育児書をいろいろ読んでいた中で見つけた本。

「『子供のために』を疑う」。

 

育児書って、

「こうすれば賢い子に育つ」とか

「こうすれば東大に入れる」とか、

「国際的に活躍できる子に育つ」とか、

そういう方面で書かれた本が多いので、

ちょっと異色な育児書。

「子どもに期待するな」ってことが書かれた本です。

 

 

 

 

 

 

 

子育てを頑張っている親御さんは、

全員、

「子供のために」と思ってやっているのだと思います。

でも、

それは本当に子供のためになっているのか。

私の親が何十年か前に読むべきだった本。

 

著者は、

中学受験塾の経営を経て、

ニート支援のNPOを立ち上げた人。

中学受験に失敗した親子、

私立中学に行ったけど、

授業についていけなくて退学してニートになった子など、

40年間にわたって4000組を超える親子を見てきました。

 

私立中学は、

学校は公表していませんが、

1割~3割の子が勉強についていけなくて退学しているそうです。

私立中学を退学して著者のNPOに来る子どもは、

よい中学に合格したということでプライドが高いのに、

自己肯定感が異常に低く、

復帰が困難な子が多いとのこと。

 

著者は、

中学受験自体に反対しているわけではなく、

ムリせずに、

子どもの学力にあった学校に入れること。

その中学で、

真ん中以上の成績でないならやめたほうがいい。

そして、

受験勉強は6年生になってから始めるくらいでいいのだと言っています。

 

受験を目指す人は、

そんなことでは間に合わない!

と思うのでしょうけども。

今は幼少期から無理しすぎて、

受験の頃に息切れしている親子が多すぎるとのこと。

 

アメブロ内でも、

中学受験をしている人のブログは多いです。

偏差値に一喜一憂して、

読んでいると私自身がつらくなるので、

基本的には見に行きません。

 

私は中学受験はしていませんが、

母親は、教育熱心な毒親でした。

自分の子どもにそんな思いはさせたくないと思っています。

子どもには子どもの人生があるからです。

 

でも私の親や

多くの親が、自分の価値観に凝り固まっている。

将来は安泰な立派な企業に就職してもらいたい。

そのためにはよい大学に入れなければ。

そのためには偏差値の高い私立中学に入れなければ。

と、レールを敷いて行く。

 

自分の思う理想の子どもに育てあげようとすると、

必ず子どもの心に歪みが生じるとあります。

私自身がそうです。

歪みました。

 

あんなに習い事にお金をかけたのに、

もったいないことをした。

と言われたことがあります。

ほんとうはやめたかったのに、

親の期待があったから、

言えなかっただけなのに。

 

今でも、ほんとうは傷ついたという言葉がたくさん思い出せる。

母親は何気なく言っていて、

傷つけるために言ってるわけではないから、たちが悪い。

自分の子育ては正しかったといまだに言うことがある。

本当にたちが悪い。(繰り返してしまった)

 

同じように、

現在教育熱心な親御さんは、

「子どものために」と思ってやっている。

自分のやり方は、

絶対正しいと思ってやっている。

だから、たぶんこういう本は読まないと思う。

そうすると、この本の存在意義ってなんだろう。

当事者は絶対に読まないのに存在する本。

 

親の期待が、

子どもにとってどれほど重く、子どもを歪ませるか。

私は身をもって知っています。
 

私は、

佐藤ママが、子ども4人を東大に入れたのは、

彼女の子育てがよかったからではなく、

東大卒の弁護士の立派な遺伝子があったからだとしか思っていません。

 

この本には、

「子育ての結果は偶然である」とも書かれてます。
親の育て方や塾などの環境は、

子どもの学歴にはある程度しか影響を与えられない。

どんな有名塾でも、

塾生全員を東大に入れることはできません。

 

親や塾がどんなに頑張っても、

成績はある程度あげるのが限界ですが、

でも、

子どもが生涯幸せに生きていくために、

親の適切な関りは必須です。

子どもの幸せに、

大きな影響を与えます。

 

例えテストの点が思ったより悪くても、

「1年前より成長している」ってことを、

しっかり誉めてあげられるお母さんでありたいと思う。

子どもの存在自体を肯定してあげたいと思う。