テスト期間になったから簡単な撮影以外はセーブしている。 台詞を覚える暇はないからね。

今日はピーちゃんが成長したから洋服を買いに行った。 ピーちゃんは服が大好きで家を出るときは服を着てお出掛けするんだ。

久しぶりにピーちゃんと一緒。
ふふっ、この前よりも大きめの洋服を買って出るとピーちゃんは泣き出した。

これはピーちゃんが怖がってるとき。
何かが起きるからだ。

「どっち? 連れてってくれる?」

ピーちゃんの指した方向は右だ。
一回物陰に隠れてビーちゃんに餌をあげる。
ふふっ、泣き止んでくれて良かった。
ピーちゃんは鳥になることができる特殊な妖精
ピーちゃんは聞けば前世で生きていた鳥が妖精に変わっただけと言う。

空から見ると景色が違う。 一番近い物陰に止まって見てる見ると・・・、ドラゴン?
ドラゴンってこの世にいるの? てか、人じゃない。 僕、世界を間違えた? 見慣れた場所だから変わってない。

どうやってやっつけるのと思うとピーちゃんから銃が渡された。 でも、紫だから、玉ではないのかも。 穴がハートの形をしている。

それをドラゴンに向けて撃つとビリビリとしていてドラゴンの動きがゆっくりとなった。

それでもギザギザした尻尾が僕の膝とお腹に傷をつけられた。

さすがにこんな痛みは初めて。
傷からの出血は少ないけどそれでも凄く痛いなんて・・・。

ドラゴンが気絶したのを見てホットしたのと同時に僕もその場で倒れた。

良かった、僕以外に被害が出ないで。
ピーちゃんに何もなくて良かった。
ーーー

目が覚めると誰かさんのお家だった。
ふと、近くに櫻井さんが寝ていた。
ってことは・・・櫻井さんのお家で、僕は助けられたってこと?

「あ、起きたの?」

その瞳は優しくやっぱり何もかも分かってる感じがした。 

「ごめんなさい」

きっと、しょうがなく助けたんだよね?

「あれは俺も初めて見た。 多分外国人が持ってきたんだろうな」

そっか、日本にドラゴンなんかいるはずないもんね。 

「それと潤くんのそばにいた“ピーちゃん“だっけ? それの色違いがいたんだ」

そう言ってほらとオリの中に入れられてある。

「あ、ピーちゃんは?」

「潤くんの左隣にいるよ」

見てみると心配そうに見ていた。

「ピーちゃんが探してたお仲間?」

頷いたからお仲間みたい。

「良かったな、これで俺を乗っ取らないですむしな」

「え? どういうこと?」

そう言うと話してくれた。
なるほどね、ピーちゃんにも出来るのか。
乗っとることぐらい。 でも、ピーちゃんは優しいからしなかっただけ。 そして、すぐ記憶を思い出したから。

けど、櫻井さんはなかなか思い出せなかったからか僕とキスするまでは意識を失ってたらしい

「ほんと、ごめんね?」

それってさ、櫻井さんはどう思ったの?
してみてどう思ったの? 

とりあえずパンツだけだったから服を着て家を出ようとした。 玄関を出ようとしたら後ろから抱き締められて

「俺さ、潤くんのこと好きだって思ってる。
キスだけじゃなくて話してるときが凄く楽しかったし、見てるだけでも惹かれた。」

急に言われてもとは思うけど、僕も好きかもしれない。 ドキドキした。 フワッと桜の香りが漂う。 僕の心も求めているのかな。

「・・・//」

きゅっと締め付けられる心に痛いのと同時にそんな感情があるんだと思い知らされた。

振り返って

「ちゃんと言ってくれたの凄く嬉しかった。
けど、もう少し考えさせて?」

こんなドキドキしてる状態じゃダメだよ。
それに・・・好きって簡単に言っていいものでもないと思うから。

そう言って櫻井さんのお家から出た。