ベットで横になってるしょおくんにギュッと抱きついた。

「終わったの?」

「うん」

「お疲れ」

「ありがと」

ベットで抱き合ってこれだけ落ち着く。

「しょおくん、お仕事ないって言ってたよね?したいとは思ってるんだよね?」

「そりゃ、これも悪くないかもだけど、あまりにも収入がないのもな」

んー、じゃあ言ってみるか。

「しょおくん、さっきのお客さんのお友達さんがモデルを募集してるって」

「誰? その客」

「智さん」

「え? 智くん?」

「知り合い?」

「友達だな」

お友達なんだ。
なら、受けやすいよね。

「やる?」

「いいよ、いつだ?」

「そこまでは聞いてないよ」

「じゃあ、連絡してみる」

LINEで連絡し始めたしょおくん。

いいな。
お友達がいて。

僕にはお友達なんていない。

僕にはお客さんと師匠と恋人。

お友達ってなんだろ。

僕にはずっと師匠がいたから。

小さい頃から親という存在は分からない。
両親との記憶が無い。

ずっと師匠に面倒見てもらって。

学校は行かず、お家で勉強していた。

だから、お友達だなんてできない。

「どうした?」

「なんでもない」

ほんとは寂しかったのだろうか。
だから、占というものに興味を持ち教わったのだろうか。

占で人を幸せにしたい。

そんな思いで。

でも、恋人が出来た。

運命の人が現れて。

「明日みたいだ、潤もついてきてくれるか?」

「え? 僕も?」

「そう、潤には見てもらいたいなって」

明日は特に予約が入ってないからお休みにしても問題は無い。

「分かった」

「ありがとう、潤はモデルに向いてそうなんだよな」

「え?」

僕がモデル?
そんなの・・・
無理無理と首を横に振ると

「なんで? 俺よりも綺麗なくせに

「しょおくんはカッコイイもん」

「ね? 今回だけでいいから」

そこまで言うなら・・・
頷いた。

「宣伝になるじゃん、占いの館」

「へ?」

「Junの館、知ってもらえるチャンスだ」

別に人気になりたいわけじゃない。
でも、幸せになりたいと困ってる人がいるならいいのかな。

「頑張ろうな?」

「うん」

しょおくんと一緒なら初めてなことでも頑張れると思った。

どんなふうなことをするんだろう。
テレビや雑誌を普段から見ない僕にはイマイチイメージがつかない。

師匠のお部屋にはエロ本だらけだったし。

しょおくんのヌードって要はエロ本みたいな感じなぐらいなるのかな・・・


そう思うと僕はちょっと胸がチクッとした。