2014年の舞台「あんた十手もった?」の稽古場での一コマです。実はジェームス三木さんとは作家・脚本家としてだけではなく、舞台の演出家として、何作もご一緒しました。
出会ったのは、1974年のTBSドラマ「私という他人」でした。気鋭の脚本家ジェームスさんも私も、若く、エネルギーに溢れていました。多重人格のヒロインを演じて大好評をいただいた思い出深い作品です。・・・もう半世紀以上前なのね。
その後も何本ものドラマで「脚本家・ジェームス三木」さんやサプライズ出演の「俳優・ジェームス三木」さんとご一緒しましたが、2005年に初めて「演出家・ジェームス三木」さんと出会いました。
明治座で好評だった私の舞台「日本橋物語」の二作目をお願いしたところ、「自分で書いた作品は自分で演出したい」と強く望まれ、女流作家・長谷川時雨の半生を描いた「日本橋物語Ⅱ~恋しぐれ」が誕生しました。
翌2006年には「日本橋物語Ⅲ~最愛のひと」でも作・演出。私にとっては、もはや「演出家・ジェームス三木」さんとのお付き合いは日常となりました。
NHK時代からジェームスさんとご縁のあった高橋康夫のプロデュースで、2014年に三越劇場で上演された「あんた十手もった?」。隠居した銭形平次を支える女房という、設定を聞いただけで笑いが込みあげてくるような「作・ジェームス三木」さん書下ろし人情喜劇です。しかし、早替えあり、高らかな歌唱ありと、「演出家・ジェームス三木」さんの要求は、なかなか厳しかったですよ。
悪戯っぽく笑いながら、「三田さん、鼠小僧に変身してください」って。台本を書かれた作家が演出もするのですから、もう逃げようもありません(笑)。
思えばこれがご一緒した最後の作品となってしまいました。
ほんとうに長いお付き合いを
・・・ありがとうございました。






