待ちに待ったデートの日、天候は晴れで遊園地に行くことに。

「ふふっ、着いたら観覧車乗りたい!」

マジか…。 俺は高いところ苦手だから怖いんだな。

「分かった。」

遊園地について、チケット買って入園した。
広くてマップを見てどこに行きたいかを決めた。


「メリーゴーランドや、コーヒカップもいいけど、観覧車がいい!」

最初から観覧車に乗るのね。

「分かった、行こう?」

そう言って観覧車に向かった。
乗ったけど、怖いわ。
高くなってくほど俺は少し震えてきた。
情けないのは分かってる。

潤は、嬉しそうに

「しょおくん、みてみて!」

潤みたいに覗くことは出来ない。
すると潤はじっと見て

こっちにきてぎゅっとしてくれた。

「しょおくん、怖かったんだね、ごめんね? 僕のせいだもんね…。 降りるまでキスしよう? そしたらしょおくん怖くないかも」

そう言ってキスしてきた。 潤が何回もしてくれるからいつの間にか怖さはなくなった。
そして、いつの間にか俺からもキスしていた。
降りた後

「大丈夫だった?」

そう聞かれたから頷くと

「最後、もう一回乗ろうね? 一回お昼食べよ?」

そう言って潤は俺を気遣ってくれた。

「ごめん、ありがとう」

そう言って潤の髪の毛を撫でた。
さすがに手を繋ぐことは無理だからね。

お昼を食べ終えてメリーゴーランドやコーヒカップが終わり、乗れるものは乗り終わった頃、

「しょおくん、ジェットコースター平気?」

そう言われた。 本当は苦手。 だけど潤となら平気なのかなと思った。

「ふふっ、苦手でしょ? 高いもんね。 乗らなくてもいいよ?」

え? いやいやそれでいいの?

「でも、潤は乗りたいんだろ?」

そう聞くと潤は首を横に振って

「しょおくんが乗りたくないものを乗っても楽しくない! それに、僕だって怖いかもしれないから…」

そう言って俺をじっと見た。

「分かった、俺も乗れば潤も乗るんでしょ?」

そう聞くと

「無理してほしくないから乗らなくていい!
僕はしょおくんと楽しくいたいの。だからジェットコースターに乗る必要ないよ? しょおくんが行きたい場所、乗りたい場所言って?」

そう言われてもな。 もう行きたい場所は行ったからな。 辺りを見回すと行ったことないところを見つけた。 

「いいよ、じゃあ、彼処ね?」

そう言って向かったのはお化け屋敷。
そこなら手を繋ぐことは平気そうだ。

「オバケ屋敷? 怖そう…!」

そうだよな。 やっぱり怖いよね。

「やめる?」

そう聞くと首を横に振って

「やだ。 僕もいく! それと…、離れないでね?」

ふふっ、離れないよ。

「怖かったら俺の手掴んで握ってね?」

そう言うと嬉しそうに頷いた。

入ると何回かもちろん、少し怖そうな仕掛けがあるな。 そう思いながらゆっくりと入った。
ふふっ、潤は俺にぴったりとくっついてる。

早速怖そうな仕掛けが来たから潤の手をぎゅっと握った。 大人になれば仕掛けなんだと分かるけど、子供の時は俺も苦手だったからな。
ゴールまでもう少しって時に仕掛けが来て潤は俺の後ろにいるから、大丈夫かな。
潤の手を離さずその仕掛けのお化けたちから抜け出すように走った。

出口に出れて物陰で潤をぎゅっとした。
もう、いいや。 ここらへんなら、バレても別に変な目では見られないだろう。

「しょおくん、しょおくん」

潤はずっと俺の名前を呼んだ。 泣き止むようにそっと背中を擦った。
暫くして潤は泣き止んで

「でもね、嬉しかった。 怖くて何回も叫びそうにも泣きそうにもなったけど、しょおくんがぎゅっと握って引っ張ってくれた。カッコ良かった。」

そう言ってニッコリ笑った。

「ふふっ、そっか。 潤は頑張ったね。」

そう言って軽くキスした。

「ふふっ、うん」

ぎゅっと抱き締めて

「俺は満足だよ? 潤は?」

そう聞くと

「最後にもう一回観覧車に乗りたい!」

「いいよ、行こっか。」

そう言うと嬉しそうに頷いて手を握った。
もう一度乗って高くなってもそれほど怖くなかった。 だから普通に景色も見れたんだ。

乗り終わって降りたら

「楽しかった、ドキドキもしたしね。けど、少し疲れちゃった。」

なるほどね。 

「帰ろ?」

そう言って車に乗って帰った。
着くまで潤は話してたけど、眠くなったのか寝て、着いた今も寝ている。
確かに、潤は出歩いたことがほぼない。
体力的に追い付かないのかもしれない。
運動もほぼしない。 だからこんなにも歩けてるのはきっと楽しいと思えてるからだろう。

「じゅん…、着いたよ」

そう言っても潤は起きない。
軽く揺さぶると一回起きたかと思ったが起きなかった。

軽くキスして耳元で

「潤、起きて? 着いたよ」

そう言うとピクッと反応してゆっくりと瞳が開いた。

「んっ、しょおくん…!」

「中、入ろ?」

潤は頷いた。 それから中に入ると

「あ、おかえり、楽しかった?」

「ふふっ、うん」

「ふふっ、そっか。 今日は唐揚げだよ!」

机にはずらりと唐揚げが並んでて既にカズくんは座っていた。

「すげーな。 ありがとう」

「ありがとう、ね、凄いね!」

そう言うと雅紀は

「いつも潤ちゃんが作るときが多いからね」

潤は嬉しそうに

「作るのは楽しいからいいの、けど、作ってくれて嬉しい」

それから手洗いうがいをして、ご馳走を食べた。

それから初デートはどうだったのか聞かれた。
恥ずかしくて言うわけないじゃんと言えば
智くんもカズくんも知りたいって言われたからぽつりぽつりと話した。
潤も少しずつ話して楽しかった。
久しぶりに団欒した気分だった。

「潤くん、来週釣りいかない?」

智くんと釣りね。 早くしないと寒くなるから今のうちがいいかもしれない。

「うん、行く! しょおくん、いい?」

「いいよ、行ってきな?」

そう言うと潤は

「しょおくん、ありがとう、大好き」

そう言って思いっきり抱きついてきた。
それを見て智くんも良かったと言った。

「マグロ釣りたいな」

「潤くんは初心者だから難しいと思うよ?」

「そっか・・・。」

あー、落ち込んじゃった。
俺は釣り、そんなにしたことないからマグロ、釣ったことはない。

「潤は色んな魚、釣ってきてほしいな。 マグロじゃなくても俺は嬉しいよ?」

そう言うと潤は

「うん、沢山釣ってくるね? マグロも諦めないよ、頑張るからね?」

マグロは諦めないんだ。 こだわりがあるのだろうか。 楽しくなればそれでよしなんだけどな。