グルタミンは、人の体内にあるアミノ酸としてはメジャーです。
血中にはもっとも多いアミノ酸です。
食べ物としては、「うまみ」成分です。
人の脳の働きで、神経伝達物質であるグルタミンは、とても重要な役割を持っています。不足すれば、かなりひどい神経症状が出現しそうですが、体内で糖から生成することができるので、あまり注目されていません。
医学界では、不思議と注目されづらい物質です。
グルタミンと精神科疾患との関係があるようですが、精神科疾患が不明な部分が多く、そのために、グルタミンとの関係も今ひとつです。
精神科疾患のような症状が継続的に出現していれば、明らかな病気ですが、精神症状は、外因ストレスと内因ストレスの相対的な関係で出現するとされているので、診断が難しくなっています。
例えば、身近な親族の死などの強い外的ストレスがかかれば、多くの人に精神症状が現れます。この症状が、継続するかどうかはすぐには分かりません。
すると、こんなふうに考えることもできます。
「体内の何かの物質が欠乏した時に、精神症状が現れる。欠乏が継続的ならば、継続的に精神症状が出現する。」
脳の何かの故障ではなくて、体内物質の何かの欠乏が原因で、故障のように見えているだけかもしれません。
こんなことあるのでしょうか?
有名なものに肝性脳症があります。
肝硬変などで肝臓機能が低下したため、体内のアンモニアが増加するアンモニア血症になります。アンモニア血症の症状として、異常行動が出現します。
体内のアンモニア処理で重要なのがグルタミンです。グルタミンは体内アンモニアを処理してできる物質です。
ところが、グルタミンは少しだけ面倒な側面を持っています。
小腸のエネルギー源として活用されるのです。小腸のエネルギー源としてグルタミンが消費されると、血中にアンモニアが排出されます。この排出されたアンモニアを肝臓で、グルタミンにします。身体のある臓器で、アンモニア処理のためにグルタミンが作られ、逆に他の臓器でグルタミンが消費され、アンモニアが作られています。
必要なだけグルタミンを作り、必要なだけ消費すればいいのだから、何が面倒なの? となるのですが、「必要なだけグルタミンを作り」が、ポイントになります。急激なエネルギー消費が必要な時、つまり、急激なストレスがかかったときに、グルタミンが消費される方が、生成する寄りもはるかに速く進行します。すると、相対的に体内グルタミンの貯蓄量は減ります。この減る量が重要だと考えています。
先のアンモニア血症も、肝硬変などでアンモニアからグルタミンを作り出せないことが原因ならば、アンモニアが高いことよりも、グルタミンが低いことの方が大きな要因になるかもしれません。
こんな仮説を基に、いろんな資料を集めていきたいと思います。