心機一転してブロガーに移転しました。
アーカイブ的な役割としてこちらも残しますが、今後は基本的に更新はしないものと思います。
今後ともよろしくね。
文責:三溝
2015年11月25日 チームBII「逆上がり」公演
村中有基 中野麗来 井尻晏菜 磯佳奈江 市川美織 植田碧麗 大段舞依 門脇佳奈子 上枝恵美加 川上千尋 日下このみ 黒川葉月 渋谷凪咲 内木志 林萌々香 松岡知穂
文責:さえきあきひろ


この日、ドラフト2期生の村中有基がBⅡとしてデビューした。
握手やコンサート、前座ガールズなどで表には出てきてはいたが、公演メンバーとしてステージに立つのはこの日が初めてだ。
僕の周りのNMBオタさんたちから『25日の公演は是非見てください!』との声が事前にあったこともあって、DMMではあるがリアルタイムで見ることが出来た。

確かに、気にはなっていた。

以前、ドラフト2期生については朝オタや48ジャーナルでお馴染みのPLANETSのニコ生の番組をやらせていただいたのもあり、第1回のときよりもはるかに第2回のほうが候補者オーディションなど注目できていた。そして、その中でもしっかりと覚えているメンバーの1人がこの村中有基である。候補生の経緯を見ていた人たちなら覚えているとは思うが、踊るとき、歌うときだけでなく、いつもどこか不安な表情の彼女。候補生合宿から1度いなくなってしまったこともあるくらいだ。そんな彼女がこの日デビューした。

Overtureと客席のコールでステージのライトが灯される。
整列するteamBⅡメンバー。
『それではさっそく皆さんと一緒に呼んであげましょうか!teamBⅡ最終兵器ゆきちゃ~ん!』メンバーと客席全員で村中有基を呼び込む。

ステージ上に村中有基が現れ……ない。

現れたのはレモンみたいな女の子、そう市川美織だ。
『え~!って最終兵器でしょうよ!』
劇場だけでなく、DMMを見ながら、“どうなる?”と緊張気味に構えてしまっていた空気が軽くなる。

『気を取り直してもう1回行きますか!せーの……ゆきちゃ~ん!!!』

舞台上に右手をまっすぐに挙げ、女の子が走ってくる。

『これは誰だ?』

それが、NMBの公演にデビューした村中有基の第1印象だ。
明らかに、姿勢、動き、そして、表情がドラフト2期候補生として見ていた彼女とは違う。まっすぐ客席を見て自己紹介する彼女は全くの別人だった。

公演が始まる。
DMMを通しても伝わる緊張。
久しぶりにこんなに硬くなっている人を見たというくらいに硬い動きのパフォーマンスで始まる。しかし、その硬さが緊張から来るものなのはすぐに理解出来た。なぜなら、彼女の振り付けは、硬い中でもしっかり丁寧に動いていたからだ。アイドルとしての1歩目…緊張しない訳がない。そんな中でも自分の出来ることをただただ一生懸命に、そして、丁寧に積み上げていく彼女は紛れもないアイドルだ。
そして、そんな彼女を周りがサポートする。目線や動き、メンバーだけでなく客席もコールで彼女の背中を押す。DMMのカメラさんも彼女を抜いてくれる。
そう、この日はアイドル村中有基の最初で最後のデビューの日。
その日を全員で祝い、迎える大切な日。
それが伝わるとても素敵な公演だった。

しかし、ダンスやパフォーマンスはもちろんまだまだだ。
しかも、ここは48の中でも随一のダンス力を持つ集団NMB48のステージ。
ただ、兆しが何もなかったわけではない。
それが垣間見えたのはM7『愛の色』、ユニットだ。
この公演の中で彼女のパフォーマンスのレベルが1段、2段上がるのがこのユニット。
動きのキレというよりも、アクセントが変わる。
普通に考えれば、ユニットになって緊張が解れたのかもしれないし、ユニットを1番練習した…それだけかもしれない。だとしても、彼女がもっと出来るという片鱗は見せてくれたことには変わりない。

NMB48の村中有基というアイドルのこれからが楽しみだ。



【おまけ】

今回、公演レポというよりも村中有基レポとなってしまっているので、ここからは少しだけではあるが、公演自体の話を少し。
これまで、決して見てこなかったわけではないが、毎回見てきたわけではないNMB48 BⅡ公演…ダンスの番組を持っているのもあって、日下このみや黒川葉月にはやっぱり目は行ってしまう。
というか、NMBの公演を見る度に思うがやっぱりダンスが巧い。
平均的にダンスの基礎値が高いので、その基盤が安定していることでその上に個々のやりたいこと、魅せたいものを乗せられる。
安定した上に乗るからしっかりと魅せたいものが伝わる。
これを今回、市川美織を見ていて改めて痛感させられた。
東京在住ということもあり、市川美織はこれまでも何度か公演などで見てきていた。
元々踊れなかったメンバーではないが、NMBでそのダンス力は間違いなく成長している。
それこそ、ダンスの基盤が安定したからこそ、その上にキャラクターという彼女の個性を乗せても、それがしっかりと伝わる。
M6の市川美織と林萌々香の『わがままな流れ星』は、それが見えた素敵なユニットだった。

しかし、個人的に今回、NMBの凄さを見せ付けられたのはM8『抱きしめられたら』だ。
元々この楽曲は好きなのだが、そこを差し引いてもこのユニット、川上千尋、中野麗来、上枝恵美加のパフォーマンスには単純に惚れた。
ダンサー、ダンス講師という立場でもこのユニットは惚れる。
アクセント、リズム取り、ルーティン、遊び・・・何を取っても、どこを切り取っても魅力しかない。
しかし、怖いのはこれを言葉にしたときに、NMBのオタさんから『ん?あれくらい他の子でも出来るよ?』と聞こえてきそうだという点だ(笑)
しかも、それが本当にしか聞こえないから恐ろしい。
この公演の中でも、客観的に見ても、この子出来るんだろうなという子が何人も挙げられる。NMB48の凄さ、そして相変わらずの面白さをとにかく実感させられた日だった。
TOMOMI KASAI Birthday Party 2015
2015.11.15東京 恵比寿ガーデンルーム

文責:さえきあきひろ


前日までの雨とは打って変わって快晴の中、東京の恵比寿の恵比寿ガーデンルームという箱で行われた河西智美の24歳のバースデイイベントに行ってきた。
座りで300、立ちで500という少し小さめの箱ではあるが、それもそのはず、今回のこのバースデイイベントはファンクラブ限定イベントだった。会場に入るのにチケットと会員証がいる徹底ぶりだ。かくいう僕もファンクラブ会員であるのだが。

およそ、1年前、AKB48の夏祭りにて河西智美の魅力を再認識させられ、改めて、彼女にAKBの河西智美ではなく、アーティスト河西智美として出逢い直したあの日(詳しくは前回の記事→http://ameblo.jp/48g-review/entry-11909974498.html。その後、すぐにファンクラブの登録をした。これで、彼女のライブにまた行ける…と思っていたのだが、運悪く仕事のスケジュールとの調整が度々うまくいかなかったり、チケットは取るもののなかなか行けない日々が続いた。この日やっと念願叶って彼女のライブに参加出来る事になったわけだ。

開演を待っていると、河西智美のナレーションが入る。
…噛む。これでもかってくらいにナレーションを噛む。会場中に笑いが起きる。本人も読みながら笑っているのがわかる。この瞬間、会場が彼女の空間に変わるのを感じた。温かくやわらかな彼女の作りだす独特の空間。その空間の中に彼女は現れパフォーマンスを始める。
1年ぶりに彼女のステージを目の当たりにしたのだが単純に成長していた。
元々、ステージの上の彼女に魅了され、更には、1年前の夏祭りにて改めてその姿に心を動かされたわけだが、そこから1年、彼女は進み続けていた。

ステージの大きさはそこまで大きくないのもあって、彼女に向けれらたスポットライトによって後ろの壁に彼女の影が映し出される。この影が実に美しい。指先ではなく髪の毛の1本まで操るパフォーマンス、だけでなく彼女はそこから生み出される影すらもパフォーマンスの1部としていたのだ。まるで、影からもその持ち主の感情が伝わるような、そんな初めての感覚だった。

イベントは2部制となっている。1部が歌手パート、2部がイベントパートという形式で、1部のパフォーマンスにとにかく魅了されたわけなのだが、今回の最大の発見はこの後の2部である。
1部が終わり、休憩を挟んで、2部が始まる。
プロジェクターが動き、ステージの壁に映像が映る。
海外ドラマ『24』のオープニングが流れる。
河西智美に24時間密着した映像が流れる。
寝て起きて、散歩に行って、23歳のうちにやり残したことという名目で何故かわんこそばを食べに行き、蓋を閉めたい彼女と店員さんの攻防があり、今回の衣装を借りに行くシーンが流れる。彼女が訪れたのはAKB48の支配人であり、衣装部の茅野しのぶのもと。茅野しのぶが映った瞬間、会場では歓声が上がる。河西智美と茅野しのぶが楽しそうに衣装を選んでいると、他の衣装部さんが昔の衣装を持ってきてくれる。さらに、サルオバこと西山さんもそこにやってくる。気付くと映像の中はたくさんの人が集まっている。

思えば、夏祭りの時もそうだ。AKBのイベントに卒業生として行われたステージにも時間は遅くてもたくさんのファンが集まり、現AKBを推してる人も足を止め、ライブエリアをいっぱいにした。
ちょっと先取りした24歳のバースデーパーティーもそう。2期生のみんなが集まって祝ってもらっていたのが彼女のインスタやまとめ記事にあがっていた。
今回のイベントも同じことがいえる。老若男女関係なく彼女のイベントにはファンが集まる。その、どれもに共通して言えるのは、彼女の周りに集まる人、そして河西智美自身、笑顔に溢れている。これこそが河西智美という1人のアーティストの魅力そのものなのではないだろうか。

映像は終わり、『アイドルなんて呼ばないで』のピンクの衣装で現れる、河西智美。
もちろん、この彼女もとても可愛くて魅力的だったのだが、僕は映像の中で出てきた『となりのバナナ』の彼女が可愛すぎて悶えていたのはここだけの話。

その後、北村洋平さんが司会として進行をする。
会場から『新潟』と『きたりえ』のキーワードが定期的に投げられていて、ファンと北村さんとの関係性にずっと笑っていた。
そんな北村さん進行のもと、『KASAI TOMOMI HISTORY』という河西智美が産まれてからAKBに入るまでの成長をスライドショーで追うコーナーが始まる。壁に映し出される写真を見ながら、河西智美が説明し、北村さんがツッコミ、ファンからもコメントがあがって、とにかくこのコーナーも笑顔で溢れていた。

彼女の歴史を振り返りながら、色々考えていた。
AKB時代にとにかく色々あった。
良い事も悪い事も。笑顔でいれないことや悔しい出来事や涙したり…。
でも、今それらを重ねた上で、こうしてたくさんの人たちと、彼女を中心にして笑顔でいれる。『Enjoy your life!』の歌詞そのものだ。

AKB48は卒業がある。
いつかは卒業するし、それが自らの意思でもあり、不慮の事故なんかもあり、祝福されづらい卒業なんかもある。
祝福されづらい卒業、うまくいかなかった事での卒業、そういった一見マイナスに見える卒業もどういう理由であれ、不幸なんかではないし、こうして未来には幸せだって笑いあえる日が来る。
もちろん、ここまで来るのが楽だとは思わない。
彼女自身大変なこともあっただろうし、簡単なことではないのかもしれない。
でも、こうしてファンが周りにいて、手助けしてくれるスタッフさんや、力を貸してくれる先輩なんかもいる。こうして今があるのは、うまくいかなかった色々が1つでも欠けたら存在してなかったかもしれない。そう思うと、その色々もあって良かったんじゃないかとすら思えてくる。

このイベントの最後、彼女のマネージャーのリクエストで森高千里の『私がオバさんになっても』を河西智美がカバーする。それを聴きながら、きっと河西智美はオバさんになっても結果、紆余曲折あっても、彼女の周りにはたくさんの人がいて、みんなで笑っていられるんだろうなと思っていた。

素敵なイベントでした。
最後になりましたが、河西智美さん、24歳の誕生日おめでとうございます。
未来がたくさんの笑顔で溢れていますように。

<了>


↓ 本稿執筆者のさえきあきひろ氏が→11/17(火)22時からのニコ生番組に出演致します! ↓
48グループ系雑談トーク番組「週刊・オタの深夜談話室(仮)vol.13」
河西智美バースデイイベントについては勿論、その他の話題も盛り沢山でお送り致します。
信濃川のほとりのデビュー・ライブ
文責:ビスちゃんぽん


雲は白く、晴れ間に射す光は力強い。
風は強く、信濃川の水面を揺さぶる。
テレビ局のビルの上に設置された特設ステージは、未来への予感を湛えていた。
スタートを迎えた彼女達には、不世出の天才オペラ作曲家リヒャルト・シュトラウスが20代の若さで書き上げた出世作である交響詩「ドン・ファン」を送りたい。



NGT48は、これまでの48とは比較にならないほど、規模が小さい都市を母体として創られた。
その分、日本全土を見渡す今までの48よりはそのファンの中心域は狭くならざるをえないが、しかし、少数の熱心なファンが日本中、いや、世界中に点在し、距離の詰まらない制約を越え、昨日、ラジオにて加藤美南が力強く語った、AKB48を超える存在を目指せるのではないか。
そんな期待を抱く、グループの起ち上がりだった。
M1:ヘビーローテーション(センター:加藤美南)
~自己紹介MC~
M2:君のことが好きだから(センター:中井りか)
M3:言い訳Maybe(センター:本間日陽)
~MC~
M4:会いたかった(センター:小熊倫実)
M5:ハロウィン・ナイト(センター:加藤美南)
~MC~
M6:NGT48
~アンコール~
M7:NGT48
幕開けはヘビロテ。
頭の間奏のダンスから前宙をフワリと決めるかとみな。
アクロバットも決して鋭角なばかりでなく、柔らかな姿が目を引く。
NGTはこの「柔らかさ」、「しなやかさ」が決め手になるんじゃないだろうか。
既に人気がつき始めているようにも見える中井りか、センターへの意欲が強いという本間日陽、最年少ながら若さ+αを出してきた小熊倫実。
いずれも務め上げた姿は未来への布石となった。

因みに、私に割当てられた場所は最後方Cブロック。
そこの下手先頭には何とか滑り込んだ。
決して見晴らしの良い位置ではないが、この日応募のあった5000通にものぼるというメールを感じるには良い位置だったかもしれない。
ただ、客はテレビ局でのイベントということもあり、「盛り上がり方」は手探り感が強かった。
1つの方向性のみに収斂する必要はないが、どう『盛り上がっていく』かはこれからも探っていくべきかもしれない。
明らかにチーム8から流れてきたようなスタイルの層もいれば、他を統率してリードしようとする人もいて、かといって、大きな身体ながら小さくクラップを打つ慎ましやかな男性の姿なんかもスポイルする訳にはいかない。
その辺りをどう整合性を取っていくかはこれから直面していく課題だろう。

2曲目からはこの日初めてセンターを披露する面々が続く。
技術、完成度よりも若さ、意欲的に挑戦する姿を見せるセンターである。
そして、最初の曲から下手方向には割と年長メンバーが多かった。
何処かおっとりしてそうなもふちゃんこと村雲颯香の意外なほどハキハキとしたパフォーマンス。
視線が遠目からでもギラついていた大滝友梨亜。
丁寧で曲間への客への目配りも欠かさない西村菜那子。
更にメディア等では余り露出が多いとは言えないのに早くも客席からのコールも多かった水澤彩佳。
表情豊かでパフォーマンスの妙は見つかるのが早そうな太野彩香。
笑顔が眩しく陽性の強い中村歩加。
楚々とした佇まいながら動きは闊達な宮島亜弥。
…と書いていくと、下手側だけでもキリがない。

そして現在、既に披露していた曲は練度がかなり高いことが分かる。
更に、基本的なセンターは加藤美南であり、そのすぐ外にいて折り目正しいパフォーマンスと統制力を見せていたキャプテン北原里英とその「アイドル」としての実力を惜しげもなく披露する柏木由紀を配置。
その経験豊富な選抜の外にいたのがドラフト2期生の2人だ。
ダンスが得意でないであろう彼女が、1つ1つ乗り越えていっている姿がよく伝わる西潟茉莉奈。
動きの次元が一味違い、伸びやかさが素晴らしい荻野由佳。

いずれも魅力溢れるシーンだった。

今日のミニライブ、未来は強く感じられるパフォーマンスだったが、同時にまだまだな部分も目立つ。
一部の人間を除けば、まだフリを追うのが精一杯で、何をしていくか、というレベルには到底ない。
そして、個人的には現状でかなり心配なのが、声が高めで倍音の質の違うものが少ないらしく、マイルドに聞こえすぎてしまうきらいがある。
しかし、こういう個性は、ステージを重ねながら探していくものであり、現時点での心配はあくまで現時点のものだ。
久々に訪れた、AKB48グループの曇りなき可能性について、その芳しい新たな力について、私達は今から楽しんでみていけばそれで良いのだ。
晴れた空に翔ぶ26人に思いを馳せながら…。

追伸

偶然、ライブ、そしてその後の仕事を終えてリラックスして食事を取っている北原里英さんに会った。
美味しそうに食べ、きちんと礼を述べて立ち去る彼女の姿は、昼間の凛々しい姿とは一味違う魅力的なものだったことを付言したい。

そして、柏木由紀さん。
多分、その馬鹿は、まさか2人並んでいるなんて思わなくて、きっと手前の席を見て舞い上がって見落としてしまっただけなんです…。
ご無礼致しましたこと、ホント、心よりお詫び申し上げますm(_ _)m
近い握手会で、直接謝りに参ります故、何卒お赦しを…。
9/21(月)13:00~
岩本輝雄『青春はまだ終わらない』公演~込山榛香生誕祭~

文責:さえきあきひろ



【試合前には下準備】

9/21僕は全く別の予定を立てていた。
その移動中の電車内で当選者、キャンセル待ち当選者のみに届くチケットセンターからのメールによって気付かされる・・・公演が当たっていたんだということに。
全てが終わってから聞いたのだが、どうやら最近チケットセンターのシステム不具合なのか当選メールなどが届かないという事案が発生しているらしい。なので、これを読んでいる方は注意してもらいたい、当選メールが来てなくてもチケットセンターで確認を・・・そう、現場に行く前から試合は始まっているのです。

さて、そんなバタバタはしたが、なんとか公演には間に合い、無事着席で公演を観れることに。座り位置は上手の後ろから二列目の通路側の椅子。センターは柱によって多少見えづらい。下手のステージも見えない。希望は体力、まだまだだい・・・希望は目の前の上手ステージがはっきりと見える所か。ただ、下準備が出来ていない。そう、当選してることを知ったのが数時間、いや、数十分前なのだから当たり前だ。上手の席を選んだもののこの公演では上手に誰が来るのか、公演自体はDMMで見てはいたが、全く思い出せない。果たして、僕の前には誰が来るのか、こみはるは来るのか・・・そんなことを考えている間に開演。

岩本輝雄公演は全体曲が多い。
ユニットではなく、どちらかというと劇場に立つメンバー全員でパフォーマンスを完成させるような、いわば、全員サッカーを展開する。全体曲が続く公演の中で自分の前、上手側のステージに来るメンバーとセンターのメンバーを見ていて僕は感じた。
本当にメンバーがステージを走り回る。
さっきまでセンターだった子が気付けばサイドにいる。
さっきまでサイドで踊っていた子が今度はセンターで歌っている。
前列や後列、左右、本当に動き回る。
その光景を見ていたときに僕は変化に気付く。
センターでのパフォーマンスとサイドにいるときのパフォーマンスを変えている子がいることを。そして、ポジションが変わっても自分のパフォーマンスを変化させない子がいることを。

そして、それらに気付くと同時に脳裏に浮かんだ感想は
『サッカーを観ているみたい』
だった。

もちろん、作ったのが岩本輝雄であることも影響してはいる。
しかし、それだけではなく、メンバーのポジションが変わることで起こりうる変化を目の当たりにしたことでそう浮かんだのだろう。

せっかくなので公演をサッカーを交えて話をしよう。
まずは大きなチーム全体の話から。
ポジションを固定化しないことで、そのメンバーの見える景色、そのポジション毎の戦い方を覚えることが出来る。FWだけではなく、そのFWへパスを出す選手の動き、スペースへ走りこむ動き、公演でいうならセンターや中心軸だけではなく、最端でのアピールの仕方、戦い方を学ぶことが出来る。そして、その経験から自分がセンターに立ったときにどうすれば周りが動きやすく活かし、そして、自分が目立つことが出来るかを客観視出来るようになる。
もう1つ曲によってポジションが変わることの良さがある。
今度は全体よりも少し焦点を絞るかたちになる。
サッカーで一番注目が集まるポジション、それは試合の醍醐味でもあるFW。シュートを決め、試合の勝敗を直接的に左右するエース。公演でいうならばセンターだ。FWは注目される。ゴールシーンなんかはダイジェストにされたり、それ自体を知らない人にも注目されやすいポジションだ。一般的な注目が高いのであればそれをカメラが追うのも自然なことである。しかし、サッカーはFWだけで行うことは出来ない。そのFWにパスを出す選手がいて、空いているスペースを作ったり、そこに走りこんでパスをもらう。チームが崩れないようにラインをキープしたり、走りすぎなポジションをリカバリーしたりする選手がいる。そして、その選手を見ているサポーターがいる。むしろ、そのポジションを中心として見ている、その試合の面白さの中心をそこに置いているサポーターがいるのだ。
メンバーがそのポジションだから見ているのか、そのポジションにいるメンバーを見ているのかは個人差があるだろう。しかし、中心がセンターにない場合もあるのだということを改めてこの公演を見て感じた。自分の見ている中心こそがその公演のセンターなのだ。
そう考えると、AKBにおける【今、ここがAKBの中心だ】というのはないのかもしれないとすら感じてしまった。

もし、これらを計算的に考えて公演を組んでいるとしたら、岩本輝雄という人物は天才なのかもしれない。

ちなみに、僕のこの公演の中心はこみはる・・・と言いたいところだが、それと同等に大和田南那の凄さを実感した。これはまた別の話。あの子は凄い。

あと、この公演のMVPは生誕の手紙を書いた柴田阿弥さんと彼女を選んだ生誕委員さんにあげたい。最高の生誕だった。