俺とアンカツさんの出会い 7

２００８年１１月２日。
秋の天皇賞。
ちょうど１年前だ。
ダイワスカーレットという３着以下はなしという素晴らしい成績の馬にアンカツさん
は騎乗してた。
９ヶ月の休み明けだ。
その頃は障害年金をもらうほど、病状が悪化してたため、大きく馬券は買えなかっ
た。
でも、４０００円だけダイワスカーレットの単勝（１着を当てる馬券）を購入して
た。
逃げたダイワスカーレットは人気を分け合ったウオッカとディープスカイという２代
にわたるダービーの強襲に遭う。
完全に差されたと思った。
しかし、ダイワスカーレットも前に出てた。
写真判定になった。
ＮＨＫで父と見てたが、何度ＶＴＲを見ても分からない。
父に強がりを言い「ウオッカ差してるよね」と言った。父は無言だった。
写真判定の間、馬券のことはすっかり忘れてた。
ただひたすらアンカツさんに勝ってもらいたい。
しかし、１５分にわたる長い写真判定の末、無情にも１着の掲示板に１４番のウオッ
カの番号があがってた。
憮然として２階の自分の部屋に上がった。
その日のうちに、グリーンチャンネルは解約した。
すぐに、有馬記念で競馬から足を洗うことに即決した。
２ちゃんねるで「マツリダゴッホとダイワスカーレットの馬連で何倍付く？」という
スレッドを立てた。
誹謗中傷もあったが俺は夢中で書き込んだ。

１週間後、いつもと変わらずに、俺はアンカツさんを応援してた。
グリーンチャンネルは１１月いっぱいはまだ見れたのだ。
有馬記念の２週間前に、ブエナビスタという馬で阪神ＪＦに登録してた。
まだ未勝利を勝ったばかりの分際なので１７分の６の抽選だった。
とにかく出走できることばかり祈ってた。
木曜日、２ちゃんねるでブエナビスタが抽選通ったことを知り絶叫した。
単勝に２０００円だけ賭けてた。
見事に差し切る。
「やったー！」レース中は「アンカツ、なんでこんなに後ろから行くんだよ！」とぼ
やいてた。
父は「アンカツだって考えて乗ってるんだ。」と笑って言ってた。
この時ほど歓喜に沸いた日は２００８年で最初だろう。

続く

俺とアンカツさんの出会い 6

話しは戻って２００３年３月、高松宮記念の時、俺は空手を習ってて昇級試験だっ
た。
高校生に殴られて生まれて初めて鼻血を流した。鼻は丈夫だったのだ。
まずまず納得し、帰宅後に、ビデオでアンカツさんの初ＧⅠ勝利を見たのだ。
声を出し、喜ぶ。

なお、その日は、競馬より好きだった格闘技でボブ・サップさんがミルコ・クロコッ
プにＫＯ負けして、気分は一転。悲しくなった。

徐々にアンカツさんを応援するようになり、完全にアンカツファンになってた。
２００３年１０月。
ビリーヴに騎乗し、１番人気で迎えた彼女の引退レースでもあるスプリンターズＳ。
馬券は他の馬の（ヨシトミさんの馬の複勝１点だっけ？）馬券を勝ってたが、アンカ
ツさんだけ注目してた。
ゴール前、デュランダルに差されて惜敗した時はあまりにも悔しくて本気で競馬をや
めようと思い、自宅で購読してる日刊スポーツを１週間読まなかった。
しかし、また競馬を見始める。

２００３年１１月。
アドマイヤドンに騎乗し、圧倒的な１番人気で臨んだＪＣＤは勝ったかと思いきや、
外国の馬に差し返され、数センチ差の２着惜敗。
なぜか自宅で１人で今でＮＨＫハイビジョンで見てた。今は見れない。なぜ、その時
だけ、ハイビジョン放送が見れたのか、謎である。
馬券は一切勝ってなかったが悔しくて悔しくて仕方なく、この悔しさをどう晴らせば
いいか分からず、なぜか俺はブックオフに行き、眼鏡をかけて１０代の女に声をかけ
てた。
「もしよかったらお茶でも飲みませんか？」声は緊張で震えてた。
女は怖そうにして首を横に振った。
その頃、ナンパをしてた（結果は全滅）こともあるが、なぜ俺はブックオフに行った
のか分からない。
しかし、アンカツさんの超惜敗が原因だったのは確かだ。

その後もアンカツさんは順調に勝ち星を重ねていく。
スランプも合ったが順調だ。

そして２００８年１１月２日。

続く

俺とアンカツさんの出会い 4

結局１９９６年、俺は大学を卒業し、千葉県で初就職をすることになった。
引っ越さなければならない。
直くんともお別れだ。
最後の１週間のうち、１日だけ定食屋で飲んだ。俺のアパートに直くんは泊まって
いったらしい。
起きると５時。慌てて仕事の準備をした。新人がいきなり遅刻だなんて。
布団がかけられてた。
置手紙が。
「風邪引くといけないので。テープ借りていくよ。直くんより。」
確か、そう書いてたと思う。
それ以来、直くんと会うこともなかった。

大学時代、お世話になった先輩で岐阜県出身の長屋さんがいた。
よく馬券を買いに行き、酒を飲んだ。ご馳走になってた。文化部ではその辺に決まり
があるので。
馬券に費やす俺はいつも甘えてた。
でも、長屋さんと一緒に酒を飲みながら競馬の話しをするのが楽しかった。
関西地方に俺は全く詳しくない。
長屋さんは笠松と近くだったらしい。
安藤勝己の話しをしてた。
もちろん興味はなかった。

千葉県で１年間勤務した時は中山競馬場に競馬を見に行ったり、錦糸町ウインズに馬
券を購入しに行った。
１年後、神奈川県に転勤。俺は横浜ウインズで馬券を購入してた。
１年後、会社を辞めて秋田県の実家に戻ることになった。
その頃には電話投票で馬券を購入。グリーンチャンネルでレースを見て、馬券を毎週
買ってた。

続く