これが現在の『屋島ケーブル』

屋島ケーブルとは、香川県高松市の屋島登山口から山頂までを繋ぐケーブル線の事で、現在は廃線しております。

そんな屋島ケーブルのケーブルカー乗り場、「屋島登山口駅」へ行ってみる。



なぜか朝と夕方二回も来る私。
どんだけ暇人なんだかな~。



近くで見るまでもなく、駅は結構傷んでおり、壁の塗装もヒビ割れています。

今はこんな状態ですが、昔は(1929年・昭和4年開通)屋島を登る足としてドライブウェイと共に多くの人から利用されていました。

しかし、2004年(H16年)10月12日に運営会社である屋島登山鉄道が自己破産を申請し(債総額は約9億円)、同年10月16日にケーブル事業を休止。

翌年、休止をしていたのを廃止し、永年愛されたケーブルカーは営業を終了してしまいます。

屋島ケーブルを愛する方々から再開を望まれるも、施設の老朽化や費用の問題などでいまだ実現はしていません。(おそらくもう無理だと思います)

廃止までの経緯として、屋島への観光客減少と親会社の高松琴平電気鉄道(ことでん)が2001年(平成13年)に民事再生を申請した為、それ以降は支援を受けられず資金繰りが悪化してしまったらしいです。

駅の裏手にまわると廃止するまで活躍していたケーブルカーがそのまま目の前で眠っています。



ウォ~~。
何かスゴいなぁ~~~。



しかも車両が二両ありますよ。

一両は登山口から登った先にある「屋島山上駅」に置かれていた車両で、滑落防止で2013年1月に四国森林管理局香川森林管理事務所によって下へ移動させたみたいです。



何だかなぁ、元は動いていたのに。
このまま動かず朽ちていくのかなぁ。



日立製作所製造で、1の数字は「義経号」、2は「辨慶(弁慶)号」だそうです。
もちろんその愛称はここが源平で知られる屋島だからです。

話によれば、この車両も可哀想で、運行最終日に花を咲かせるハズが、ちょっとした出来事があったんですよ。



その出来事ってのが、2004年10月15日、別れを惜しんだ観光客約800人が最終運航を見届けようと詰めかけたのですが、運行前に電気系統のトラブル発生で停止したまま動かずに終日事故運休停止。

これが「弁慶の立ち往生」として最後にニュースで取り上げられるという何とも悲しい幕切れ。

そんな出来事があった屋島登山駅のケーブルカーを眺めながら、「祗園精舎の鐘の声、これも屋島の成れの果てか」と琵琶法師さながらに語りながら駅を離れるのでありました。