略歴

日本

武村重和は、新潟大学講師、文部省教科調査官、学習指導要領の改訂、移行処置、全面実施、進捗状況の把握、学力評価、理科教育振興法の細目改訂で教師実験器具から児童観察実験器具機械の学校への導入、これに伴う子供の問題解決の授業運動、教育センターの全国設置に伴う理科指導の担当職員の全国組織の構築と研修、都道府県教育委員会理科指導主事を含む理科幹部の各地区での教育課程講習会、OHPを含む教育機器の研究指定校、その全国普及と活用講習会、地域や学校の特色ある取組を推進し、教育課程や指導方法の改善を目指す「理科研究指定校」やへき地教育の促進を目指す「へき地教育指定校」の助言指導、文部省小学校教育課編集『初等教育資料』の編集と執筆、その後、広島大学教授・名誉教授、教育学博士、科学技術会議科学技術人材部会専門委員(内閣総理大臣任命)、委員として地域の科学者や技術者や医師等が学校の講師として活躍する支援事業を提案し受け入れられた。理科教育及び産業教育審議会委員(文部大臣任命)に任命され、理科教育振興法施行令にある理科教育に関する施設・設備を整備しその充実を図り、児童の問題解決・生徒の探究の活動がより一層進展することに尽力した。とくに、小学校、中学校、高等学校の理科授業に必要な計量器と物理、化学、生物、地学の実験機械器具、および野外観察調査用具と標本について委員会は品目、品名、数量を新しく示した。昭和40年代、昭和50年代、平成時代に、日本の教育課程の基準である『小学校学習指導要領』理科の改訂作業に3回従事し、30年間にわたり、我が国の小学校理科の目標、内容、内容の取扱いなど、各学年の理科教科書、理科授業、学力評価などの基本の改訂に従事、日本教科教育学会会長、文部省指定教育研究開発学校運営指導委員長、広島市文化財団理事、啓林館小学校理科教科書監修、全国小学校理科教育研究協議会の県及び全国大会講師、日本初等理科教育研究会の県及び全国大会講師、ソニー理科教育振興資金受賞校連盟理科教育研究・ソニー理科教育振興財団財全国・地区研修会・授業研究会講師、都道府県の教育センター講師、子どもの理科自由研究:全国児童才能コンテスト文部大臣賞等最終審査委員、さらに、教育関係の月刊雑誌執筆の原稿依頼が多く、30数年間で469雑誌に執筆。名前が教育界に知れ渡るようになり、多くの教育関係の出版社から、単著,編著書、監修の図書の出版の依頼があった。アフリカのケニアでは、7年間滞在して、物理、化学、生物、数学の授業改善の教員研修資料を製本機で多数図書にして教員に配布した。この図書を含めると、私が関係した図書は、日本とケニアで和文と英文の図書で466冊このようにして理科授業の人的基盤、財政的基盤、制度的基盤を固め、理科教育の発展を図ることができた。これらの仕事の評価より文部科学大臣『科学技術賞』(理解増進部門)を受賞、日本理科教育学会・学会表彰、

海外

広島大学在任中の昭和53年から平成11年までの期間に海外から招かれ72回の海外出張、これらは文部大臣承認、広島大学長外国出張命令。国際理科学力調査IEA,(現在TIMSS)の第一回調査の時、日本の児童の学力は、世界第一位であった。その後の国際理科学力調査でも、世界で上位を維持した。世界第一位の時、武村は文部省の理科教科調査官で理科授業実施の責任者であったことと、30年間にわたり国の教育課程の基準である小学校学習指導要領理科の改訂に参加したこと、小学校理科教育諸団体の理科授業の講師ということで諸外国からの講演や共同研究の依頼が多くあった。ニューヨークにあるコロンビア大学で理科教育・理科実験の講師として働き、また、ニューヨーク・アカデミー・オフ・サイエンスにおいても客員研究員となり児童生徒が地域の科学者・技術者・医者などの社会諸施設に訪問して学んだり、専門家の学校訪問で指導を受けるなどの教育支援制度の実施に従事。日米では、日本学術振興会=アメリカNSF(National Science Foundation)支援日米理科共同研究日本代表研究者となり、中学生の理科思考力の比較調査を行い、どの学年においても日本の生徒の学力が高く、アメリカに衝撃を与え、アメリカに理科教育改善の動きを起こした。

その他、アメリカに本部のあるWCCI(世界教育課程教育方法協議会)国際理事及び会長、この間、オランダ世界大会、スペイン世界大会、カイロ世界大会、インド世界大会、タイ世界大会を成功させた。この功績によりWCCI世界教育課程教育方法協議会から、『会長殿堂入りメダル』が授与された。

また、アジア太平洋地域各国;中国、インド、インドネシア、バングラデイッシュ、マレーシア、ネパール、パキスタン,フイリッピン、タイなどの各国において、長年、国連ユネスコ事業の理科教育と教員研修事業の講師、その結果、国連ユネスコよりアジア各国の教育向上に貢献『フェロウアセイド賞』受賞。その他、国連では、国連教育科学文化機関ユネスコ・ユニツイン・チェア理科教育世界拠点大学講座主任教授(事務本部フランス・パリ)、世界17か国の教育課程と理科教育に関する調査を行いその成果を各国関係者に報告した。

退職後、7年間にわたりアフリカのケニアで、日本国際協力機構JICAアフリカ・ケニア国『中等理数科教育強化計画プロジェクト』実施を担当した。理数科教員研修制度を0からスタートさせた。全国各地に教員研修センターを103箇所設立し、研修事業を全国に広げることを支援した。『アフリカ数学科・理科・技術科教育センター』を創設し、全国各地の助言指導者・講師をここで研修した。日本側のチーフアドバイサーは、杉山隆彦氏、武村重和は、アカデミックアドバイサーであった。8-4教育制度の後期4年間の物理、化学、生物、数学の全教員の研修と指導主事及び校長の研修とその効果の評価が主な仕事であった。研修組織の運営、研修資金の確保、研修資料の作成、研修方法、研修評価、生徒の学力調査、教師・校長への研修効果の調査について指導助言を行った。地域の保護者や教師の支持などにより研修活動は軌道に乗った。教育評価のタスクフォースは、研修評価で、研修の妥当性、効率性、有効性、自立発展性、インパクトをとらえた。日本に帰国後も、広島と北海道のJICAセンターでアフリカ各国の教育指導者の研修事業でも講師となった。滞在中に創り上げた人的基盤と制度的基盤と財政的基盤の構築が生きて働き、ケニアで高く評価され、最近、アフリカのこの教員研修所の国立図書館が『タケムラライブラリー』と命名、グレートムゼー(偉大なる長老)となった。ケニア国に何と言って感謝の言葉を申し上げてよいのか適切な言葉が見つからない。