彼は、この時期が大好きだった。
毎年、この時期になると、『この季節を、美香と一緒に過ごせるなんて、倖せだな』と、彼は言った。私は、少し微笑んで頷いた。
彼は、秋の生まれだから、余計にこの季節が好きみたいだった。
あの頃は、あの頃なりに、倖せだったんだ。
ギャンブルで、150万騙し取られても(笑)
韓国人の女性に入れ込んでも(笑)
虚言癖が、あっても(笑)
結婚を前提に付き合っていたのに、本当は、結婚してても(笑)
起業したと言って、無職であっても(笑)
フィリピン人に、安全日だと騙されて子供が出来ても?(笑)
それでも、あの時は、あの時なりに、倖せだったんだ。
そう言えるのは、今が倖せだから?
ううん。不幸じゃないだけ。
ちょっと、愛犬の散歩に行って、秋の入り口の夜の風にあたって来たから、そんな昔の事が浮かんできました。
