豊洲、基準超えるベンゼンとヒ素検出 都、地下水モニタリング
[ 2016年9月29日 19:10 ] 社会

東京都は29日、豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査で、青果棟のある5街区から環境基準をわずかに上回る有害物質のベンゼンとヒ素を検出したと発表した。最大でベンゼンは基準の1・4倍、ヒ素が1・9倍だった。土壌汚染対策終了後に実施している都の調査で、環境基準を上回ったのは初めて。

都は30日、豊洲市場の建物下に盛り土がなかった問題で、地下空間を設置した経緯などの調査結果を小池百合子知事に報告する。

地下水は小池知事が再設置した「専門家会議」が安全性を検証する。専門家らは、検出されたのが微量で人体への直接的な影響はないとみている。

都によると、全敷地内の201カ所で調査した。ベンゼンの環境基準は1リットル当たり0・01ミリグラムだが、計2カ所で0・014ミリグラムと0・011ミリグラムを検出。ヒ素の基準も1リットル当たり0・01ミリグラムで、1カ所で0・019ミリグラムが出た。3カ所は8月29〜31日に採水し、いずれも地下空間がある建物下以外の地点だった。

都によると、豊洲では飲用や洗浄などを含め地下水を使用することはない。調査は開場の条件として法律で定められたものではなく、安全性の確認のため、2014年11月から実施している。これまでの7回は、いずれも環境基準を下回っていた。

小池知事は移転延期を判断した理由に、2年間の調査が終わっていないことを挙げていた。

また豊洲市場の土壌汚染対策や総事業費などを検証するため、都が設置した有識者による「市場問題プロジェクトチーム(PT)」が29日、初会合を開き、維持費が上がる豊洲でも業者が経営を続けられるかどうかなども検討対象とすることを確認した。