SideS

今日は遅くなることを先生には伝えたから延長させて貰うことにした。

結局バイトは首には ならなかったから続けてその後、待ち合わせ場所に向かった。

「まず、ウチのメインの方から案内するわ」

芸能事務所って・・・

スゲーめっちゃスターって感じな人だらけ。

社員は色んな人がいるな・・・

それから、社長室に案内された。

色々と先生のお母さんが説明すると2人きりで話したいと言われ、社長と2人きりになった。

「基本、やることをやれば時間はフリーな部署が多いんだ、時間に心配なら俺の補佐をしないか?」

「え?」

「俺の仕事さ、ここに届くんだけど、部署が広すぎてたまに分からなくなるんだよ」

どう見ても広そうだけど・・・

「妻は無理しすぎなんだよ、だからいつも心配でね? 潤の仕事は理解してる、だから特に跡を継いで欲しいなんて思ってないんだ」

「そうなんですか?」

必死そうだったけどな。

「潤が楽しそうだったから反対はしなかった、妻はこの事務所が俺の代で終わらせたくないのだろう」

なるほど・・・

「それに後を継ぐのは誰でもいい、まぁ有能な人ならね?」

ちゃんとした考えを持っていて先生のこともきちんと分かってくれてるんだ。

「短期でやるのもありだけど?」

「え?」

「仮契約にすれば辞めたい時に辞める時が出来る、本契約すれば1年は必ずいてもらうそれがこの事務所の約束の1つなんだ」

「分かりました」

「とりあえず内容は補佐だから書類まとめだったり、電話対応だったりする、本当はこういうの面倒なタイプだったけど・・・君にならいいかなと思えてね?」

それで先生のお母さんに頼んでたのか?

「やれるだけやってみます」

「うん、仮契約は何時でも辞められるけど1年経ったら本契約になるからね?」

「分かりました」

「休みたい希望は俺のメールに宜しくな?」

「はい!」

良い人なのは分かったし、緊張はするけど、給料良さそうだしね。

「潤は元気か?」

「はい、元気ですよ?」

「忙しくて会えないのと俺たちを嫌ってるのも知ってるから会いづらくてね?」

後悔してるんだよね、きっと。
昔は分かってくれなかった、先生にとっては渋々に見えちゃったのかな?

「毎日楽しそうにしてますよ?」

「ふふっ、そうか、それならいいんだ」

さて、社長さんを先生に会わせてあげるにはどうしようか。

まぁ、とりあえず社長室から出て、他のところも見学させてもらった。

ほんと、広すぎるよ・・・

そう言えば帰り際に

「気に入られた?」

そう聞かれてなんて答えたらいいのか分かんないでいると

「なんかそんな感じがする、部署は?」

「社長の補佐だと言われましたけど」

そう言えば

「なら、気に入られたんだね?」

まぁ、そうかもしれないな。

それから幼稚園に迎った。

「お疲れ様です、雅紀くん、カズくん、お片付けしてね?」

「はーい」

「はーい」

「いい会社だと思うよ?」

「別に悪いとは思ってないけど、僕は好きな仕事に就きたかったからね?」

そんなことを話してるうちに雅紀とカスが来た。

「ふふっ、後で寄ってもいいかな?」

「うん、待ってます」

「良かった、今日はお掃除だけだから」

そっか、教室掃除か・・・

「ん? 大丈夫ですよ、掃除は嫌いじゃないのですぐ終わりますよ?」

確かに綺麗にしてくれた時、俺よりもテキパキと綺麗に出来てたもんな。

一旦別れたあと・・・車に雅紀とカズを乗せて帰ることに。

家に着いて車から降りると智くんがいた。

子供たちを降ろして

「なんでここに来たの?」

そう聞いたんだ。

「だって、やっぱり翔くんのことが好きだから会いたくなっちゃった」

そう言われた。 話が長くなりそうだから

「雅紀、カズ、中に入って手を洗ってうがいしたら遊んでて? お願いね?

「うん、カズくん、いこ?」

「うん・・・」

カズはやっぱり智くんのこと好きだもんね。
ごめんね? でも、戻るつもりは無いから。