11月18日、練馬区議会の企画総務委員会を傍聴しました。

というのも、練馬区議会に対して、再審法改正を求める意見書を国会及び政府に提出するようにとの陳情をしていたのですが、区議会事務局から、その陳情が企画総務委員会で審議されると連絡をいただいたからです。

当日は、新たな陳情が8件ありましたが、そのうちの一つが、再審法改正を求める意見書提出の陳情でした。

この陳情について、発言した議員は2人でした。

一人は、共産党のやくし議員。要旨:袴田事件では30年以上経ってから新たに開示された証拠が再審開始、無罪判決の要因となった。再審でも証拠開示が必要だ。大崎事件では、再審開始決定が地裁でも高裁でも出されたにもかかわらず、検察の上訴でいまだに再審裁判が開かれていない。検察の上訴を禁止すべきだ。国会では、先の総選挙前に、再審法改正の超党派議員連盟ができている。練馬区議会からも、この動きを後押しすべきだ。

もう一人は、みどりの風のしもだ議員。要旨:国会レベルで現在議論しているところと聞いている。急がずに、その議論を見守るべきだ。

やくし議員は、短い発言でしたが、冤罪犠牲者のおかれた状況をよく把握しているようで、問題の核心をついた、大変うれしい発言でした。

それに対して、しもだ議員の発言は、今もなお、冤罪で苦しんでいる冤罪犠牲者がいることを意に介さないと思える、とても腹立たしいものでした。他人の痛み、苦しみを理解できないような人には、議員をやってほしくないと思いました。

 

私は、国民救援会というNPO・NGO団体で、冤罪事件の支援などをしていましたが、無実の人が刑務所に入れられているという実態を数多く知りました、現在、裁判でたたかっている人もたくさんいます(もちろん、本人は刑務所にいますから、実際は弁護人が裁判闘争をしています)。裁判で勝つためには、証拠が必要です。しかし、その無罪を証明する証拠は、警察や検察が持っているのです。時間をかけて、やっとのことで再審開始決定を勝ちとっても、検察の上訴(抗告、特別抗告)で、再審開始決定が取り消される事例が少なくないのです。刑務所に収監されている冤罪犠牲者にとっては、裁判が遅れれば遅れるほど、人生の時間がどんどん奪われてしまうのです。時間とのたたかいなのです。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんは、刑務所で死を迎えてしまいました。

冤罪は、国家による最大の人権侵害ということは、多くの人が認めるところだと思います。

みどりの風のしもだ議員の発言は、許せない!

 

実は、この委員会の前に、各会派の部屋をまわって、再審法改正の問題について、訴えをさせてもらいました。ほとんどの会派(自民党、みどりの風を除く)の議員は、理解してくれました。中には、「この問題は大切なことだと思います」「企画総務委員会には、うちのメンバーいないので、力になれないけれど、本会議に来たら、必ず賛成しますよ」と言っていただき、激励してくださった議員の方もいました。