たまにしょおくんを見かけるけど、しょおくんは気づくはずはない。 でも、たまにしょおくんは僕の方を見てるときがある。
見えてるのかな? なんとなくでも。

そんなふうに思いながらもしょおくんが卒業する頃、いつも通り、お仕事をしていたら・・・
マスターさんが来ていた。 なつかしい、どこに行ってたのだろうか。

「勝手にごめんね? あれから普通にあっちで生活してたんだよ」

え? じゃあ普通に生活できてたってこと?

「綺麗だったし、この場所を誰よりも大切そうにしてたから、勝手に選ばせて貰ったんだ」

「そうなの?」

「んふふ、カズから聞いたよ? 会える方法はあるよ? その代わり二度とこの世界は戻れないけどね?」

しょおくんに会えるの? カズから聞いたってカズとはどんな関係なの?

「ほんとに?」

もう、こんなに苦しまなくたっていいの?
でも、ここは誰が守るの?

「んふふ、うん、大丈夫、望むならその通りにしてあげる、後任はいるから大丈夫だよ?」

そっか。 ここ守ってくれる人がいるなら僕は心配ないかな・・・。

「どうする? 恋人さんに会いたいか?」

迷うことなく僕は頷いた。
会って今度はずっと一緒にいたい。
サポートしたいし、話してるのが楽しいし、キスしたい。

「いいよ、じゃあベットに寝て?」

言われた通りにすると

「今から手続きする、承認された瞬間、ここにはいないから眠っときな?」

頷くといっちゃった。 
寝ないとダメなのかな? でも、たどり着けなかったら困るから大人しくしてよう。

いつの間にか僕は眠った。

チュッ・・・

唇に温かい感触がした。 何度もされてる。
んっ・・・ そっと目を開くとしょおくんだった。 たどり着けて良かった・・・。

「ビックリしたよ、帰ったら俺のベットで寝てたんだもん」

ふふっ、しょおくんだ。 変わってないね。
起き上がってぎゅーっと抱きついた。

「ここにいるってことは、ずっと一緒にいられるのか?」

その声はとても不安そうだった。
ふふっ、ずっと思っててくれたんだね。
嬉しい、好きでいてくれて。

「うん、ずっと一緒だよ?」

すると嬉しそうにぎゅーっとしてきて

「凄く嬉しい、待ってて良かった」

ふふっ、眩しいぐらいの笑顔で言われたらドキドキしちゃうよ。 何度もキスして深くなって好きだなって思いながら受け入れていた。

「しょおくん」

ふふっ、大好きだよ。
でも、嬉しすぎて涙が溢れちゃうよ。

「ふふっ、可愛い。」

え? 僕が? そんなはずない。

「そう?」

僕の頬をゆっくりと触りながら

「ふふっ、可愛くてかっこいいな」

「ふふっ、ありがと」

ドキドキしながらしょおくんの話を聞く。

「潤は何回かこっちの世界来てたよね?」

知ってるの? ビックリしたけど本当のことだから頷く。

「何となくでしか見えないけどね? だから、毎回は見えないわけだし、すぐどっか消えちゃうし」

なんとなくで見えているなんてさすがだね。
遊びに行ってケーキやお花を買ったり、散歩してた。

「だから、潤は俺のことを見てるんだなって思うと凄く嬉しかった」

そっか。 見に行って良かった。
うん、どんどん嬉しさが溢れちゃうよ。

「ね、俺が潤のこと忘れるとでも思った?」

忘れちゃうだろうなとは思ってたけど、どこかでは忘れないでって思ってたはずだから微妙だよ。

「忘れてるだろうって思ってただろう? 別にいいけど。 潤は特別だから」

「特別?」

「そうだよ?」

ふふっ、しょおくんの特別。 

「うん。僕もだよ?」

「ふふっ、ありがとう」 

久しぶりだから? ドキドキしながらも時分のモノが反応し始めていた。

「しょおくん・・・」

「ん?」

「抱いて?」

そう言ってしょおくんの手の甲にキスをした。

「俺が抱いていいの?」

え? しょおくん、抱かれてもいいの?
僕はどっちでもいいけど。 とりあえず頷く。

「ふふっ、ありがとう」

ってことはしょおくんは抱きたいんだね。
いいよ? 男とは初めてだけど、やり方ぐらいは知ってるし・・・。
それに、しょおくんは優しいから。
優しいから安心できると思うんだ。

ね? 多少は痛くても大丈夫だから最後までしてくれる? 愛してくれる?
幸せになりたいって欲張りかな?