小学生野球最後の公式戦が終わりました。









ター君は、この日もサードに指名され2度目の内野先発となりました。


試合前、またサードが出来ることを凄く喜んで、ヤル気満々で試合に臨みま

した。





序盤戦は上々の立ち上がりを見せ、1点のビハインドを逆転し2対1としまし

た。





ター君も好調で左の大型速球投手からクリンヒットを打ちました。






守備もリズムよくこなし、サードゴロを危なげ無く2つ捌きました。


特に2つめのサードゴロは三塁線ぎりぎりに飛んできましたが、落ち着い

て捕球し、ワンバウンドで鋭い球を投げてアウトをとりました。



選手も集中力があり、声もよく出ていて、いい雰囲気で試合が進みました。









しかし、終盤戦悪夢が待っていました。




ワンアウトを取った後、三遊間のボテボテの当りを追いかけながら立ち止

まり、ショートに譲って内野安打を許してしまいました。



ここからリズムが狂い始めました。



次の打者のヒットでランナーがサードを狙い、いい返球が来てタッチに行っ

たのですが、グラブをスパイクされて落球してしまいました。




1アウト1・3塁から、160cm超級の四番打者が放ったサード正面の強烈

な当りを見事にトンネルし1点を献上。




四球があり満塁となり、またもやサード前にボテボテの当りが飛んできまし

た。その打球を間に合わないホームへ暴投。2点を追加されてしまいました。


(捕手が不満げな顔をしていたら、前監督が「キャッチャーが1塁を指示し

ないのがいけないんだ」と捕手を怒っていました。




その後、またまた三塁前に小フライが上がりました。ター君は勢いよく前進

し、地面すれすれで捕球したかに見えましたが、グラブからポロッとボール

がこぼれ落ちてしまいました。





途中までは失敗しても皆に向って帽子をとって「わりい、わりい」と言いなが

ら、元気に声を出していたのですが、途中から、流石に皆の視線も冷たくな

ってきて、ター君はすっかり落ち込んでしまいました。



そして、攻守交替でベンチに戻ってくると、大粒の涙をこぼしていました。






ちょっと難しい局面の連続だったので、急造三塁手では難しかったかも知

れません。ちょっと可愛そうでした。



試合はそのまま敗戦となりました。








ター君の公式戦最終試合は、ター君の涙で終了しました。





試合終了後、本人と少し話しをしました。ター君は





「俺のミスで負けた。皆に悪いことをしてしまった。

             もうサードは懲り懲りだ。ライトの方がいい」

 




と言って落ち込んでいました。


私としては、「ナニ糞!」と思って欲しいところでしたが仕方ありません。














敗戦の後、来週から始まる新人戦のために、練習試合を行いました。





相手チームはAチームでしたが、6年生はほとんと控えでベンチスタートと

なりました。



ター君はすっかり元気を取り戻して、ライトの守備位置を指示したりして大

声を上げていました。







最終回、1死満塁のチャンスの時、ター君とリョウ君が前監督に呼ばれま

した。




「お前等で逆転してみろ」





と前監督に言われ、まずはリョウ君がバッターボックスに立ちました。



ター君は、「ヨッシャー!」と気合を入れてネクストサークルに行きました。






春までは6割を越える打率で4番に座っていたリョウ君。


その後極度のスランプに陥り上部大会では控え選手になってしまいました。

スランプの原因は、彼の家庭の事情も大きく関与していたと思います。



前監督は、そんなリョウ君に最後の花道をつくってくれたのでしょう。



ベンチの応援ボルテージも最高潮に達しましたが、1-3から打ったリョウ君

の当りはボテボテのホームゲッツー。





残念ながらター君に打席は回ってきませんでした。




終わった後、「俺は絶対外野の頭を抜く自信があった」と嘯いていました。








そんなこんなで、公式戦最終日が終わってしましました。




私自身の中では、上部大会で負けた時に終わった感を強く感じましたので、

この日はあまり実感がわきませんでしたが、やはり寂しいですね。





皆仲良しのいいチームでした。




これからは練習に参加しても、自分達の練習ではなく、後輩の指導が中心

となります。


それもまた野球の勉強ですね。



自分達が果たせなかった夢を後輩達に託し、皆これから頑張って欲しいと

思います。




そんなこんなで1日が終わりました。