日本のプロレス界を代表する男、内藤哲也がまさかの新日本プロレス退団。そして同じくL・I・Jの一員であるBUSHIも共に行動を開始──。
ファンにとっては衝撃の展開となったこのニュースですが、果たしてその裏に何があったのか。そして、今後の2人の未来はどう描かれていくのか。本記事では、退団に至った経緯や背景、さらにはこれからの動きについて、わかりやすく丁寧に紐解いていきます。
たとえば、長年勤めた会社を円満に退職し、全く新しい環境へと飛び込む決断をした社会人のように、2人の決断には深い理由と覚悟がありました。その思いを理解しながら、プロレスファンのみならず多くの人が心を動かされる物語をお届けします。
1、内藤哲也、L・I・J退団を決断した理由
「今を大切に生きたい」という覚悟の選択
内藤哲也選手が口にした「未来より今を大切に生きたい」という言葉は、決して軽い決意ではありませんでした。たとえば、ずっと同じ店で働いていた人が「もっと広い世界を見てみたい」と言って世界一周の旅に出るような、そんな決断だったと言えるでしょう。
内藤選手は、自身がレスラーとしていられる時間に限りがあることを強く意識していました。その中で、新日本という大きな舞台では経験できないこと、たとえば国内の地方都市や、過去に試合を行ったことのあるコスタリカのような海外の小さな国にも自らのプロレスを届けたいという思いが芽生えてきたのです。
これは、単なる自己実現ではなく、今まで支えてくれたファンへの恩返しでもあるのかもしれません。だからこそ、内藤選手の選択は「逃げ」ではなく「挑戦」と言っても過言ではないでしょう。
しかしながら、そこに至るまでには大きな葛藤があったようです。
何度も団体に提起してきた“ズレ”の存在
実は、内藤選手は退団を申し出る前から、新日本プロレスに対して様々な思いを抱えていたことを明かしています。ファミレスでの“緊急会議”が何度も行われていたというエピソードは、まるで家族会議のようなものでしょう。
すなわち、チームとしての方向性と自身の理想にズレが生じてきたのです。たとえば、企画に積極的な社員が、会社の方針と合わなくなってしまい、思い切って独立するようなものです。
「俺の居場所はL・I・Jだ」と言い続けてきた男が、自らその場所を離れる選択をする──その裏には、理想とのギャップがあったのでしょう。
とはいえ、最後の最後まで葛藤しながらの決断だったことは間違いありません。
“白紙”の未来へ進むという決断
「辞めたからといって、すぐに何かが決まっているわけじゃない」──そう語る内藤選手の未来はまったくの白紙。それは、転職先が決まらないまま会社を辞めるような不安に似ています。
それでも彼は、自分が後悔しない道を選びました。なぜなら、どんなに安定していても、自分の気持ちに嘘をつき続けることはできなかったからです。
その選択には、共に長年歩んできた仲間の存在が大きく関わっていたようです。次に、そのBUSHI選手の決断について見ていきましょう。
2、BUSHIが内藤とともに歩む理由
「内藤が辞めるなら、俺も辞める」その真意とは
BUSHI選手が退団を決めた理由は、とてもシンプルで、しかしとても重たいものでした。「もし内藤が契約しないんだったら、俺も辞めようと思っていた」。
これはまるで、親友が転校するなら自分も学校を辞めると決めた子どものような感情に近いのかもしれません。もちろん、プロレスという世界においては、そんな感情だけで決断を下すわけにはいきませんが、それほどまでに内藤選手との信頼関係が深かったのでしょう。
さらにBUSHI選手は、「内藤が去った後の新日本のリングに、自分のビジョンが浮かばなかった」と語っています。つまり、今の新日本プロレスにおける自分の役割が、もう見いだせなかったということですね。
仲間がいなくなった環境で、自分一人が同じスタンスを続けていくことの難しさ。それはどんな職場でも起こりうる現象です。そして、その環境に無理に残るよりも、新しい形での挑戦を選んだという点に、BUSHI選手の誠実さが表れていると思います。
「とりあえず今は白紙」という現実
興味深いのは、BUSHI選手もまた、内藤選手と同じく「今は何も決まっていない」と明かしている点です。たとえば、仕事を辞めた次の日にやることが決まっていない人と同じように、今はただ立ち止まって考える時間を大切にしているようです。
そんな中でも、地方団体からのオファーが来ていることを素直に話している姿には、今後に対する希望や興味が見えてきます。たとえば、「グルクンマスク」や「飛鳥プロレス」など、独立系団体から声がかかっていることから、今後の活動において多様な可能性があるとも受け取れます。
そして何より、マスクメロンパフェを楽しみながら取材に応じるBUSHI選手の姿には、重苦しい中にもどこか「らしさ」が感じられました。
L・I・Jへの強い思いと、その裏の寂しさ
内藤選手が「俺の居場所こそがL・I・Jだと思っている」と語ったように、今回の退団は「裏切り」ではなく「卒業」に近いニュアンスを持っています。たとえば、学園ドラマの主人公が、自分の進路を決めるために親友や仲間の元を離れるような展開です。
ただし、それでも残るメンバーたち──高橋ヒロム、鷹木信悟、辻陽太──への配慮が随所に感じられる発言もありました。「驚きはなかったんじゃないですか?」という言葉の裏には、すでに何度も話し合いを重ねてきたという信頼がにじみ出ています。
こうしたやり取りから見えてくるのは、L・I・Jというユニットが単なるチームではなく、互いに信念で繋がれた「同志」であったということ。だからこそ、今回の選択にも、ある種の美しさがあるのではないでしょうか。
とはいうものの、ユニットとしての今後は不透明です。では、残されたメンバーたちはこの変化をどう受け止め、どう進んでいくのでしょうか。
3、L・I・Jの今後とファンが抱く期待と不安
残るメンバーの行動がカギを握る
今後、ユニットとしてのL・I・Jがどう変化していくのか、その答えは残ったメンバーたちの動きにかかっています。たとえば、家族の一員が家を出た時、残された人たちがどう振る舞うかで、家庭の雰囲気がガラッと変わるように、L・I・Jも大きな転機を迎えることは間違いありません。
特に注目されるのが、高橋ヒロム選手の動きです。これまでユニットのムードメーカーでもあった彼が、中心に立って舵を取るのか、それとも新たな形に変えていくのか、ファンとしては気になるところですね。
L・I・Jは消滅か?継続か?
また、多くのファンが抱くのは「L・I・Jはこのまま終わってしまうのか?」という不安でしょう。たとえば、人気バンドのボーカルが脱退した時、「もうこのバンドは続かないのでは?」と思ってしまうのと似ています。
しかし、内藤選手自身が「俺の居場所こそがL・I・Jだった」と言っているように、残されたメンバーにもその思いは共有されているはずです。すなわち、完全に消滅するのではなく、新しい形として継続していく可能性も考えられます。
ファンとともに作る“新しいL・I・J”のかたち
最後に鍵を握るのは、やはりファンの存在です。たとえば、再建中の街に住民が戻ってきて活気が戻るように、L・I・Jというユニットも、ファンの応援によって再び立ち上がることができるのではないでしょうか。
今後のシリーズでどのような動きがあるのか。あるいは、まったく新しいメンバーを加えるのか──それはまだ誰にも分かりません。
ですが、L・I・Jがもたらしてきたドラマや熱狂は、これからもプロレス界の中心にあり続けるのではないかと思います。
まとめ
内藤哲也とBUSHI、2人の退団劇は、プロレス界に大きな衝撃を与えました。しかし、それは終わりではなく、むしろ新たな物語の始まりかもしれません。彼らがどんな道を進むのか、そしてL・I・Jという魂がどう継がれていくのか──。
これからも目が離せません。