2社目に入社した会社は某アパレルメーカー。

詳細は省くが、私が所属するのは東京の支店。そこで企画営業として勤務することになる。憧れのアパレル企業の本社職に胸踊る。

底辺ホモの配属先はOEM業を生業とする部署で幅広いテイストの商品に関われるのが魅力だ。

企画営業と言っても主軸の仕事がソレというだけで、かなり少人数体制の現場だったので仕事の幅は多岐に渡る。雑務も全部各々がこなす。裁量持って働くことができるのも魅力の一つに当初は感じていた。


ここで底辺ホモの待遇面の話。(前職の待遇はpart1参照)

基本給に加え固定残業代が含まれる。大体月の手取りで30万弱。そこに夏期冬期の賞与が含まれてくる。年収ベースで言うと前職から100万以上アップする

予定だった。


この会社では研修期間というものが半年設けられている。研修期間中は研修期間の待遇で半年間働くことになる。手取りで言うと月20万ほど。半年の研修期間が終了して本採用となって初めて上記のお給料がいただける。

底辺ホモが入社したのは2019年の11月。半年後というと2020年の5月。

もうお気づきですか?新型コロナウィルスの世界的なパンデミックですね。

そんなこと入社当時はもちろん知るはずもなく。半年後の正社員登用に向けてがむしゃらに働く日々。仕事ははじめてのことばかりで楽しかったし、なんでもチャレンジさせてくれる会社だったから日々充実していた。上司や先輩も本当にいい人たちばかりで、毎日が輝いていた。


2020年の3月、専務から社員全員に一斉送信で送られたメールがあった。

"コロナで全員昇給ありませーん。ごめんなさーい!!"

文章こそはもっとかしこまっていたが、端的にいうとこんな感じ。

ん?正社員登用と昇給は別?と疑問が湧く。

もちろん同じ扱いだった。

そんな処遇と裏腹に、正社員宜しく仕事は増えてゆく。

半年間の研修期間を終えた底辺ホモには予算が設けられることとなる。

それまでは先輩のアシスタント的なお仕事でツーマンセルで営業に同行したり、企画案を出したり、というのがメインの仕事。

それが担当の取引先が何社か割り当てられ、担当に関しては1から10まで1人でこなすことに。もちろん今まで同様、先輩のアシスタントもしつつ。もともと仕事量もそれほど多くなく、アパレル企業にしては珍しく、部署全員がほぼ定時退社する恵まれた環境だったので全然頑張れた、というかもっと頑張れそうなくらい。コロナショックがいつまで続くか検討もつかない状況の中、来年こそは昇給ありますようにと仕事に邁進する。


2020年8月。夏期賞与支給の日。明細をみて驚愕した。

1万円…。

もちろん"業績による"というと但し書き付きの求人票からすれば1万円でも支給されるだけありがたいんだけど。それでも底辺ホモの所属していた部署は毎月予算を達成していたし、昨対も超えていたから少し期待していた。

そんなことがありつつもまだまだ打たれ強い底辺ホモ、2年目の昇級に向けて毎日頑張ってた。先輩から引き継いだ取引先の売り上げを大きく伸ばしたり、企画案も毎日出してサンプルアップしたり。オフィス内の雑務も新人らしく率先して動いたり。あの頃の底辺ホモ、すげー頑張ってたなあ、と自画自賛しちゃうくらいに。


2021年4月、もはや昇級に関する通達すらなく新年度がスタートした。

もちろん昇給はなかった。


続く