【お金あるから
ご飯食べれるね?】
まだ携帯電話が普及する前の話。
乳飲み子抱えて主婦していたある冬に、
当時の友人に騙されて見知らぬ河川敷に
車で連れて行かれ、
そこで借金の申し込みをされた
時が修羅場だった。
元友人は、能面みたいな顔で言ったんだ。
「貸すまで帰さない」と。
周りは車も通らないし見渡す限り家は無いし、
電車の音なんかも聞こえない。
そんな中に人を騙してまで連れてきた
元友人の中に狂気じみた物を見た気がして、
恐怖からか寒さのせいなのか
震えたのを覚えてる。
何より子どもに何かされないか、
寒空の下に長く居ては風邪を引かせて
しまわないか、
そればかり気になってアッサリと
お金を貸してしまった。
と言っても、帰りに支払う予定だった
光熱費の3万だけだけど。
元友人は随分早くに子どもを産んでいて
当時5才くらいだったけど、
帰りの車の中で
「お金あるから、
ごはんたべれるね!
あしたはだれにおかねもらう?」って
言っているのを聞いて密かに涙を流したよ。
その後の交流はなかったし、
私にしてみれば貸したと言うより
あげた感じです。
まさか、身近に貧困な人たちが
いたことに驚いたし、悲しかった。
もしかしたら本当に
修羅場だったのは私では無く、
この子の今後の
人生だったのかもしれない...
END
♪













