本日はtsuoriiを応援してくださった皆様へ、妻の佐藤香織にかわり、夫である私からご報告があります。

2月1日、tsuorii 佐藤香織は病気の為、亡くなりました。

約六年間に及ぶ闘病生活は、苦しくもありましたが、主治医の先生をはじめ、本当にたくさんの方に支えて頂き、最期まで妻らしくイキイキとした生活を送れていました。

今年に入り、病状が悪化してしまってからは、ご予約のキャンセルをしてしまうなど、不本意な事もありましたが、その度に皆様は暖かいお言葉で妻を励まして下さいました。


そんな暖かい皆様に支えて頂いたからこそ、妻はtsuoriiとして輝き続ける事ができました。 大変感謝しております。


妻はこの病気になってしまってから、抗がん剤治療により、女性にとって命とも言われる髪の毛を失ってしまい、ひどく落ち込んだ時期もありました。髪がごっそりと抜ける事を恐れ、夫婦泣きながら私がバリカンで妻を丸坊主にした事もありました。

そんな時、妻は元美容師という経験から、自分に似合うウィッグをすぐに見つけ出し、自らカットして自分の頭に馴染むウィッグを作り上げました。
これがウィッグ専門美容室tsuoriiの始まりでした。  

それからと言うもの妻は様々なウィッグを購入してはカットし、より自然に見えるように工夫を凝らしながら改良を進めて行きました。

闘病生活中、そのウィッグを被り病院にいくと、同じ闘病中の方々からウィッグという事を驚かれ、是非自分にも作って欲しいと言われるようになりました。

実際に作って差し上げた所、ひどく喜んで頂き、闘病中の方々が笑顔になり、女性として輝いている姿を見た妻は、同じ境遇で困っている方々をもっと助けたいとtsuoriiに打ち込んでいったのです。


妻は自分の治療もある中で、患者様一人一人に真摯に向き合い、その方の雰囲気にあったウィッグ作りに命を掛けました。
ウィッグが出来上がり、被って頂き、患者様が本来の笑顔を見せて頂けるその瞬間に、大変大きなやりがいを感じていました。
それが妻の原動力になっていたのです。


最近では、参加させて頂いていたピンクリング様のパンフレットにご紹介を載せて頂いたり、ニュース番組の取材にも来て頂きました。  妻は輝いていました。


病気はとっても恐ろしく、不幸に捉えられる面の方が多いですが、妻はこの病気になってから、家族をはじめ、周りの方々の暖かさに再度気付かされたと言っておりました。
普段何気なく過ごしていた日々が病気によって、感謝で溢れる日々に変わっていたのです。    普通にご飯が食べられる幸せ、普通に歩ける幸せ、普通に会話ができる幸せ、病気にならなければ気にも留めないかもしれません。


妻はもうtsuoriiとしての活動はできませんが、まだまだ病気に苦しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。  そういった方々の苦しみが少しでも薄れ、少しでも社会へ戻れるような体制の整備や、取り組みが全国、全世界各地で行われる事を、妻と一緒に願っております。


今までtsuoriiを応援してくださり、本当にありがとうございました。