side Kitahoro 5
ふぅー
ピンは一人 テラスの柵に身体を預け 煙草を吸っている
あやねとの濃厚な情事で 火照った身体を冷ますために…
あやねと心を通わせ あやねの身体を知ってしまった今 手放すのは容易ではない ずっと抱いていたい 離したくない
「ふっ ガキか 俺は… 」
あやねは今日の便で東京に戻る 次に会えるのは正月だろう
ふぅー
「正直 ツライな」
これから始まる遠距離恋愛が お互いにどう影響して どうなるのか計り知れない
*******
「ピ…ン ?」
夜中に目を覚ましてピンを探すと テラスへと通じる窓が開いていて レースのカーテンが風に揺れている かすかに煙草の匂いがふわりと香った
ピンはテラスの柵に身体を預け煙草をふかし佇んでいる
その姿がなぜか寂しそうで泣けてきた
「ピン」
あやねはピンの背中に抱きついた
「どうした? 泣いてるのか?」
ピンは驚いてあやねの顔を覗き込んだ
「ピン 好き 離さないで」
「離せねーよ」
夜が明ければ一緒には居られない
この事実が二人をより燃え上がらせた ピンは全てを飲み込むようなキスであやねの口内を掻き乱す
あやねはたまらず顔を背けた ピンはそれを許さず 両手であやねの頬を挟んでキスを繰り返した
そうして 二人は名残を惜しむように身体を重ね合わせた
*******
「あやね 頑張れよ」
「 … 」
「次は 正月か」
「 … 」
「おまっ なんか言えよ」
「 … 」
「ピ…ンっ ぐすっ 好きっ」
「泣くなよっ」
あやねの頭を撫でた そして 優しく抱きしめた
「大丈夫だ お前は大丈夫だ」
「俺も大丈夫だ」
ピンはニカッと笑った
あやねは その笑顔を胸に 澄み切った秋晴れの空に機上の人となった
ピンは空を見上げた… 雲の切れ間に飛行機雲が走っていた
fin
