おにいやんの小説

おにいやんの小説

初めてで書くのに手間取ってしまいますが、面白い小説を書ける様に頑張ります。

ただ今、小説「ウルトラマンギンガ特別編」を執筆中です。
興味のある方は是非お読みください!
面白くなる様に頑張ります!
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〜前回のあらすじ〜




終焉の地において繰り広げられる、ギンガとファウストの戦い。


到着したGUTSの援護もあり、最初はギンガ優勢だったが、メフィストが現れた事で形勢逆転。


ギンガはメフィストに挑むが、メフィストが召喚したスペースビースト・クトゥーラの前に敗れ去る。


そんなギンガを助けるべく、我夢がガイアに変身して立ち向かうが、ガイアもファウストには敵わず、敗北してしまう。


そして、ガイアとギンガはメフィスト達に光を奪われようとしていた。




〜本編〜





岩山に磔にされたガイアの全身は、徐々に闇の蔦に覆われていた。


ライフゲージは忙しなく点滅していて、両目の光も消えようとしていた。


そんなガイアの姿を勝吉は黙って見ている事しか出来なかった。



勝吉「くっ……。我夢……」


天宮「隊長、このままでは世界が滅亡してしまいます!

今、我々がすべき事を……!」



天宮からの言葉を受けた勝吉は我に返ると、皆に指示を出した。



勝吉「各機、攻撃可能な範囲へと一斉に攻撃せよ!」


天宮「えっ!?ですが、この状態での攻撃は危険では?」



しかし、橋本は同意する。



橋本「いや、それでいこう!

奴らの気を逸らせれば、それでいい!」


天宮「り、了解!!」


平井「了解!!」



指示を受けた一同は攻撃に移る。


攻撃を受けたクトゥーラは怒り、3機を岩にぶつけようと3機それぞれ捕らえている触手を大きく振りかぶったが、その刹那─。



勝吉「天宮!今だ!!」


天宮「了解!!」



天宮操縦するEX-Jが平井の操縦するウイング1号を捕らえていた触手へと照準を合わせてビームを発射。


攻撃を受けた触手は堪らず機体を解放する。


更に平井は、今の攻撃で動きが止まったのを見逃さずに、橋本が操縦するウイング2号、勝吉と天宮が操縦するEX-Jの両機を捕らえている触手に照準を合わせてビームを発射。


それによって両機とも無事に脱出に成功して勝吉が指示を送る。



勝吉「全機、一斉砲火!!」


全員「了解!!」



3機から強力なビームを発射。


クトゥーラに命中し、何度も連射している内に、遂にクトゥーラは光の粒子となって消滅した。



橋本「よし!」


勝吉「やったか!」



一同はガッツポーズを取る。


それを見ていたメフィストは特に動揺せずに笑みを浮かべる。



メフィスト「やるね。だが、ここまでだ。

俺の計画の達成は目前さ」



メフィストの視線の先には岩山に磔にされた状態のガイアが居た。




同じ頃、北川佐知子と椎名一彦は、比留川家の前に居た。


家の周りにはパトカー数台が停車しており、鑑識や刑事による現場検証が行われていた。


あの後、加藤大地を逮捕した事で署に応援を要請し、やって来た後続のパトカーに加藤を引き渡して連行したのだ。


そして、その後の現場検証と言う形で現在に至る。



椎名「しっかし、肝心の比留川の奴がココに居ないとはな……」


北川「しょうがないでしょ。初めから確証があった訳じゃないんだし」



北川達がそんなやり取りをしていると、1台の覆面車両である黒のスカイラインが到着、2人の前に停まった。


中からは宮田靖刑事課長が現れた。


2人は直ぐさま敬礼する。



椎名・北川「ご苦労様です」


宮田「この家に侵入した泥棒を捕まえたのが君達であると言う事は聞いたよ。

2人共、ご苦労だったね。

春山係長からの伝言で、君達には今直ぐ別の場所に向かってもらいたいそうだ」



宮田課長は懐からメモを取り出すと、2人に渡す。


それには住所が記されていた。



宮田「ここの現場検証に関しては彼等と私で引き受けよう。

君達は、そこに向かってくれ。

私からは以上だ」



そこまで言うと、宮田課長は現場に向かっていった。


それを見送った2人は乗ってきた覆面車両の白いクラウンに乗り込むと、カーナビにメモの住所を入力して車をスタートさせた。




◎◎◎◎



終焉の地に倒れ伏すギンガ。


ギンガの中にある佐藤の意識は、混沌としていた。



佐藤「俺は……誰も救えないのか?

美鈴の事も……他の皆の事も……」



混濁した意識の中で自問自答する佐藤。


すると、佐藤の脳裏にある人物のビジョンが浮かんだ。


その人物の外見は二十代後半で、手に持っていた謎のアイテムを頭上に掲げた。


すると、その男性は全身を光に包み込まれて光の巨人へと変身した。



佐藤「あれは……ウルトラマン!?

でも、あのウルトラマンは……」



目の前に出現したウルトラマンの姿に見覚えのない佐藤。


映像の中で、そのウルトラマンは銀の姿から赤い姿へと変化した。


その赤い姿のウルトラマンの前に漆黒の巨人が現れた。



佐藤「ファウスト!?」



漆黒の巨人、ファウストと激闘を繰り広げる赤いウルトラマン。


場面が変わって、今度は見覚えのある場所が映し出される。


そこは黒い海に浮かぶ灰色の島。


終焉の地だった。


そこで赤いウルトラマンは、ファウストとは異なる新たな黒い巨人と戦っていた。



佐藤「今度はメフィストだと?

一体、この光景は……」



赤いウルトラマンとメフィストは激闘の末に互いの必殺技を解放して巨大な対消滅爆発を引き起こした。


赤いウルトラマンは、その爆炎の中を潜ってメフィストにパンチを決める。


そこで両者は眩い光に包み込まれ、共に姿を消した。



佐藤「今のは……一体?」



謎の光景に佐藤が戸惑っていると、目の前に等身大のギンガが現れた。



佐藤「ギンガ!今の映像は?」


ギンガ「今のは、ギンガスパークの中に宿るウルトラマンの記憶だ。

彼は人々との絆を力に変えて闘う戦士だ。

その名はウルトラマンネクサス」


佐藤「ウルトラマンネクサス……」



未知のウルトラマンの名前を反芻する佐藤。


ギンガは更に説明を続ける。



ギンガ「ネクサスは、ファウスト達と幾度も戦い続けてきた。

彼と同化したデュナミスト・姫矢准と共に」


佐藤「姫矢……?俺と同じ名前の人が、あのウルトラマンに……」


ギンガ「君と姫矢准の名前が同じ名前である事も、何かの縁だろう。

とにかく今回も奴等に勝つ為には是非とも彼の力が必要不可欠だ。

しかし、彼はギンガスパークの中で長い間、眠りに就いていた為、表に出る事が無い。

彼を呼び覚ます為には佐藤、君の協力が必要だ」


佐藤「俺の協力?どうすれば……」



戸惑う佐藤をギンガが導く。



ギンガ「彼を呼び覚ます為には絆の力が必要不可欠だ。

その絆を君は持っている。

これまでにも君は、私を始めとする数多くのウルトラマンに変身した。

それによって、君はウルトラマン達と強い絆で結ばれている。

さあ、今こそ彼を呼び覚ます時だ。

念じるのだ、佐藤准!

ウルトラマンネクサスの目覚めの時は今この瞬間だ!!」



そこでギンガの姿は消えた。


佐藤はギンガスパークを強く握ると、それに祈りを込めた。



佐藤(ウルトラマンネクサス!

君の力が必要なんだ!

頼む……!!

俺は……美鈴や、他の仲間たち皆を、多くの人を救いたいんだ!!

だから……俺に力を!!

ファウストやメフィストに勝つ為にも、協力してくれ!!)



佐藤が強く祈ると、ギンガスパークの中から強い光が解き放たれた。




◎◎◎◎




勝吉達は、ウイング各機でメフィストと対峙していた。


ウイング2号のデキサスビームが発射されるが、命中しても大して効いておらず、反対にメフィストが発射したダークレイフェザーの一撃によるダメージを受けて、高度を下げていく。


しかし、操縦者の橋本が叫ぶ。



橋本「まだだ……!ここで落ちる訳には、絶対いかないんだ!!

絶対に……諦めるかー!!」



その時、磔にされていたガイアの体が微かに動き出した。


消えかけていた両目の光も、再び強くなる。



我夢「まだ………終わっていない!!

ウォォォォォォォー!!」



我夢の強い叫びに応えるかの様に胸のライフゲージが強く光ると、そのまま点滅を止めて光が灯る。


そのままスプリームヴァージョンへとヴァージョンアップすると、ガイアの全身を覆っていた全ての蔦が火花と共に消え去った。


闇の波動から解放されたガイアが大地に降り立ち、着地と同時に土煙が巻き起こった。


復活してヴァージョンアップしたSVのガイアは力強く構えを取る。


この光景にメフィストは戸惑い、驚きを隠せなかった。



メフィスト「バカな!?貴様の光は、完全に消えかけていた筈!!

なのに……何故だ!!」



動揺するメフィストは、メフィストクローを展開してメフィストショット数発を連射。


が、ガイアは全ての攻撃を片手で防ぎきる。



我夢「お返しだ!!」



ガイアがガイアスラッシュを放つと、それはメフィストの胸にあるダークゲージに命中。


その威力を前にメフィストはフラフラ状態で倒れそうになる。



メフィスト「な、なんて力だ……」


我夢「僕は負けない!!」



その一方で、ファウストは大地に倒れ伏しているギンガのカラータイマーに手を伸ばしていた。


ギンガの光を奪おうとするファウスト。


だが、その時。


ギンガのカラータイマーから強烈な光が解き放たれて、ファウストの体を遠くの方に吹き飛ばした。


起き上がったファウストの視線の先には全身が神々しく光り輝くウルトラマンネクサスの姿があった。


その姿を見たファウストは驚く。


いや、ファウストだけではなく、遠くに居たメフィストもネクサスを視界に捉えて驚いていた。



ファウスト「なっ!き、貴様……」


メフィスト「お前……姫矢か!?」



ネクサスの新たなデュナミストである佐藤が答える。



佐藤「いや、俺は姫矢ではない。

俺の名は佐藤……佐藤准だ!!」



ネクサス・アンファンスは構えを取った後、ファウストへと向かって勢いよく走り出す。


ファウストも構えを取り、自分の方に駆けてくるネクサスを迎え撃つ。


ネクサスのパンチを真っ正面から受け止めるファウスト。


が、想像以上の威力に負けて吹き飛ばされてしまう。



ファウスト「何だ?この力……。

一体、何が……」


佐藤「この力は……ウルトラマンと俺が紡いできた絆だ!

お前たちには負けないぜ!!」


ファウスト「黙れ!!」



ファウストはダーククラスターを上空に発射してネクサスを攻撃する。


上空から迫り来る無数の闇の光弾をネクサスはマッハムーブを用いて全て避ける。


更にネクサスは光弾・パーティクルフェザーを放ち、ファウストを牽制する。


苛立ちが頂点に達したファウストは地面から何かを出現させる。


それは、闇の十字架に磔にされた状態の美鈴だった。


それを見たネクサスが動揺して隙を見せた所を狙って、ファウストは右手から闇の光弾であるダークフェザーを発射。


隙を突かれたネクサスは正面から直に受けて吹き飛ばされる。



ファウスト「ハッハッハ!!

その娘を助けたくば、この俺の指示に従う事だな!」


佐藤「ファウスト、貴様……」


ファウスト「お前には、1つ良い事を教えてやろう。

その娘を捕らえている十字架は、俺の持つ闇で作られている。

つまり、俺を倒せば、十字架も消滅するが、あの娘も消えると言う事だ」



ファウストの言葉を聞いた佐藤は、頭の中が真っ白になった。


もしも本当ならば美鈴を助け出す事は困難である。



ファウスト「さあ、どうする?」


佐藤「………………」



佐藤が迷っている間、ウイング2号を降りた橋本は、美鈴の所に向かっていた。


見た所、両手両足が拘束されている為、拘束している闇を破壊する事が出来たら─。


そう考えた橋本はガッツハイパーガンを撃つが、光弾は闇に吸い込まれて消滅した。



橋本(ダメか……。闇に対抗する為には一体、どうすれば……)



考えた末に橋本はガッツスーツの前を開けて懐からリーフラッシャーを取り出す。


そこには本来ダイナの光が宿っているが、今は存在しない。



橋本(ダイナ……俺は諦めない。

どんな困難が立ち塞がろうとも、俺は絶対に諦めない!

だから頼む、今は君の力が必要なんだ!

もう一度……俺に力をくれ!!)



橋本がリーフラッシャーへと強く祈った時、ファウストの胸のダークゲージから光が溢れ出る。


これにファウストが驚いた。



ファウスト「バカな!?私が取り込んだ光が何故……?」



やがてダークゲージから1つの光が放たれて橋本の元に向かう。


その光は強く輝きながら橋本の手の中にあるリーフラッシャーへと収まる。


そして、その光の輝きによって、闇の十字架だけ消滅、美鈴だけが残った。


美鈴は気絶していただけで、無傷だった。


橋本はリーフラッシャーを仕舞うと、美鈴を抱き抱える。



橋本「佐藤君!この子は無事だ!

我々が保護するから、君は奴を倒す事に専念するんだ!!」


佐藤「はい!!」



ネクサスは頷くと、ファウストに向き直る。


当のファウストは狼狽していた。



ファウスト「そんなバカな……。

あの十字架が消えるなんて……。

それに何故私が吸収した光が元の所有者の所へ戻ったんだ?」


佐藤「ファウスト……。俺は貴様の事を絶対に許さないぜ。

覚悟しろ、ダークファウスト!」



ネクサスはエネルギーを充填してから必殺技のクロスレイ・シュトロームを発射。


狼狽していたファウストは避ける事もバリアを張る事も叶わずに、その直撃を受けて吹き飛ばされてしまう。


更にネクサスはファウストへと駆け寄ると、連打攻撃を繰り出す。


次第にダメージが蓄積されていったものの、ファウストは蹴りで牽制して間合いを取る。



ファウスト「俺は絶対に勝つ!

お前らウルトラマンの光で無敵の超人となるんだ!!」



そう叫びながら立ち上がると、体の中に取り込んでいた全てのウルトラの光を自身の力に変換。


光と闇の力を纏ってネクサスに立ち向かう。


光と闇の力を纏ったファウストの身体能力は向上していて、パワー以外にもスピードまでもが上がっていた。


何とか躱そうとするネクサスだったが、流石に対応できなかった。


光と闇の力が込められた強力なパンチを胸のエナジーコアに受けたネクサスは大ダメージを負ってしまう。



佐藤「くっ……。負けるかよ……」




その一方、ガイアとメフィストの戦いは終盤を迎えていた。


スプリームヴァージョンとなった事でガイアの身体能力は全て向上しており、メフィストでは全く敵わなかった。


メフィストのダークゲージだけ点滅している点が、それを物語っている。


悠然と歩くガイアに対し、肩で息をしているメフィストが叫ぶ。



メフィスト「貴様には負けんぞ!

俺は無敵だ!!」



そう叫んだメフィストは最強必殺技のダークレイ・シュトロームを発射する態勢に入る。


それを見たガイアも迎え撃つ為、最強必殺技の構えに入る。


やがてメフィストが先に最強必殺技のダークレイ・シュトロームを発射。


ガイアに向かっていくが、当たる前にガイアも最強必殺技のフォトンストリームを発射。


ダークレイ・シュトロームを圧倒的な攻撃力で押し返していくと、最終的にメフィストに命中させて吹き飛ばす。


吹き飛ばされたメフィストは絶叫を上げて、遥か彼方まで飛ばされて姿を消した。



平井「消えた?」


天宮「勝ったのかしら?」


勝吉「分からんな」



戦いを見守っていた各々が感想を口にした。




その頃、ネクサスとファウストの決戦は未だ続いていた。


光と闇の力を手にしたファウストには苦戦を強いられるネクサス。


エナジーコアも点滅していた。



ファウスト「もう限界だな!!」


佐藤「くっ……!」



ファウストが膝を突いたネクサスに迫る中、橋本はウイング2号の機内に美鈴を乗せた。


後の事を勝吉達に任せた橋本は、ファウストの所に向かう。


光を取り戻したリーフラッシャーを手にして走りながら叫ぶ。



橋本「ファウスト!お前の相手は、俺も引き受けるぞ!!」



そしてリーフラッシャーを高く掲げた。



「ダイナァァァァァァ!!」




リーフラッシャーから解き放たれた眩い光が橋本の体を包み込むと、橋本はウルトラマンダイナに変身した。


ダイナは即座にミラクルタイプになる事で、直ぐさま駆けつけた。


ネクサスの前に立つダイナ。



ファウスト「ウルトラマンダイナか。貴様の光、再び頂くぞ」


橋本「ふざけるな。もう……2度と、この光は渡さない。

決着をつけてやる!」



ダイナが構えを取ると、駆け付けたガイアも横に並ぶ。



我夢「橋本さん、僕も貴方と共に戦います。

僕が意識を取り戻す事が出来たのは、貴方のお陰ですから。

その借りを返したいんです!」


橋本「よし、分かった。じゃあ、共に戦おうじゃないか。

佐藤君、君も一緒に戦おう!」


佐藤「ありがとうございます!」



膝を突いていたネクサスも何とか立ち上がると、ダイナとガイアの真ん中に挟まれる様に並んだ。


構えを取る3人のウルトラマンの姿を見た事でファウストは激昂する。



ファウスト「ウルトラマン共……。

貴様らの光を奪ってやる!!」



先ず初めにダイナがファウスに駆け寄ると、掴み掛かろうとする。


だが、ファウストに手首を掴まれて物凄い力で投げ飛ばされてしまう。


投げ飛ばされた先に居たネクサス達は瞬時に避ける。


次にガイアがファウストの元に向かう。


スプリームパンチを見舞ったが、それさえも寸前で避けられて逆にパンチを受けて、吹き飛ばされてしまう。


その直後にネクサスがパーティクルフェザーを発射する。


それをファウストは片手で弾くと、右手からダークフラッシャー数発を連続で発射。


ネクサスはダークフラッシャーの連続攻撃をサークルシールドで防ぐ。


だが、連続で放たれる光弾を前に、とうとうシールドが破られ、吹き飛ばされてしまう。


大地に叩きつけられた3人の光の巨人を見てファウストが嘲笑う。



ファウスト「ハッハッハ……。

無様だな、ウルトラマン……。

所詮、今の貴様らごときでは、光を手にした俺には勝てないのさ!!」



ネクサスはファウストを睨むが、エネルギーの消耗が激しい為、立ち上がる事さえも困難だった。


ガイアは拳を握って何とか立ち上がったが、足が震えていた。


残るダイナは態勢を整えていたが、どう出るべきなのか迷っていた。



橋本(こいつに勝つ為には、どうすれば……)



悩む橋本だが、迷っていても仕方ないと判断し、ソルジェント光線を発射。


ファウストに向かっていくが、ファウストは腕を一薙ぎしただけで光線を相殺してしまうのだった。


これを見たガイアがガイアスラッシュを放つが、ファウストはピンポイントで掴み取り、握り潰してしまう。



ファウスト「無駄と言ってるだろ?貴様らが幾ら足掻こうと、今の俺には勝てんぞ!」



ダイナは握り拳を震わせていたが、ネクサスの方を徐に振り向く。


そして、額のダイナクリスタルに手を添えてから掌をネクサスの方に向け、光エネルギーをエナジーコアに照射する。


すると、光エネルギーを受け取ったエナジーコアが点滅を止め、輝きを取り戻した。


エネルギーが回復したネクサスは、ゆっくりと、しかし力強く立ち上がる。



橋本「佐藤君。君の力を見せてくれ!」


佐藤「はい!」



ネクサスは左腕をエナジーコアに当てる事で銀色のアンファンスから赤色のジュネッスにスタイルチェンジし、力強く構えを取る。


アンファンスからジュネッスの姿に変化したネクサスを見たファウストは動揺する。



ファウスト「遂にその姿になったか……」


佐藤「俺は負けない!」



ネクサスは力強く駆け出して行き、パンチを見舞う。


ファウストは素早い動きで対応し、パンチを右掌でガードするが、間髪入れずにネクサスが反対の手で放ったパンチには対応できず、まともに受けて吹き飛ばされる。


吹き飛ばされたファウストは岩山に激突して大ダメージを受ける。



ファウスト「バカな……ただのパンチの一撃でこれ程の威力だと!?」



この結果にファウストは、然も信じられないと言った様子だった。



佐藤「行くぜ、ファウスト!!」



ネクサスは瞬時にクロスレイ・シュトロームを発射。


狼狽していたファウストは先程までの余裕が無く、片手でダークシールドを展開して防御するが、ネクサスが威力を上げるとシールドは崩壊して直撃を受ける。



ファウスト「ぐおお……」


佐藤「まだまだ、これからだぜ!」



ネクサスは今度は上空に飛び上がると、全身を高速回転させて放つボードレイ・フェザーを連射。


先程のクロスレイ・シュトロームのダメージでフラフラ状態のファウストは、シールドを展開して防御する事さえ叶わず、連続で迫る攻撃を受けて更なるダメージを負う。


更にネクサスは一気にファウストに突貫して体当たりを見舞い、大きく吹き飛ばした。



ファウスト「バ、バカな……何故だ?」



狼狽するファウストだが、考える間も無く、今度はガイアが放ったフォトンエッジの直撃を正面から受けて再び岩山に激突する。


そこにダイナのソルジェント光線が加わり、遂に胸のダークゲージが点滅を開始する。



ファウスト「ぐっ……!」


佐藤「ファウスト、そろそろ止めを刺させてもらうぞ」



岩山に背中を預けて立っているファウストの正面にダイナ、ガイア、ネクサスが並ぶ。



ファウスト「ウー……ウオオオオオー!!」



ファウストは気合いで大声を上げると、上空に闇の光弾を放ち、無数に分裂させて光弾の雨・ダーククラスターを降り注がせる。


これを迎撃すべく、ダイナはミラクルタイプにタイプチェンジしてレボリウムウェーブを放ち、大半を消し去った。


レボリウムウェーブから逃れた流れ弾が地上に降り注ぐが、それをガイアがシャイニングブレードで一斉に迎撃して全て相殺する。


それでもファウストは抵抗を諦めずにダークフェザー数発を連射するが、ネクサスが発射したパーティクルフェザーで相殺される。



橋本「ファウスト、無駄な抵抗は止めろ」


ファウスト「うるさい!黙れ!!」



ファウストはダイナに怒りながらも、ダークフラッシャーを連射する。


真っ直ぐ向かっていくが、ダイナはウルトラバリアで全て受け止めて無効化し、そのままダークフラッシャーのエネルギーを利用してレボリウムウェーブ・アタックバージョンを発射。


ファウストは寸前で伏せる事で回避したが、レボリウムウェーブ・アタックバージョンの直撃を受けた岩山に大穴が空く。



ファウスト(な、何て威力だ……)



初めて戦慄を覚えるファウスト。


続いてガイアがクァンタムストリームを発射するが、ファウストは瞬間移動で躱す。


が、ダイナには居場所を特定されてしまい、ダイナが透かさず放ったビームスライサーの一撃をダークゲージに受けてしまう。


それにより、ダークゲージにヒビが入る。



ファウスト「ぐおっ……。ヒ、ヒビが……」


佐藤「これで止めだ!」



見ると、フラッシュタイプに戻ったダイナとガイアとネクサスの3人が各々必殺技の構えに入っていた。


ダイナはネオソルジェント光線を、ガイアはフォトンストリームを放とうとしていた。


残るネクサスはクロスレイ・シュトロームの構えに入っていた。


これだけの攻撃を受けるのは不味いと悟ったファウストは撤退を考えたが、そこに勝吉、天宮、平井がそれぞれ操縦するウイングEX-Jとウイング1号・2号が攻撃してきた。



平井「俺たちを忘れるな!」


天宮「逃がさないわよ!!」


勝吉「貴様は、ここで倒す!」



GUTSの攻撃に戸惑っている中、遂に3人のウルトラマンの必殺技が解き放たれた。


自身に向かってくる3つの攻撃を受ければ、確実に負けると悟ったファウストは一か八かの賭けに乗る。



ファウスト「これで、どうだ!!」



3つの必殺技がファウストに当たり、爆炎に包まれる。


やがて爆炎が止むと、そこにはダークゲージを鳴り響かせながら立ち尽くすファウストの姿があった。


これには一同が驚愕する。



橋本「バカな……あれだけの攻撃を受けて無傷だと!?」


我夢「一体、どうして……?」



戸惑うウルトラマン達を見たファウストは、高笑いをしながら答える。



ファウスト「簡単な事だ。攻撃が当たる前、俺は吸収していた光を解放したのさ。

どんなに強力な光の攻撃でも、同じ光を利用すれば無効化出来るのさ!」



ファウストの説明を聞いた一同は一先ず納得すると、怒りを露にした。



橋本「よくも、ウルトラマンの光を悪用してくれたな!」


我夢「絶対に許さない!!」


佐藤「覚悟しろ、ファウスト!!」



しかし、そこで遂にダイナのカラータイマーとガイアのライフゲージが点滅を始める。


次第に2人の体から力が抜けていき、その場に座り込む。



ファウスト「ハッハッハ!もう限界か!!」


佐藤「例え2人が倒れても、まだ俺がいる!

勝負だ、ファウスト!!」



唯一立ち上がっているネクサスがファウストに向けて構えを取る。


ファウストも構える事でそれに応え、両者は駆け寄る。


正面から激突して掴み合う両者。


拮抗状態が続くが、ウイング各機が攻撃した事でファウストが怯む。


そこにネクサスがパンチを決めてファウストと間合いを取ると、飛び上がって上空からのキックを放つ。


ファウストは威力に押されて尻餅を突く。



佐藤「これで止めだ!」


ファウスト「くっ……。これで決めてやる!」



着地したネクサスが必殺技の構えに入ると、ファウストも必殺技の構えに入る。


そして、両者は最強必殺技を放った。


ネクサスはオーバーレイ・シュトロームを。


ファウストはダークレイ・ジャビロームを。


2つの光線は激突して押し合う。



ファウスト「俺は……俺は絶対に負けん!」


佐藤「俺だって……負けられないんだよ!!」



そこでネクサスが威力を上げると、オーバーレイ・シュトロームが一気に押し出されて、ダークレイ・ジャビロームを押し返す。


ファウストも抵抗するが、遂に命中する。


オーバーレイ・シュトロームの直撃を受けたファウストの身体がぐんぐんと光の粒子へと変わっていく。



ファウスト「バカな!!こんな……こんな事があって、たまるか!

俺は……!俺は……!!ぐわーっ!!」



ファウストの身体は断末魔の叫びと共に分解されて完全に消滅した。


それに連動してファウストが取り込んでいたティガ、アグルの光が解き放たれ、所有者の元に向かった。


ネクサスが構えを解くと、コアゲージが点滅を始めた。



佐藤「か、勝った……」



ネクサスは片膝を突き、肩で息をしていた。


その時、終焉の地の大地を強い揺れが襲う。


至る所に亀裂が入り、岩山も崩れていく。


黒い海も波立ち、遠くの方から大津波が迫り来ていた。



平井「どうなってるんだ!?」


天宮「終焉の地が、壊れていく……」


勝吉「各機、直ちに脱出せよ!!」



勝吉の指示で3機のウイングは脱出を試み、入り口である時空の歪みに突入していった。


3人のウルトラマンも足下が崩れていく中、一先ず空に逃げる。



我夢「このままだと、この世界の崩壊に僕らも巻き込まれます!

早く脱出しましょう!!」


橋本「よし、急ごう!」


佐藤「ああ!」



ダイナはトゥインクルウェイでワームホールを作り出し、ガイア、ネクサスと共に脱出。


その後、終焉の地は完全に崩壊した。



◎◎◎◎



現実世界に帰って来た一同。


GUTSは気を失っている美鈴を城北大学付属病院に運び、佐藤と我夢も付き添いで病院に同行した。


その後、GUTSが氷室邸に向かうと、そこに比留川の姿があった。


全身が傷だらけで、闇の力は失われていた。



橋本「どうやら、元の人間に戻ったようですね。

闇の力は存在しません」


平井「ようやく確保出来る時が来たか」


天宮「隊長、本部に連行しましょう」


勝吉「そうだな。よし、行くぞ」



こうして、比留川はGUTSの手で身柄を拘束され、ダイブハンガーに連行された。


この情報は警視庁にも送られ、捜査員の大半は安堵していた。


だが、一部の者は彼が闇の力を失ったと言う事に不満を抱いていた。


公安警察の池沢部長と松永課長だ。



池沢「比留川啓吾は力を失ったか……。

せっかく奴の力を利用できるチャンスだったと言うのに……」


松永「ま、いいでしょう。まだ溝呂木眞也が居ますからね」



憤慨する池沢部長とは対照的に、松永課長は冷静に溝呂木の確保を考えていたのだった。





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



またしても遅くなってしまいましたね……。


気付けば4ヶ月以上は経過していました(汗)


今後は気を付けたいと思います。


では、本編のあとがきに入ります。




今回でダークファウストの暗躍は終了です!


ダークファウストの出番は終了しましたが、比留川啓吾は次回以降にも登場しますので、ご了承下さい。


さて、次回は溝呂木眞也=ダークメフィストの暗躍です。


佐藤准との最終決戦が描かれます。


また、次回も三部構成で行きます。


長きに渡る2人の戦いに決着が着きますのでお見逃しなく!!




~次回予告~




比留川啓吾=ダークファウストとの戦いから数日が経過したが、未だに奥多摩市では怪人による連続殺人事件が多発していた。


そんな中、遂に溝呂木眞也が動き出す。


溝呂木の動きを感じ取った佐藤は彼との決着を着ける為、勝負を挑む。



次回、ウルトラマンギンガ特別編第100話
「溝呂木VS佐藤〈前編〉」




最後に勝つのは、どちらか!?