桜
桜の木の下で、2人、花びらに埋もれるようにして、座っていた。
2人、肩を寄せあい、散る花をじっと見ていた。
手を握って。
「綺麗だね」
男の方が言う。
「とっても、凄く綺麗ね」
女の方も言う。
2人の佇む木に向け、緩やかな風が吹く。
花がいっそう散る。
「宏武、」
「…何、良子?」
女が尋ね、男が応える。
「こんなに桜が散ってると、何だか雪の中にいるみたい」
女は口角をついともちあげ微笑みながら言う。
「でも雪ほど寒くは無いね……桜がどんどん積もってる」
ふいに握る手に力が入る(だがとても微量であった)。
「…良子?」
その微量な変化を気にしてか、桜から目を女へ移す。
「宏武、私は、どんどん寒く成ってきた…」
女が微かな声で言う。
そっと男が女の肩を抱き寄せる。
「温かく…成るかな…」
「うん」
女はその言葉と共にこくりと頷いた。
桜を見る2人。
体にはどんどん桜が積もる。
「良子…」
今度は男から言う。
男の腕に力が入る。
「愛してるよ」
「ええ、私も」
桜をがバラバラと散る。
「愛してます」
散った桜が女の髪や服にかかる。
雪のように白くなった顔の上に桜がかかると桜の色がほんのり栄えたのが見えた。
「良子…、良子」
「君が好きだ、とても好きなんだ」
「愛してるんだ」
「…だから、だから、1人にはしないで呉れ…」
「良子………」
男の頬に涙が伝う。
桜が雪のように舞う。
女の体の冷たさが男の皮膚にひやりと触れた。
2人、肩を寄せあい、散る花をじっと見ていた。
手を握って。
「綺麗だね」
男の方が言う。
「とっても、凄く綺麗ね」
女の方も言う。
2人の佇む木に向け、緩やかな風が吹く。
花がいっそう散る。
「宏武、」
「…何、良子?」
女が尋ね、男が応える。
「こんなに桜が散ってると、何だか雪の中にいるみたい」
女は口角をついともちあげ微笑みながら言う。
「でも雪ほど寒くは無いね……桜がどんどん積もってる」
ふいに握る手に力が入る(だがとても微量であった)。
「…良子?」
その微量な変化を気にしてか、桜から目を女へ移す。
「宏武、私は、どんどん寒く成ってきた…」
女が微かな声で言う。
そっと男が女の肩を抱き寄せる。
「温かく…成るかな…」
「うん」
女はその言葉と共にこくりと頷いた。
桜を見る2人。
体にはどんどん桜が積もる。
「良子…」
今度は男から言う。
男の腕に力が入る。
「愛してるよ」
「ええ、私も」
桜をがバラバラと散る。
「愛してます」
散った桜が女の髪や服にかかる。
雪のように白くなった顔の上に桜がかかると桜の色がほんのり栄えたのが見えた。
「良子…、良子」
「君が好きだ、とても好きなんだ」
「愛してるんだ」
「…だから、だから、1人にはしないで呉れ…」
「良子………」
男の頬に涙が伝う。
桜が雪のように舞う。
女の体の冷たさが男の皮膚にひやりと触れた。
