SideJ


最初は純粋に楽しくやれてたと思う。

目標ができてそれに向かって突き進む感じは達成感があって完成する度にもっといいものをって思ってた。


でも、国立競技場でコンサートができたり人気が上がったりして。


うん、それは嬉しいしありがたいこと。


もちろん、嵐としてはまだまだ上はあると思ってる。だから頑張ってはいるけど。

上手くいかないというか後輩に背中を見せていても見せきれていないのか後輩のコンサートの足を運ぶ機会が増えた。


「潤くん、どうしましたか?」


今日は後輩のアドバイスで後輩のライブのリハーサルを見ていた。


「なんでもない」


後輩に教えることって難しいことなんだ。

俺は教える側には向いてないのは分かってるけど期待されて頼ってくる後輩を無理に断ることなんかできない。


こうした方がいいんじゃないかああした方がいいんじゃないかってアドバイスをする。


でも、嵐とは違う訳だから何でもかんでも口出しするのは違うと思うからって考えるとどこまで教えたらいいのかアドバイスをしたらいいのか分からなくて悩む。


「先輩、帰った方がいいですよ」


「え?」


「顔色悪いです。 僕達は大丈夫です。 先輩に沢山アドバイス頂いたので」


最近、寝れないことが多くて顔色が悪いと言われてもおかしくはなかった。


「分かった。 成功させてね」


俺は帰ることにした。


家に着けば何となくフラフラして熱ぽい感じがあった。


ベット直行でベットに行くと少し楽になった。

リラックスしているとなんだか変なことを思い出しそうで起きようとしたが起きれなかった。


そして、いつの間にか寝てしまっていた。


「大丈夫?」


あれ?


俺、寝てたの?


目を開けると翔さんがいた。


「なんでいるの?」


どうして?


珍しかった。


俺の家に来たの引っ越してから初めてだと思う


「ある後輩から熱があると思うって。 1人だと大変なの知ってるから来たの」


何となく誰だか分かった。


「そっか」


翔さんは俺のおでこを触って


「やっぱり熱いな。 聞きたいこと色々とあると思うけど治ってからにして


そう言って俺のおでこを冷えピタを貼り始めた


別に・・・


「来て欲しいと言ってない」


そう言うと翔さんは苦笑して


「それはそうだ。 でも、心配だから」


心配?


どうして俺の事を心配するの?


メンバーが嫌いな訳では無い。

好きだけどたまにそこにいるのがきつくなる。


イチャイチャしてて俺だけ1人だから。


「一人で出来るし」


「買ってきたもの整理したら帰るよ。それでいいか?」


俺は頷いた。


翔さん、何を買ってきてくれたの?

冷蔵庫や冷凍庫を開ける音がする。


「何か食べたかった?」


俺は首を横に振った。

食欲はあまりない。


そもそも翔さんがいることで空気が更に悪い。


「じゃ、帰る。 お大事に」


翔さんは本当に帰ってしまった。


これでよかったのかな。


買ってきてくれたならお礼を言わなきゃダメだよね。


なのに、それを言わないまま。


翔さんとは1番一緒にいても辛い。


それは翔さんが凄すぎるからだ。