白い光が肌を刺すように振りそそぐ。太陽の光は、子供のころから赤とかオレンジで表現することが多い。しかし、現実は、白い。日陰から見る太陽の光は、たしかにきれいだ。いったん、ふりそそぐ光の中に身をおけば、針が降ってくるような感覚さえ覚える。わかっているのにヒトは惹きつけられる。でも、今日は、違う。この20年の彼女との思い出をゆっくり一人で振り返るためにここにきた。目の前は、南の島のリゾートと同じきれいなビーチだ。こんなに素敵な場所なのに他に人はいない。カサカサと音が聞こえるが紫色の手をした「やどかり」がせっせと移動している。青い空が広がっている。ゆっくりとした時間が流れているはずなのに、都会に戻ると1年過ぎているような感覚さえ覚える。ふと、浦島太郎が行った竜宮城は、どこかの南の島だったのではないかということを疑わなくなった。そして、ここにいると目の前の海から船にのった彼女が現れる気がする。あの笑顔で・・・