知られざる英米派の陸軍参謀・辰巳栄一の生涯がはじめてまとめられた書籍である。自らを敗軍の将とし表に出ることを潔よしとせず、極めて大きな役割を戦中戦後に果たしながらも、歴史のなかへ姿を消していった陸軍情報将校。
「情報力の有無とそれを使いこなす政治指導者の重要性に着目していた」(P.9)辰巳中将は、もっと世に知られてしかるべき将校の一人だろう。最後まで読んでみて強くそう思った。
自衛隊前身の警察予備隊創設も、氏の存在なくしてあり得なかったことがよくわかる。
残念な点は、新聞文体のままであり「産経新聞」の読者にとっては意味があるだろう言説も、あまりに冗長で大幅に再編集してから出版すべきであった。
作者 : 湯浅 博
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