最判平成18年2月23日民集60巻2号546頁で考える
民法94条2項の類推適用と民法110条の法意理論

(事例)

X→A→Y(所)
① ②

但し①の所有権移転登記について、Xは同意なし。しかし、登記済証(a)をAに預け、さらに印鑑証明書(b)と実印(c)を手交。また、①についての登記申請書に実印を押印。この際に使途を問うことなく漫然と見ていた。

XとYはどちらが所有者?

(検討)
Xについて、登記済証を預け、虚偽の申請書に実印を押印、印鑑証明書を手交。(所有権移転登記について登記義務者が提出する必要のある添付書面です。)
このことから、余りにも不注意な行為をもって、虚偽の外観作出につき帰責性あり。これらは自ら外観の作出につき積極的に関与したと認めうる事実と思われる。なので、民法94条2項の類推適用により処理することも可能であるが、判例は民法110条の法意を併せて類推適用している。これは、Xが不実の登記についての承認がある場合の帰責性があることから民法94条2項の類推適用をし、他方で、民法110条の法意の類推適用によりYに善意だけでなく無過失を要求することでバランスをとっている。

これを立証責任という視点からみるとおもしろいけど今日はここまで。