中学のとき、いじめられっ子だった私。
私に原因があるかどうかは計れないけど、とにかく、無視から始まって、汚いと罵られ、触ったら腐ると罵倒され、いつも私の回りには一定の距離を置くクラスメイトたちがいた。
私と仲良くすれば、自分が標的になる環境の中で、当たり前だが、会話は生まれない。
私は休憩時間になると図書室に逃げた。
教室にいれば、これ見よがしな誹謗中傷が聞こえてくるから。

図書室に、水を貰えず、黄色くなった葉が垂れ下がった植木鉢が一つ置かれていた。
いまは、あれがアガパンサスだと分かる。
なんとなく水をあげた。
昼休みにあげた水を吸って、鉢に張りつくようにしなだれていた葉が少し持ち上がっていた。
毎日水をあげていたら、鮮やかな黄緑色の葉が繁り出した。
自分が誰かの役に立っているようで嬉しかったのを覚えている。
花芽が上がり、薄紫色の花が咲いた。

そんなある日、長く伸びた葉が縦に裂かれていた。
毎日葉が裂かれている数が増え、根元からひきちぎられているものもあった。
誰が置いた鉢かも知らなかったし、誰に訴えたらいいのかもわからないまま、いつの間にか鉢はゴミ箱に棄てられていた。

子供ながらの残忍さと、それを見ても悪いと咎めない教師たち。
それが寂しくて、私は図書室に近づかなくなった。

私が植物に興味を持ったのは、多分、この鉢が影響している筈だが、今は、もっと勉強して、専門学科に進んでみたかったなぁと、思う。

写真は、多分ヒカゲツルニンジン。
勤務先で蔓に一つだけ咲くらしく、一つ咲き終わると次が咲くようだ。