見送り、ギリギリ行けた。
本人が何時かは分からないと言っていたからこっちも分からなかった。

「待ってるから帰ってきてね」

「うん、帰ってくるよ」

ギューッと抱きついてキスした。

その間に頑張って潤くんの役に立てるようなスキルをみにつけたい。
 
俺ができるのは潤くんのことを支えることだと思う。 社長をやらないなんて選択肢はどうしても出来ないと思うから。

なら、俺が支えたらいい話じゃないかと思った。

俺たちは出来ることをやるまで。
俺だけでいいはずが智くんも雅紀も協力してくれることが分かりとても申し訳ない。
けど、恩があるからと言われた。

2人は俺がキューピットみたいに思ってるみたいだけど実際は雅紀が智くんの気持ちに気づいたからだろ?

卒業はまぁ1番の成績をとっていたからアメリカにでも留学しようかと迷ったけど短期の方が良さそうだと考えここの大学にした。

ニノはよく分からない。
けど、ニノが偏見しないことは知ったからホッとしてる。

綺麗なお姉さん探してるみたいだけど見つからないみたい。

潤くんはどうしてるかは連絡はしてるからなんとなくは分かるけど。

潤くんがいない時間はながいけど・・・

季節は潤くんが生まれた夏から秋に変わろうとしてる。

気候が秋らしくなって紅葉も美しく潤くんに写真を送った。

智くんと雅紀の惚気話を聞くと羨ましく思うがしょうがない。

俺が生まれた冬になりクリスマスはちょっと寂しいけど去年とは違い思いが通じあってるから大丈夫・・・。

潤くんの方は雪が降っていてホワイトグリマスになっていて綺麗だった。

「翔くん~、ご飯できた」

「ありがとう」

毎日まではいかないが智くんたちが俺のことを心配してくれてこうして食べさせてもらったり泊めさせてもらったりとしている。

大丈夫なのに・・・
でも、2人が楽しそうだし俺もそこにいられるのは楽しい。

今日も美味い飯を食って智くんたちとはしゃぎ回る。

子供みたいなことしてるけど・・・

そんな時間があるのは学生の時だけだろう。

だから、今できること今しか出来ないことを楽しむんだ。

「んふふ、今度遊びに行かない?」


「え?」

「アメリカ?」

「そう、春休み中に」

「くふふっ、いいね」

「でも、そんな簡単に会ってもいいのかな?」

潤くんのお母さんもいるわけだし。

「潤に聞かなきゃ分かんないけど」

「潤ちゃん、疲れてないかな」

電話してる限りは疲れてそうには見えなかったけどな。

潤くんに聞けば会わない方がいいと言われた。
監視してる可能性があるからだと。

毎日電話してるうちにだんだんそれが日常なのかと思うぐらい年数が経ってしまった。

結局約5年・・・

俺はそれまでの日々を箇条書きに書いていた。


今日やっと会える・・・

少しの時間でもいいから会いたい。

そして、おかえりって言って抱きしめてあげたい。

約5年分、沢山のキスをして今度は1つになりたい。

でも、俺は迎えには行けない。
そこには潤くんの母さんがいるから。

智くんと雅紀は迎えに行くみたいだ。

俺は俺の家で待つしかない。

ここに来てくれることを願って。

潤くんの母さんたちが邪魔するかもしれない。
でも、やっと会えるのに邪魔するのはやめて欲しい。

「もしもし?」

潤くんからかかってきた電話。

「会える?」

そう聞けば

「うん、行ってもいい?」

遠慮がちに聞いてくるな。

「いいよ」

そうすると嬉しそうに

「ほんと? ありがと」

うん、来て欲しい。

「待ってるから」

「うん、もうすぐ着くよ?」

やっと会える・・・
早くって思う気持ちがあるけど・・・
時間はまだたっぷりあるから。

大丈夫。