」ですね。そう確信した本です。


超おススメです。



You Tube

http://www.youtube.com/watch?v=gPqVec4PoJM&feature=related


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