◇劣悪な装備に中国業者の進出重なり
(本紙特約=「デイリーNK」チェ・ソンミン記者)
[写真]咸鏡北道清津(チョンジン)市郊外の海岸
北朝鮮東北部の咸鏡道から、イカ漁業のため東海(日本海)に向かう北朝鮮漁船が過酷な環境での操業を余儀なくされ、人命に多くの被害が出ていることが分かった。
咸鏡北道に住む北朝鮮内部の消息筋は18日、デイリーNKとの通話で「今年、東海でイカ漁業を行った船のうち、30隻余りの小型漁船が沈没し、船員120人近くが死亡または失踪した」と明かした。このような事実は咸鏡道の海岸警備を担当する「27旅団船舶哨所(哨戒所)」が集計した2012年の失踪船舶統計資料を通じて確認された。
北朝鮮では漁船が出航する際に、所属地域の哨所で船舶と船員の出航登録が義務付けられている。また、帰航申告がなかった船は「事故船舶」に分類される。
イカの漁場としては、咸鏡北道漁郎(オラン)郡漁大津の沖が特に有名だ。同地域では最近、事故船舶が急増しているという。その原因は中国船舶による「根こそぎ操業」あるとされる。
◇沖へと追いやられる北朝鮮漁船
中国遼寧省の大連市で船舶会社を運営していたチャン・グムチョン氏は、2007年から200馬力以上の漁船数十隻を漁朗郡沖に進出させ、二艘曳き(二隻で一つの網を引く方法)でイカ漁業を営んでいる。チャン氏は植民地時代の1930年代、故金日成主席とともに満州で抗日武装闘争を行い命を落としたチャン・ウルファ氏の息子。故金正日総書記から直接許可を得て東海でイカ漁業を始めたという。北朝鮮ではチャン・ウルファ氏を抗日運動時代、金主席の命を救った恩人と紹介し、賞賛している。
中国船舶の進出によって、もともと10マイル(約16キロ)の範囲でイカ漁業を行っていた北朝鮮の漁船は漁獲量が急減。30? 40マイル(約48~64キロ)離れた公海まで出て操業するようになった。そのため、急な気象悪化による強風や高波の被害を受けることが多くなったという。
前出の消息筋は「北朝鮮のイカ漁船のほとんどは6~8馬力の伝馬船程度にすぎず、強風や高波で簡単に船体が傾き、浸水して沈没する。天気予報をまともに聞けないことも事故発生の主要原因だ」と説明した。
北朝鮮では小型ラジオを持つことが禁止されており、一部の家庭にある電蓄型ラジオも停電の影響で、まともに聞けないことが多い。当局は台風などによる気象警報を発する以外、天候による操業制限措置を設けることはほとんどない。
このため、4、5人のグループが小型漁船で夜間操業をしている際、沈没や遭難の危機に遭っても通信手段が無く、救助を受けられない場合が多いという。
◇6月から10月がイカ漁業のシーズン
先月28日、日本の新潟県佐渡島海岸で5人の遺体を乗せた北朝鮮籍漁船が発見された。今月12日には島根県の海上で、エンジントラブルにより漂流していた4人の北朝鮮漁民が救助された。韓国の海上警察も13日、鬱陵島近海で漂流中の北朝鮮漁民3人を救助し、彼らの意思に従い北朝鮮に帰還させている。
前出の消息筋は「毎年6月中旬から10月までの4か月にわたるイカ漁業シーズンのあいだ、漁民たちは命懸けで操業する。飢え死にしないためには冥土の海にでも行くという覚悟で、好条件の漁場を確保するために必死だ」と話した。このような競争は食糧難が続くに従い、次第にし烈になっているという。
韓国に住む咸鏡南道出身の脱北者のキム・ミンチョル(仮名・55)氏は「夫や息子が海に出て行った家族は、明け方から埠頭で船が帰ってくるのを待つ。船が1か月以上戻ってこない場合は、葬式を出すことにしている」と説明する。
住民が事故の対策を要求しても、北朝鮮政府は「本人の運命」として見て見ぬふりだという。キム氏は「北朝鮮は住民の命に対する態度が韓国とは天と地ほど違う。住民が訴えても役人たちは『私が海に出たわけではない』という反応を見せるだけ」という。
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