カズくんが治るまで泊まることになった。
確かに心配はしてるけど友達だからったこれ以上はと思い帰ろうとすると雅紀くんが僕の袖を掴んだ。

カズくんは帰んないで?って言ってるように感じ取れた。

こんな2人を見たら帰れるわけなくて荷物を整理してただけと言うことにしといて帰るのをやめた。

カズくんのお熱は下がったみたいだけど安静にしとかないとね。

さすがに何もしない訳には行かないから僕は買い物に出かけてあれこれ材料を買いに行き、櫻井さんのお家に帰って料理し始めた。

んー、やっぱり嫌いなお野菜はあると思うからそれは小さくして味噌汁の中に入れちゃう。

僕も難しいことは出来ないけど普通のぐらいなら出来る。

出来上がって食べ始めれば・・・

「旨っ、めっちゃいいこれ!」

「ハンバーグだ~♪」

「おいしーい」

ふふっ、みんな高評価なので嬉しかった。

「ふふっ、良かった」

それにしても・・・

櫻井さん・・・そんな急がなくたってそんなにお口の中に沢山じゃなくてもいいのに・・・

お、味噌汁、ちゃんと飲んでくれた。

「ごちそうさまでした」

「ごちちょうさまでした」

カズくん、たまに”ごちそうさま”って言えない時あるよね。

まだ発音難しいもんね?

「ご馳走様、めっちゃ美味かったよ」

「完食してくれて嬉しい」

それから、少し経てば櫻井さんは雅紀くんとカズくんをお風呂に入らせた。

その間に僕はさっき聞いといたから掃除することにした。

遠慮なくと言われたら気になるところは掃除してしまう。

出終わったら僕がお風呂に入る番。

ふふっ、アヒルさんだ、カズくんたちお風呂でアヒルさんと遊んでたのかな?

この前は僕が先だったから分かんなかったけど後から入れば知らないことも見えてくるんだね。

なんか、友達なのに距離があるようなのは僕が先生だからなのかな?

話しやすいのに何でなんだろう。

確かに僕の地元に友達はいない。

櫻井さんがこの地元では初めての友達だったんだ。

だからなのかな、まだ慣れてないだけならいいけど、そうじゃないなら僕はどうしたら普通に友達としていられるのだろうか。

この歳ってのもあるのか。

そして、どうして櫻井さんのことで頭いっぱいなんだろう・・・

カズくんや雅紀くんだっているのに・・・

考えてることは櫻井さんのことばかりだった。