
異様な存在感をもってして右の手の平に昔から居座っているこの黒い点。
今は皮膚に埋もれて薄くなってきたけど、
実はこれ、
鉛筆の芯なのです。
忘れもしない、遡ること10年、えりちゃん9歳の夏。
おるすばん中のえりちゃんのもとにお電話が。
かしこくて気がきくえりちゃんは用事をメモすることをたのまれます。
ていねいにお電話を保留にし、えんぴつとメモを手にとってお電話口に向かったしゅんかん、
なんということでしょう
ソファーの角に足をぶつけて
えりちゃんみぎななめ45度に転倒
ひだりてのえんぴつでみぎのてをぶすり
さしてしまいました。
「いたい!」
でも電話口でまっているあいてがいます。
えりちゃんはなにもなかったかのようにえんぴつのしんがささったままお電話にでます。
そしてていねいにお電話を切りみぎの手のひらを見たところ
あれれ
しんがないよ
そうです
えりちゃんの手のひらにささったえんぴつのしんはずいぶん奥まで入ってとれなくなってしまったのです。
えりちゃんはこわくなってわんわん泣きました。
わんわん泣いたら眠くなってきました。
えりちゃんは電話口のよこでそのまま寝てしまいました。
起きるとえんぴつはえりちゃんの一部となっていました
泣いてすっきりしたえりちゃんはそのえんぴつと生きていくけっしんをしました
おわり
「えりちゃんのてのひら」
出版日:2010/01/23
出版元:腹八分目出版
著者:えりちゃん
編集者:アンジゥラ・J・パッカー




