4月5日。

本当は父の田舎で節句のお祭りがあるはずだった。

けれどコロナのおかげで中止

でも、父も楽しみにしていたのでレンタカーで家族そろって田舎に行くことにした

出かける直前になって、父は不安になったのか行きたくないと言い出した

けど、みんなで協力してなんとか車に乗せて出発～～

前日はめちゃめちゃ暖かかったのに、その日だけめちゃくちゃ寒かった

けれど、かえって強烈な思い出になるんじゃないかと前向きに考える(笑)

寒くても万博公園の桜はキレイです

長らく遠出をしていなかった父に「桜やで～～」と声を掛けたら、無言で車窓を眺めてた

田舎にやってくると山桜がキレイ

植えられたものではなくて自生した桜の強い美しさを感じる

まずは父親の友人の墓参りへ

ポツンと咲く3本の桜がキレイだった

足元には蓮華や

すみれ

菜の花と、春の花がいっぱいなのに、風が冷たくてめちゃくちゃ寒い～～～

久々の田舎だったので、父のリクエストに応えて思い出のある村に行ってみたら、過疎化して閉鎖されていた

時は流れる時代は変わる。

いつまでも同じものってないんだなと実感

お昼ご飯は、いとこ夫婦たちがBBQを用意してくれたけど、超寒いのでBBQの火で暖をとるという感じ(笑)

それでもみんなで食べるのが嬉しかったのか、いつもは「寒い寒い」という父が、一度も「寒い」と言わずにず～～～っと車いすに座って食べていた

私の方が寒さに負けそうだった

途中、4月生まれの叔母と父のために従妹がサプライズでケーキを持ってきてくれた

嬉しいくせにポーカーフェイスでろうそくの火を消した父

22日で83歳になる

父はず～～っと現役で仕事をしてた。

けど、2年半前に悪性リンパ腫にかかり、完治したと思っていたら、1年半前に癌が脳に飛び脳腫瘍と診断された

抗がん剤や放射線で治療して、なんとか癌の拡大を抑えることができて一安心。

そしたら、今年の3月にまた大きくなっていて、もう手が施せなくなってしまった

そこからの衰えの速度はすごかった

1週間単位で足が動かなくなり、家族での介護は難しくなってしまった

できたら、アメリカに住んでいる妹たちが帰国するまでは、なんとか家で介護を頑張りたかった。

でも、コロナのおかげで国交も途絶え、妹たちの帰国の可能性は消えた

そして、そばにいる私たちももう限界だった

なので、田舎に行った翌日から父は施設に入所した

デイサービスに出かける父を実家で見送り、施設で迎えた。

父は脳腫瘍のおかげで軽く認知症状も出てきていて、でも、それでも施設に入るのはイヤそうだった

これまたコロナのおかげで、住居型介護施設にもかかわらず、家族でも玄関で短時間しか会えない

施設を去る時に見た父のションボリした後姿が忘れられなくて、軽い罪悪感が残った。

なんで、このタイミングでコロナと思う。

それがなければ妹たちだって帰国できたのに。

それがなければ施設の部屋に会いに行くこともできたし、父の友人たちもたくさん会いに来てくれたのに。

突如降って湧いたコロナウイルスのおかげで、猛烈なやるせなさを覚える。

でも、大林監督が肺がんのステージ4で余命3カ月と宣告されたのに、3年8カ月存命されていたことを聞いて少し気持ちが明るくなった

なんとかコロナの終息まで父に頑張ってもらって、妹夫婦と甥っ子たちが無事帰国して会えますように

今はただそれだけを願う

帰り道、山垣畜産でコロッケを買いに行ったら、川沿いの桜が見事だった

今年の桜はキレイで切ない

切ない桜