人形にまつわる怖い話の続きです。
前回のお話はこちらからどうぞ→http://ameblo.jp/39ra-510dama
町の骨董屋さんの窓辺で強烈な気配を放つ市松人形を見てから1~2年が経ち、そんなことはすっかり忘れた頃。
ある年の2月の末、ひな祭りのイベントで市内のあちらこちらのお店や個人宅、施設などで雛人形の展示を行っているので、見に行こうと出掛けた。
毎年行われているイベントだが、見に行くのはその時が初めてだった。
真新しい物から年代物まで様々な雛人形が見られて中々楽しい。
買い物なんかもしつつ、のんびり歩いているとふと、前方から不穏な気配が漂ってくることに気が付いた。
なんだろう、前にもどこかでこんなことがあったような…?と、思いつつ気配の方へ歩み寄ると、とあるお店のショーウィンドウ越しに市松人形が飾られている。
支える木製の台があるため、立っている姿だが首がガックリとうなだれているので顔は見えない。
黒々としたオカッパ頭、少し薄汚れた赤い着物、赤ん坊ほどの大きさ…。
人形の特徴を見ているうちに染井はハッとした。
「まっまさか…あの時の市松人形?!Σ( ̄ロ ̄lll)」
あの骨董屋さんから買ったの?!
そういえば、脇に置かれたちょっと小振りの男の子の市松人形も、あの時見たヤツと同じじゃね?!
何よりも人形が発している気配が、あの日あの時あの骨董屋さんの窓辺で感じたものと一緒!!
うつむいて少し乱れた黒いオカッパで顔がおおわれて見えない分、前より怖いっ!!(´□`;)
何も知らない、見ていない感じを装って、染井は足早に店の前を通り過ぎた。
帰りは意識して、車道を挟んだ反対側の歩道を歩き、遠巻きに例のショーウィンドウを見た。
さすがに車道を挟むと気配は届かないようだが、やっぱりうつむいて立ち尽くす市松人形はビジュアル的に怖かった…。
確証は無いのですが、あの気配はどう考えても同一の人形だと思います。
ちなみに今年もひな祭りのイベントを見てきたのですが…。
市松人形を飾っていたお店は閉店したのか、シャッターが下りてました。
市松人形とは関係なく閉店したのかもしれませんけど、ちょっと…ねえ?(;゜∇゜)