初めて訪れた警察署のロビーで
わたしは何時間も、何時間も同じ椅子に腰掛けたまま、ただ座って目の前の景色をぼーっと眺めていた。
どんな表情をしていただろう。
きっと、死んだ魚のような目をして無表情で行き交う人々を見ていたんだろう。
たくさんの人が、訪れては用事を済ませ帰って行く。
気が付いたらお昼になっていて、勤めてる方が頼んだのか、いくつかの出前が届き出して
人も少なくなって
それでもわたしは同じ場所に座って
ただただ彼のご両親が来るのを待っていた。
警察署の方から、朝1番の飛行機で来ると聞いていた。
そろそろ到着するであろう、会ったことも話したこともない彼のご両親を待っていた。
32歳、夏の終わりに起きた
わたしの人生で最大の悲しい出来事。