「エコロジカル・ダイエット」を読んで
《われわれは、心の内なる慈愛の声を、決して沈黙させてはならない。人間をほんとうに人間たらしめるのは、生きとし生けるすべてのものに対する慈悲の心である。》(アルベルト・シュヴァイツァー)
子供の頃に身につけた動物に対する姿勢は、普通一生を通じて変わらないという。
そして、動物の扱い方を見れば、その人がどう人間に対応するかも概ねわかってしまう。
凶悪犯の多くが、その幼少時に動物虐待をしている話は有名である。
動物虐待をする子供が凶暴な犯罪者になる可能性も、虐待しない子供よりもはるかに高いのだ。
そして実は、その逆もあるという。
つまり、犯罪者であっても、命を軽視する態度を改めることができる。
『釈放が近づいた服役者には、自分の部屋でペットを飼うことを許可するという、心温まる試みがなされた。その結果、「ネコを優しく、大切にあつかった服役者は、釈放後、例外なく社会に適応することができた」という』(本文23ページより抜粋)
動物は、間違いなく人の心を癒してくれる。
それは、動物が無条件に人間を信頼し、どんな人間も差別しないからなのかもしれない。
人と人との関わりで傷つくことはあっても、動物に心を傷つけられることはない。
慈悲の心は、動物から学ぶところが大いにあるのではないだろうか。