最近テレビよく出ている毒舌キャラの芸能人が、
「あいつ、殺してやりたい」
などと、その日も番組の冒頭から飛ばしていた。
おやおや、穏やかじゃないなぁ・・・
と思って振り向くと、
罵声を浴びせられているのは、何と知人だった。
(どうやら、マネージャーをしているらしいです。)
その人とは学生劇団で二カ月間一緒に活動した。
別の大学から来ていて、一級上だった。
この先輩は、割といろんなことに無頓着な人で、
潔癖症の人は、一緒にいたら堪らないだろう。
例えば、ある日、彼が大事そうに食べていたおやつのカールを
私が、誤って床にばら撒いてしまったことがある。
すごく気が引けたけど、衛生上良くないと判断して、捨てておいた。
すると、稽古場から戻って来て、一生懸命何かを探している。
「すみません、カールだったら、床に落としてしまったんで、捨てました」
と謝ると、彼は無言でうなずいて
ゴミ箱をあさり、何くわぬ顔で食べだした。
勝手に捨てたことを咎められず安心したが、
ゴミと混ざったお菓子を平気で食べる神経には呆れた。
芝居の稽古に飽きてくると、
近くの公園で、体力づくりと称して、みんなでサッカーをした。
私はサッカー経験もなく、どんな球技でも
「あいつのとこへ球がいったら負ける」と言われるような人間だったので、
なるべくゲームに参加しないよう気をつけていた。
ところが、人数も少ないので、いつかは自分のところに来てしまう。
目をつぶって、思いっきり蹴ったら、何と先輩に命中してしまった。
それも、お腹にサッカーボールの六角形の痕がつく位の威力で。
にも関わらず、当の本人は「マンガみてぇだなぁ。」と笑って写真を撮っていて、
私は、何て寛容な人なんだ!と感心してしまった。
そんな身についたのか、よく分からない稽古を重ねて、
我々は公演当日を迎えた。
シリアスな場面を控え、舞台袖で、感情を作り上げていると
「○○ちゃん、ちょっとちょっと!」と手招きしている。
嫌な予感がしたが、一応先輩なので、無視できない。
「何ですか?」と近づくと、ぷぅっとおならをされた。
それが、また強烈な臭気で、
え、この人、腸が腐ってるのかな・・?
と思ったら、自分の出番は全く集中できなかった。
どこまで無神経なんだ!と驚きもしたが、
これまでの不運な出来事への仕返しだと思うと、納得できた。
美しい思い出は一つとしてないけれど、
特殊な世界で、一筋縄でいかなそうな人の元で、
頑張っている(?)先輩は、
何だかんだ言って、かわいがられているようで、
エールを送りたくなるのであった。
「あいつ、殺してやりたい」
などと、その日も番組の冒頭から飛ばしていた。
おやおや、穏やかじゃないなぁ・・・
と思って振り向くと、
罵声を浴びせられているのは、何と知人だった。
(どうやら、マネージャーをしているらしいです。)
その人とは学生劇団で二カ月間一緒に活動した。
別の大学から来ていて、一級上だった。
この先輩は、割といろんなことに無頓着な人で、
潔癖症の人は、一緒にいたら堪らないだろう。
例えば、ある日、彼が大事そうに食べていたおやつのカールを
私が、誤って床にばら撒いてしまったことがある。
すごく気が引けたけど、衛生上良くないと判断して、捨てておいた。
すると、稽古場から戻って来て、一生懸命何かを探している。
「すみません、カールだったら、床に落としてしまったんで、捨てました」
と謝ると、彼は無言でうなずいて
ゴミ箱をあさり、何くわぬ顔で食べだした。
勝手に捨てたことを咎められず安心したが、
ゴミと混ざったお菓子を平気で食べる神経には呆れた。
芝居の稽古に飽きてくると、
近くの公園で、体力づくりと称して、みんなでサッカーをした。
私はサッカー経験もなく、どんな球技でも
「あいつのとこへ球がいったら負ける」と言われるような人間だったので、
なるべくゲームに参加しないよう気をつけていた。
ところが、人数も少ないので、いつかは自分のところに来てしまう。
目をつぶって、思いっきり蹴ったら、何と先輩に命中してしまった。
それも、お腹にサッカーボールの六角形の痕がつく位の威力で。
にも関わらず、当の本人は「マンガみてぇだなぁ。」と笑って写真を撮っていて、
私は、何て寛容な人なんだ!と感心してしまった。
そんな身についたのか、よく分からない稽古を重ねて、
我々は公演当日を迎えた。
シリアスな場面を控え、舞台袖で、感情を作り上げていると
「○○ちゃん、ちょっとちょっと!」と手招きしている。
嫌な予感がしたが、一応先輩なので、無視できない。
「何ですか?」と近づくと、ぷぅっとおならをされた。
それが、また強烈な臭気で、
え、この人、腸が腐ってるのかな・・?
と思ったら、自分の出番は全く集中できなかった。
どこまで無神経なんだ!と驚きもしたが、
これまでの不運な出来事への仕返しだと思うと、納得できた。
美しい思い出は一つとしてないけれど、
特殊な世界で、一筋縄でいかなそうな人の元で、
頑張っている(?)先輩は、
何だかんだ言って、かわいがられているようで、
エールを送りたくなるのであった。