先月の14日に死去したピーター・グレイヴスが若い頃主演した(してしまった)映画であります。

しかしグレイヴス氏…この作品やら『合衆国の恐怖/火星からの伝言』(1952)『終末の兆し』(1957)なんてとんでもない映画を代表作にしたら怒って化けて出て来るかも知れませんな。

因みにグレイヴス氏は『フライングハイ』(1980)に出演したとき…自分は今までシリアスな役柄が多かったのでこう言うパロディ映画に出たら、過去の経歴に傷がつくんではないか? と、心配したがプロデューサーから熱心に勧められたので出演を決めた…。

なんてコトを宣ってます。

情報源がハッキリしないんでナンとも言えないんですが(載ってたのが確か『近代映画』だか『スクリーン』)多分ジョークでしょうな。

本来なら駄作も傑作と…愚作も名作と言わなきゃならないのが…宣材やらパッケージの解説のつらいトコなんですが…
流石にB級の『雄』…廉価版DVDブームの火付け役であるWHD社さん…

諦めてる…つ~か、腹が据わってる。つ~か潔いです。

パッケージ表には…『私の目はピンポン玉ではない
宇宙人なのだ!』とか…
『マジかよ・・・俺、これでも名優ピーター・グレイヴスなんだぜ!!』

『監督は大真面目に撮ったのにこのざまだ! ゴミ映画の決定版』
なんて言葉が並んでいるし…

裏面の解説には…~肝心の宇宙人が全身黒タイツで、ピンポン玉を目につけて現れた途端に、ほとんどの人が声をあわせてこう云うだろう『なんだ、こりゃ?!』。

なんて書いてあります。
ま、確かにその通りは通りであります。
某珍獣ハンターみたいな眉毛をしたピンポン目玉の宇宙人は確かに出てきます。
でもこの宇宙人…僕にはそんなに悪い人達には見えませんでした。
なんせこの人達…蜥蜴や蜘蛛…共喰いと直立が売りのゴキさんなんかをペットにしている動物好きなんです。

ほら、動物好きに悪い人いないって昔から言うじゃないですか?
(だからど~した? と言われても困りますけど…)

なんつ~話はともかく件の宇宙人が登場するまでの演出は…上手い! と、までは言いませんがまぁまぁ、標準的な出来だと思いますし…

若き日のピーター君の芝居もまずまずです。
共演陣もピーター君の奥さん役の『バーバラ・バスター』があんまし美人じゃ無い…と言う不満は在りますが(美人、不美人は好みの問題だし)…
他の役者さんもそこそこの芝居はしています。

つまりこの映画の評判をかくも貶めているのは…動物好きの、珍獣ハンター眉毛のピンポン目玉の宇宙人…につきる…つ~ことになります。

まるで某『エアポート85』の郵便物を棄てたら総て解決みたいな結末に納得出来ないひともいるでしょうが…
話そのものはB級SFとしてはまだまだまともな方です。

↑もっと酷いのが観たいヒトは連絡ください。


監督の『W・リー・ワイルダー』は彼の名匠『ビリー・ワイルダー』のお兄さんで…
この作品の前年…つまりは1953年に『姿なき訪問者』つ~やはりB級SFを撮って顰蹙の大安売りをやらかしました。

で…臥薪嘗胆の捲土重来の面目躍如を狙ったのがこの作品だったんですが…この作品以後映画を撮った…つ~話は聞きません…

新しい仕事で成功し…何処かで幸せに暮らしたんだと良いですね…
四日の花見がめちゃくちゃ寒かった…

つ~話は前に書いたけど…実はあの日の夜、家に帰る途中で今年初めて『カエル』の鳴き声を聞きました。

カレンダーからみれば、そりゃあカエルが出て来ても不思議じゃない日付ではありますよ…

でもさ~…ナニも最低気温か一度と言う冬みたいな日に冬眠から覚めなくても良いんじゃないかね…君達?

と、思ってたら昨日の馬鹿陽気で在りまして…いや~あいつらの声の元気の良いこと…

で、さらに今日はまたまた冬に逆戻りしたかのような寒さになりました。

常温動物の僕ら人間だって、こうコロコロと暑くなったり寒くなったりされたら体調がおかしくなるのに…

両生類…つまりは変温動物のカエルさんたちはさぞや調子を崩しいるに違いありません。

風邪をひいたカエル…てのはソクブンにして目にしたコトがありませんが…

年々数を減らしている彼らの健康状態が些か心配です。
今週の困ったちゃんであります。
密林屋さんのレビューでは☆☆☆にしたんですが…
これは飽く迄、カッシング御大の芝居に二つ…
ジョン・ハート以下共演陣の頑張りに一つの…

『役者は悪くないよ暫定評価』(?)ですから…

冒頭の有閑階級のパーティーシーン…その前の『肝試し』のシーン…どちらも悪くない出来です。

酔っぱらいの『ノリ』で始まる素人レースの雰囲気…これも悪くないですな。

ナニより僕が感心したのは二人の我儘娘(喰われちゃう子と逃げ切る子)のキャラクターの違いをちゃんと描写仕分けてる点であります…

日本人の演出家ってカレーとお汁粉の違いは表現出来るけど…

お汁粉と饅頭…印度カレーとタイカレーの違いとなるとてんでダメで…役者の演技力頼りになっちゃったりするんですよね…

そこは流石にフレディ・フランシス…同じ様に金持ちで、甲乙つけ難いほど我儘な二人の女の子の違いをしっかり描き別けてます。

で、我儘娘A(喰われちゃう方)が怪しい気な屋敷に到着…

霧が立ち込める湿地帯に建つ屋敷…挙動不審な庭師…おっかない(印度人の)女使用人…

一見親切で紳士的な館の主の登場…

コテコテに定番ファクターのてんこ盛りです。

余談ですが僕は鉄人28号の赤死館…ブラック博士の話しを思い浮かべました。

と…こ~書くとそこそこは面白い作品の様に思えるでしょう?

甘い! その考えは饅頭やお汁粉やルノアールのココアより甘いです。

なんせこの作品…謎(伏線?)を振るだけ振ってちゃんと説明しないで終わっちゃうんですから…。

↓以下ネタばらししてますから御注意を!

この屋敷にはヒトを喰う怪物(タイトルのグールですな)が居て…

それはど~やら主のドクター・ローレンスの息子らしい…

ドクターと(印度人の)乳母と庭師は人知れず迷い込んできた旅行者を怪物の餌にしていた。

地元の警察も薄々怪しいのは知ってるけど手が出せない(なんでか? つ~説明は一切無し)らしい…

教養人で紳士的なドクターの息子がグールになってしまったのには印度の神様(?)が関係してるらしいけど…

その説明も一切無し!

物語は謎だけ残しまくり我儘娘Bが逃げ延びた処でお終い…

尺は80分と短めなんだし…切ろうと思えば切れるシーンは(冒頭の肝試しとか)あるのにナンでこんな構成にしたか劇中の謎以上に僕には『謎』です。

インド絡みなら従軍経験があるらしい庭師とも乳母ともいくらでも話しは作れると思うんですがね?

辻褄合わせと思われる描写として…
人間喰わせる…つ~てもそうそう旅人なんか迷い込まないだろうし…近在の村人とか捕まえて喰わせたら、いくらボケっとした田舎のポリさんでも家宅捜査ぐらいはするだろう?

と、いう疑問に対しては庭師が野生動物を生きたまま捕らえてソレを飼っている…描写があります。

我儘娘Aと彼女を探しにきた兄貴(元陸軍将校)と庭師の関係性は英国に於ける階級制度…労働者階級と貴族階級を短いながらも端的に描写していて興味深いです。

あと劇中、カッシング御大がバイオリンを弾くシーンが在るのは(ドクターの趣味はバイオリン作り)ホームズ役で人気を得たカッシングのファンへのサービスでしょう?

つ~か、サービスより先にシナリオをなんとかせ~や!



あ~この映画…英語さえ出来れば僕に監督させてほしかった…
と、思うヒトが何人いることでしょうな?