満月の約束が
わたしたちを結びつけている
水の奥底から
聞こえるような
くぐもった音が
それを 思い出させる
でも その意味を 知ることは できない
水の神たちよ
わたしたちの声が聞こえますか
満月の約束が
わたしたちを結びつけている
水の奥底から
聞こえるような
くぐもった音が
それを 思い出させる
でも その意味を 知ることは できない
水の神たちよ
わたしたちの声が聞こえますか
雨があがっていたので
湖の ほとりに
たてた 2つの傘
それが まるで 入水心中した 恋人たちのもの みたいで
笑った
結ばれなかった 恋人たち
いや 結ばれたのだろうか
別の世界で
そんな風に ひとを愛するとは
どういうことなのだろう
湖の淵に沿った
細い道を歩いた
いつのまにか 霧が晴れていた
まるで 夢から覚めたようだった
水が小さく揺れているのを見た
小さな波紋が 無数に 出現して
波紋と波紋が やわらかくぶつかって
また 新しい波紋を つくりだすようすを みた
水面全体に 美しい幾何学の文様が表れて
まるで りゅうの 鱗の ようだった
音もない 世界で
おきていること
かえりみちは ほとんど なにも 喋らずにあるいた
切なさが むねを
おしあげてくる
その速度より
はやく 歩かなくては
見上げても
てっぺんが空にとけて見えないほど高い木々の
木立のなか
わたしたちは歩いた
真っ白な霧が
すべてのものの境目を
曖昧にしていた
抱えきれないほどの
大きな樹の幹には
幾種もの 苔が
生えている
深い森のなか
わたしたちは 歩き
そして 何度も立ち止った
霧が風に吹かれて
木々の間を抜けていくのを
ただ 眺めていた
心のなかは とても静かだったけれど
でも そのなかで
うねるもの
流れていくもの
を 感じていた
水面は静かだけれど
その下に 動いている何か の気配を
感じながら
霧を観ていた
甘酒
土地の持つ歴史に思いを馳せる
偶然が重なって導かれたその場所もまた
水の神たちの 空間
わたしたちの内側の 水 と 響きあう
水と水が振動しあっている
水と水が
呼びあう