まーくんはスイーツが好きでお菓子の専門学校に通っているらしい。
 
僕もスイーツは好きだな。

甘いの大好きだから。

でも、食べ過ぎないようには気をつけなきゃいけない。

「サトちゃんは?」

「僕?」

「そう、サトちゃんは何してるの?」

「僕はアートの大学に行っててダンスが好きだからサークルはダンスで今はバレエ教室通ってる」

「え? バレエ?」

僕は頷いた。
みんなそんな反応だよね。

「うん、白鳥のような美しい踊りをしたくて」

「へぇー、白鳥か。 サトちゃん姿勢いいもんね? 凄いな~」

「ほんと?」

嬉しいな。
僕のやってきたことが間違ってない。

「うん、サトちゃん、きっと素敵なバレリーノになれると思うよ」

「んふふ、ありがとう」

嬉しいな。
まだまだ頑張らなくちゃ。

「サトちゃん、コンテストとか大会っていつあるの?」

「次は12月23日だったかな」

「俺、見に行きたい」

「え? あ、うん、いいよ?」

「ありがとう」

そうだ。 日本にいる弟にも招待しとこうかな。
見に来てくれる人がいるっていいよね。

「なんか俺も頑張らなくちゃな。 俺もコンテストがあってさ」


「そっか。 応援してるね?」

「くふふっ、ありがとう」

温かい時間。
冬なのに。

まーくんのスイーツの話はどれも美味しそうで食べたいなって思ってしまう。

「サトちゃん、もし、賞を取ったらさ俺の作ったスイーツ食べてくれない?」

まーくんが作ったスイーツ。

「んふふ、いいよ? 僕も食べたいな~。 僕も賞を取ったらご褒美にスイーツ作って欲しい」

まーくんは嬉しそうに

「もちろん、サトちゃんのご褒美は甘いスイーツが1番だもんね?」

今はダメだけど終わったら食べてもバチは当たらないよね?

「んふふ、うん」

もっとまーくんといたいなって思うのは何でだろう。

「サトちゃん、友達になって欲しい」

「いいよ? お友達ね?」

日本にもあまり友達はいない。
けど、アメリカにだっていない。

だから凄く嬉しい。

夜ご飯は一緒に食べて僕は部屋に戻った。
一緒にいたいなって気持ちはあったけど。

バレエの練習しなきゃ。
ダンスは頭のなかで覚えてあるから身体が勝手に動くし。

小さい頃からダンスはしていた。
だから色んな先生に教わったし趣味としてやりたいからそれほど拘ってない。
賞を取りたい気持ちはないし自由に踊りたいと思ってた。

けど、綺麗さ美しさがどうしても足りない。

バレエで習った綺麗さ美しさはHIPHOPでもジャズでも反映され始めた。

いつまで続けるかはわからない。
賞が取れたら1位が取れたら辞めるかもしれない。

綺麗な人を思い浮かべて描き始めた。
学業も頑張らなければいけない。

日本でも良かったのかもしれないけど。

アメリカのダンスを見てみたかったから。
ミュージカル作品ってアメリカが本場でしょ?

自分が歌うことは出来ないけど踊りたいとは思う。

けど、自由がないと踊りたくはない。

描き終わったのは白鳥と湖。

動物を描くことも好きだし景色を描くことだって。

僕の頭の中は常に明るい色で溢れている。

でも、その明るい色が見たことない色で溢れたら僕はとっても幸せ者になってる時だろうと思った。