小倉部長

 

「監督術:常勝軍団はいかにして創られたのか」という本がある。

この本は3部作となっている。

啓光学園ラグビー部・記虎敏和監督

東福岡高校サッカー部・志和芳則監督

横浜高校野球部・渡辺元智監督

それぞれのスポーツで、継続的に結果を残している高校の監督です。

その監督へライターの永井洋一氏(元日産FC)がインタビューした内容で構成されている。

やはり結果を残しているからには、それなりの理由があるということが、

読み進めているうちに良く判る。

横浜高校の項は、渡辺監督の他に小倉清一郎部長への

インタビューも加えられている。

渡辺監督が精神的な部分を教え、

実際の技術は小倉部長が全て統括しているとのこと。

その小倉部長の言葉は、私にとって小骨が喉に引っかかる様な感覚を覚えた。

小倉「要するにね、簡単な話、選手を獲って来る時にはね」

「ピッチャー10人獲って、ショートを10人獲ってくればいいわけよ」

と話している。野球センスのいい奴は必ずピッチャーかショートを

やっていると言う目で見ているということです。

また、中学時代は全く知らなくて、

「お、こいつは拾い物だったな!」

なんてのはいますか?という質問に、小倉部長は

「ないない」「横浜高校ではないね・・・・」

と答えている。

ということは、横浜高校で野球がやりたいという夢を抱いて一般入試で

入部してきた子はどれだけ努力してもレギュラーになれないということですよね。

センスが無くても、野球に対する情熱があり、やっと外野のポジションを

とった中学生のことは、はなっから興味が無いということですよね。

プロの世界ではいざ知らず、高校生なんかはまだ成長途中の

子供ではないですか。

無限の可能性を持った子をそんな簡単に切り捨てていいのでしょうか?

アメフトは、部員が多ければ多いほど効率的な練習をすることが可能ですが

野球の場合、全ての選手を平等に扱ったら効率が悪いですからね。

私は本格的に野球をやったことが無いのでよく判りませんが、

野球っていうのはそういうスポーツなんでしょうか?

 

少なくとも、少年野球の現場には、そういった世界を持ち込まないで

欲しいと切に願っています。

著者: NoData
タイトル: 監督術―渡辺元智×志波芳則×記虎敏和