SideSS


潤さんばかり辛い目にあってしまう。

私は付き合わない方がいいのだろうか。

でも、潤さんが私に頼ってくれるから頑張ろって思える。


それでも不安が消えるわけじゃない。

だって、潤さんばかり辛い目にあって私は軽いのしかなくて。


帰ってきたのにこんな状態じゃ可哀想だ。

誰に怒ればいいのだろう。

誰を恨めばいいのだろう。


そんな思いもでてくる。

そんな自分が怖い。

ネガティブばかりな私が嫌なんだ。


そんな自分を変えたくて。

でも、どうしようもできない。


「翔?」


「潤さん」


こんなにも気持ちが溢れて好きなのにどうして辛い思いばかりなの?


「大丈夫、俺、今日は昨日と比べて動けるよ?熱はあるけど」


「潤さん、無理して動かないで?」


「ふふっ、翔がいるから大丈夫。 翔がいるから直さなきゃって思う。 そりゃまだ辛い。 けど翔がいるから頑張れる」


潤さん・・・


「翔、自分で変わるしかないんだ。 俺のきっかけは翔だったけどね?」


「私が?」


「俺は自分のためにって感じだったけど翔の優しさはいつも人のためだった。 そんな人のために何かをしたいと思った。 素直じゃない気持ちを言えたのも翔のおかげだ。 変わりたいと思えば買われるもんだよ」


潤さんは私のおかげで変わったんだ。

なら、私も変わりたいと思うなら変わらなきゃ

潤さんをもっともっと守れるような強さが欲しい。

ブレない気持ちが欲しい。


「でも、無理して変わるものでは無い。 翔の優しいところは残して欲しい。 素直さも。 翔が何を考えているか全部は分からない。 好きでもエスパーではないから。 でも、また一人で悩んじゃうの?病人だからって気を使われるのは嫌なんだ」


凄いな。

潤さんの気持ちがぶれてない。


「いつも潤さんばかり辛い目に。 今回のは特に苦しいよ。 何も出来ないことばかり。 誰に怒っていいのかに恨んでいいのか。 そんな気持ちが出てくる自分がとても怖い」


「誰にか。 運命に? 俺も誰に怒ったらいいのか分かんない。 でも、怒る気持ちはあってもいいと思う。恨むのは微妙だけど。 泣きすぎちゃったんだね? 悲しいを通り越してしまったんだね? 翔は優しいから怒りよりも悲しい気持ちが出やすいけどそれを通り越すほどショックだったんだね?」


通り越した?

私は超えてしまったのか?


「夜中出ていくのかその理由なのかな?」


「え?」


「あれ? 翔、無自覚?」


「何それ・・・」


私にはさっぱりな話だ。

夜中に起きた覚えはない。


「あれはお酒持ってた翔に見えたけど」


「お酒?」


「翔は普段飲まないのにな? 変だよね? 俺の見間違いかも」


なんか怖い。

けど、私じゃないことを信じたい。

飲めなくはないけど。

一定量超えると何するか分からないから、

というより覚えてない以上何も知らないけど。


「大丈夫、一緒に乗り越えよ?」


「一緒に。 乗り越えたい」


「優しすぎる翔はもう少し怒りたければ怒っていいんだ。 それが本心じゃなくても俺なら問題ない。 だって、本当に怒ってるか分かるからな。間違えたなら謝ればいい」


潤さん・・・


「ありがとう」


そんなに心配してくれて。

私な幸せものになるんだ。


父さん、私は私なりに好きな人をもっと愛してみて甘えて甘やかして幸せな日々を送るよ。


迷うこと悩むこと沢山あるけど私を誰よりも分かってくれる潤さんを信じる。


散々迷子になっていた私はやっと迷子から抜け出せたよ。


大丈夫、大丈夫。


自分に素直になれば。


そうだよね、潤さんが素直になれたのは私のおかげだと言ってくれた。


特に何もしてないけどそんなこと言われたら嬉しい。


後は自分がもう少しだけ頼ればいいんだよね。