東京電力は24日午後、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めた。廃炉と福島の復興のために先送りできない課題として、海洋放出の方針を決めてから2年余り。政府は放出計画が「国際的な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)の包括報告書などを基に、安全性を訴えてきたが、風評被害を懸念する漁業者の反対を押し切った形だ。
東電は最終的なトリチウム濃度を測定し、東電が設定した放出基準の1リットル当たり1500ベクレル未満(国の基準の40分の1)を大きく下回る最大63ベクレルだったと発表した。
第1原発の廃炉完了まで約30年続く計画。岸田文雄首相は放出開始を決めた22日の関係閣僚会議で、風評対策に関し「数十年の長期にわたろうとも、政府として責任を持って取り組む」と強調した。政府は放出に反発する中国に「科学的観点からの意思疎通」を呼びかけるが、隔たりは大きい。引き続き、国内外の不安解消に粘り強く取り組む覚悟が求められる。










